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本帰国つらみ

本帰国しました!
バタバタの日程と、揺れ動く気持ちのなかで、なんとかやりきり、今やっと通常稼働に近い日常を取り戻したところです。
 
新鮮に感じた出来事や苦しく感じたこと、新しいや気づきや違和感など、とにかく感情が忙しかったと振り返っています。ただ、あまりに目まぐるしいなかでどんどん忘れる・・・

忘れてしまうのはもったいない気がしているし、本帰国後の情報って渡航前と比べると少なくて、自分の感じていることがうまく表現できなくてちょっぴり孤独だったりもしました。

今も上手に表現できているとは思えていないのですが、自分の備忘録も兼ねて、せっかくなのでつらみを中心に記録します。


■突然の環境変化に対するメンタル面のつらみ


精神的な不安定さが、このたびの本帰国における私の根底で占めていたように思います。やっぱり心がどこかザワザワしている状態って、あれこれに影響してくる。いつもは笑ってやりすごせても、些細なことが悶々としたり、なんだか身体のどこかに不調を感じたり、とそんな具合。
 
いつかは帰国することは頭ではわかっていたのですが、やはり私は超絶ワガママなので、「自分の人生のことは自分で決めたい」という気持ちにかられました。今となってみると、私は自分以外のひとの意思や意向で、自分の意思に反して、いきなり変わらねばならないこと(本帰国しなければならないこと)に抵抗があったのだと思います。
 
「はい、本帰国です!」と突如辞令が来て、慣れ親しんだ環境を離れることになる。いわゆる駐在妻としては当然といえば当然のことであり、パートナーのキャリアにとっては好機なのだとは思います。日本に帰りたいというタイプのかたもいると思うので、その場合だったら「やっとか!やった!」と思えたかもしれないのですが、残念ながらそのときの私はそうでもなかった。

半年先くらいまで見据えて動いていたもの、芽が出始めていたもの、ちょうど今手掛けていたもの、をふいに手放すことになるのが悔しくてならなかった
これ、渡航前とも似ています。ただ、渡航前については、「自分の仕事が一区切りついてから~」ですとか「アパートの更新時期に合わせて~」などと、時期や状況を多少(多少ですが)コントロールできたような部分もあったのですが、私の場合の本帰国は事前の打診もなく、「すぐ!」って感じだったので、気持ちが追い付いていませんでした。


■引越し、荷造り、生活準備、が当然のように専業主婦にのしかかるつらみ


心が落ち着かないことに拍車をかけるように、辞令が来た途端に押し寄せる、荷造り、海外引越し、新居探し、新生活整えのための準備。

いきなり毎日が忙しい。

大がかりなことの大変さもあるけれど、それらに付随するこまごまとした調整や事前の下調べもある。さらに言わずもがな、日々の生活だってあるわけです。

一方、それにも関わらず、パートナーの仕事は容赦なし。日々の業務にプラスオンで業務の引継ぎ、出国関連の手続き、送別会に至るまで朝から晩まで忙しそう。

仕方がないとは思いつつも、辞令が出た途端に、専業主婦の奥さんがこれらを「全力で」「最優先で」やることになっているこの仕組みに、ややうんざりする私。家族のいるかたはさらに忙しくなると想像しますが、子なしで身軽の私にだって、仕事や人間関係や社会活動など、都合ってものはあるのですよ・・と思ってしまいました。
 
そんななかでの海外引越。私は船便と航空便を手配しました。

フィリピンのルーズさや、いい加減さは、数年暮らせば先読み可能な範囲だったので、できるだけ時間と心にゆとりを持って進めることに。

また、いい機会だったので大規模な断捨離を決行。日本の家は海外コンドに比べたらど~~考えても狭いに決まっている!と思い、服、靴、カバン、本、ちょっとした小物類・・すべて思い切ってドネーションBOXへ。
日本から調達してきたり割高な日本食材店で買った貴重な食糧たちは、仲良くしてくださったご家族に引き取っていただきました。

途中少々心が痛むくらいの断捨離っぷりだったもので、捨てられない気質の私としては、「あとあと、後悔するかな?もったいないかも?」とも思ったものですが、荷ほどきしたときには「あのときの自分、グッジョブ!!!!」って気持ちでいっぱいになりました。今日日、日本ではごみを捨てるのもとっても大変なので、できるだけ荷物を少なくするというのは案外大事かもしれません。
 
新居はいくつかの物件を見ましたが、空きのなさにびっくり。ここにしようと思って決めたところも、即時に決まっていくような状況でした。そのようなこともあり、最終的に、内見なしに家を決めました。
 
また、新婚帯同している私には一切合切の家具家電類がなく、これらの手配も厄介でした。引っ越しシーズンだったこともあり、とにかくトラックが押さえられないから、まずは大がかりなものは早めに動く方がよい、と家電量販店で聞き、必要なものをリストアップすることに。

優先順位を決めて購入していくことにしました。我が家の場合、最優先の大物家電は洗濯機に決定!

