絶望しきった先に残るもの(「ブルーモーメント」第3回)*60

チームのひとりである汐見医師は、元天才脳外科医でポテンシャルが高い。しかし、手をケガしてから、その力を発揮できていない彼女の問題を’診断’する晴原は、問題は手ではなく心だと述べる。

必死の思いで助けた患者が自殺しようとした。それを止めようとして君の右手が壊れた。
なかなかの絶望だ。
でもまだ足りないな。
希望を捨てろ。希望は時に災いになる。
どっかでわかってんだろ。もうその手は元のようには戻らないってこと。
でも現実を受け止めきれない。考えることさえつらい。
知らず知らずのうちに避けてしまう。
絶望も悪くない。俺は気象予測を見誤って、かけがえのない人を失った。
絶望しきった先に残ったのは命の重さだった。目の前の命を救いたいという思いだった。
絶望の先に、最後に君の心に残るのは何だ?それを心に刻み、前に進め。
絶望の谷をはい上がり、継続の大地を歩め。
俺からの診断は以上だ。

「ブルーモーメント」第3回

自らが婚約者を亡くした過去を持ち、命を救いたいという思いで、日々気象と向き合っている彼だからこそ、ことばに重みがありました。絶望の先に見えるのは、「希望」っていうことが多いので、意外に感じました。
それほどの絶望を感じたことはないけれど、ドラマを見終わった時に、このことばはよかったと思い出すくらい心に残ったので書き留めることにしました。

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