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親鸞さんの教え 本願寺食堂でハンバーグを食す編

親鸞さんの教えは「絶対他力」という思想です。


他力本願というと、自分で努力せず、人のことをあてにするという否定的な意味で使われますけど、親鸞さんはむしろ「全力で他力本願」なのです。

誰の力なのかというと、阿弥陀如来さまです。阿弥陀如来さまに全てを任せ切ることで救われる、そう説いたのでした。

また、親鸞さんは「悪人こそが救われる」と説きました。

その理由は、善人は自らの善を誇り、阿弥陀如来さまにおすがりしようとする他力の心が欠けているそうです。むしろ、「私は悪いことをしました、救いようのない、罪深き人間なのです!」と自分を悪い人間だと思う人ほど、阿弥陀如来さまにすがる心が強いので、救われると、説いたのでした。

この考え方は当時としては画期的でした。それまで、仏教の教えというのは、普通は山籠りしたり、断食したり、滝に打たれたりして、苦しく険しい道を乗り越えた者のみが到達できる境地でした。


また、罪を犯そうものなら、地獄に落ちると信じられて居ましたから、苦しい修行は一切やめて、最初から阿弥陀如来さまに全力でお任せえすれば、特に悪いことをしたあなた、救われるよ、と説いた親鸞さんの思想は、世の人々に衝撃を与え、浄土真宗は一世を風靡しました。

そんな画期的な考えの親鸞さんですが、旧体制の宗教界から追放されてしまいます。

めげない親鸞さんは、私は宗教界から追放された身、僧侶ではないが、俗人でもない。という、大分フレキシブルなポジションをゲットし、仏教界ではタブーとされている肉食を行い、妻をめとりました。ものすごい柔軟性です。

西と東、両方をお参りしたあと、お腹が空いたな思い、ご飯処を探したら、本願寺が運営しているレストランがありました。そこではロースカツ丼も食べられます。

日本仏教の中でも最も厳しいと言われている天台宗も、比叡山延暦寺の山頂で食堂を運営していますが、そこで食べられるのは精進料理のみです。こんなところにも、開祖の思想が受け継がれているようです。

私は本願寺の運営する食堂で、日替定食の煮込みハンバーグを頂きながら、ところで阿弥陀如来さまって誰なん?という究極的な疑問を抱きながら、とりあえず京都を後にしました。

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