完全に個人的な視点なのですが、暑い季節だったということもあるし、生活のいろいろを整えながら、クリーニングやコインランドリーを探して使ったり(女性視点では選ぶのがこれまた骨折り‥)というのは耐え難い気がしたので、最優先にしました。

また、逆に、私は比較的料理は好きで苦ではないほうだったので、冷蔵庫や電子レンジといったものは、なくてもありものでなんとかしのげるかと思い、優先度を下げました。

綿密な計画を立てたものの、うまくいったことばかりでもなく、例えば、カーテンも優先度が高かったのですが、我が家は別途注文が必要なオーダーカーテンで、結局最初のころはしばらくカーテンなしで生活することになりました。
 
そして余談ですが、日本でのあれこれには情報量が多い~!

洗濯機を買うだけでも、ところ狭しと貼られた日本語のPOPが読めるけど頭に入ってこなくて、どれを買っていいかわからない。洗浄力〇%、ポイント〇%還元、他社比較NO.1といった具合・・

家電売場。もはやどれがなんの広告かわからない。


洗濯機を買うのにもそれだと、洗濯用洗剤のようなこまごまとしたものですら、どのメーカーがいいのだ!?!?と迷いの連続。

フィリピンの生活ではここまでPOPも激しくないし、書いてあっても英語だと読むのに労力がかかるから、もはや無視する力が身についていたようです。加えて、年1で一時帰国をしていたとはいえ、4年近いブランクがあると使い慣れていたものがどれかわからなくなっていたり、すでになくなっていたり。

そんなこんなで、本帰国からしばらくの間は、日常のちょっとした買い出しをしても、帰るとどっと疲れが出るような気持ちでした。
 

■仕事への復職のつらみ


本帰国が決まると、即復職が条件とのこと、仕事に復帰しました。フィリピンへの未練が残るというメンタルの不安定さに、なかなか家が落ち着かないという引越しの状況が加わり、かなりのロースタートを切る羽目になってしまいました。

私、いつかの復職時には、「休職をさせてくれた会社に感謝。恩返しする!」「帯同期間をブランクと思って欲しくない!」「休職期間がマイナスになるような社会・世の中を変えたい!」「胸を張って復職するんだ!」などなどと、アツイ気持ちを胸に、フルアクセルでロケットスタートしたい、と思っていたんです。

ところが現実は、家はあれこれ揃っていなくてひっちゃかめっちゃかで(新しく買い足していく形だったし、メインの船便は届くまで約2か月近くかかる)、
フィリピンで続けていた習慣も継続できずに心も乱される。

さらに、一応術後ということもあって、病院の転院手続きや、慣れない病院への通院もあり、さらには投薬のせいか、身体も落ち着きませんでした。そんななか、仕事のことはそんなに身が入らなくて苦しくて、それが自分の理想とかけ離れていて、つらかった。
 
仕事は初めてみればのめりこむ・・ですが、状況がなかなか許さず、万全な状態というのが整わない。さらに、休職を経たからこそ、日本のいろいろや社会や組織を俯瞰して見ることができ、そこから感じる違和感もあって、日々なんとなくもやもやを積み上げています。

そう言わずに、今までやりたくでもできなかったのだから、やっとこ仕事ができる喜びをかみしめたいと思いつつも、この、日々感じる違和感に対して鈍感でありたくない、というちょっぴり矛盾した気持ちも抱えています。

 
■そんなこんなを経ての今


日本がいきなり寒くなったこともあり、南国の良さが身に沁みつつあります。毎日寒くて、朝起きるのにまず格闘中です…。

振り返ってみると、理想としていた本帰国ではないし、なんなら思い描いていた帯同生活だったかというと、それもまた異なるものでした。でもそれもいいかな、とすべて受容できるようなおおらかな気持ちです。
 
まだ心が整理できるような状態でもないのですが、メインの船便も届き、私の心は少しばかり凪な気分です。

また書きたい。

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