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【議事録】2023年度第8回真山ゼミ 「もし日本で戦争が起きたらあなたはどうするか」

今回のゼミのテーマ

今回のゼミでは「もし日本で戦争が起きたらあなたはどうするか」について議論しました。

事前課題

以下の二つの記事を読んで、もし日本で戦争が起きたら自分はどうするのか、意見を準備してご参加ください。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231025/amp/k10014236281000.html https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ6P6HHDQ6PTIPE00R.html

ゼミ生それぞれが考える「日本が戦争を起こしてしまった理由」

(「もし日本で戦争が起きたらあなたはどうするか」という問いに対して各ゼミ生が答えた。)

Aさん
残るというより、日本を出る。家族が残ったとしても一緒に残らないだろう。国を守ることの意義が分からない。

真山先生
戦火が激しくなってからの判断であれば、残らないという人が多いのではないか。開戦した時点でも判断は変わらないか。空襲が始まってからではなく、開戦直後または危機が迫ってからなど(戦火が激しくなる前であればどのタイミングでもOK)ではどうか。

Bさん
開戦前、危機の意識が迫っている時には逃げる。
日本には国籍離脱の自由がある。徴兵される可能性があるため国籍を捨てる。中立国のヨーロッパのどこかの国、できればスイスに行きたい。
戦わず、自決もやむなし。とにかく戦わないという選択をしたい。

真山先生
なぜ。

Bさん
アホらしいから。
核を使われるとオゾンホールができて農業も難しくなる。
そうなってしまうと仮に戦争が終わっても生きる希望を見いだせない。

Cさん
どことどういう戦争をするのか。
二大国に覇権が絞られる。米中戦争はあり得るかもしれないが、総力戦になることは想像しにくい、内政干渉、サイバー戦争など大衆を腑抜けにする。経済的な戦争(小麦、半導体)になるだろう。
日本でナショナリズム、宗教から戦争が起きるとは考えにくい、起きるとしたら経済的な戦争。国を守るという戦争が起きるというより、節制して生活がつつましくなるのではないか。そうするとコミュニティが大事になってくる。

真山先生
戦争が起こるかどうかはこれだけでも重要な議論だが、仮想的に。中国の軍のクーデターの可能性。軍は国内外から煽られている。クーデター後はアメリカを叩く。
第一列島線。いきなり中国軍が日本を攻撃し始める、日本が巻き込まれる可能性があるとしたら、どうするか?

Cさん
志願するだろう。小林よしのりの『戦争論』という漫画を読んで、志願しようと思った。
日本という国は大事だと思う。戦争によって高揚感が出てきて、生きる目的が強く与えられる可能性がある。
現代の戦争ではいろんな能力が必要になる。

Dさん
来年、新聞記者になるが、自分は逃げるという事は選択しないと思う。その現場にならないと分からないが、どうにかして止められないか。巻き込まれる形は想定していない。日本の暴走。大本営発表、新聞社が煽っていたという歴史がある。SNSによって民意が暴走するかもしれない、そのときメディアとして止めたい。

真山先生
例えば、日本が第二次世界大戦のように始めるのは99%無いだろう。
自衛隊がクーデターを起こしたら、米軍が制圧に来る。そのとき「戦いを止める」とは、日本が植民地になるという事を意味するが、それでも止めたいのか。

Dさん
分からない。

Eさん
逃げるということはできない気がする。戦争というイメージがぼんやりしているので突然攻められたときにどうするか、の議論もぼんやりしている。自分が国外に行っても国外にネットワークもなく、日本がボロボロの状況で生きても意味があるのかと思ってしまう。

Fさん
前線からは逃げたいが、日本からは逃げない。日本の国内のどこかに一旦避難する形になるか。志願は基本しないと思う。基本的には国内避難。

真山先生
おそらく戦争になったら徴兵制が敷かれると思うが、どうするか。

Fさん
なるべく徴兵から逃げたい。

Gさん
子供がその時いるかいないかで異なる。子供がいれば迷わず逃げるだろう。子供がいなければギリギリまで踏みとどまる。公務員になると国外に出ないように、と言われる可能性はある。

真山先生
農水省だったら食料調達を命じられると思うが……

Gさん
そこについては考えが及んでいなかったが、確かにその通りだ。

真山先生
戦争が起きて難民を先進国は受け入れてくれるだろうが、まともな扱いをしないだろう。移動、結婚できない。それでも難民になってでも生きたいと思うか。

Aさん
自分が生き残れるかどうかで(判断したい)。

真山先生
日本人がいれば日本列島がめちゃくちゃになっても日本という国が存在する、という意味?

Aさん
日本人である意識も無い。まして、日本を守るつもりもない。たまたま日本という土地に生まれた、という意識。

真山先生
国籍を簡単に取れる国は限られているし、5億、10億のお金が必要。取得しやすいアメリカでさえ、くじ引きに当たる必要がある。国籍、パスポートを捨てるのは重い選択。

Bさん
逃げるも逃げないも荊の道。絶望して自決するのでは。

真山先生
日本中が核攻撃されて焼け野原になる事はない。風次第だが農業はできる。
原発事故が起こった時、風が複雑に吹いて、北側へ。雨が降ったことで地面に放射能が落ちてきて、水がたまりやすいところがホットスポットとなった。
水爆を打つことはないだろう。
結局我々は、戦争が起きる、ということをイメージできてない。それが問題。
Aさんは結局海外で金を集めて日本のために活動するだろう。
国内にいることだけが日本を守るというわけではない、家族がいれば海外に逃げて国外から支援します、ということもある。

日本は徴兵制が80年間無い国。
スイスは、お金を持っていない人を人と扱わない。
いろんな想定をするのが戦争。

ダンボは日本のために作った。カラーのアニメを作り、アメリカはこんなにすごいものを作れるが、本当に戦争をやる気?というメッセージを日本に対して送った。

戦争、震災、バブルも一般市民にとっては突然起きる。あまりにも準備が足りていない。
エリートになる人たちは考えておかないといけない。日本の外務省には外交力が全然ない。アメリカと中国より、日本と中国の方が近いので重要。アメリカは大統領が変わると約束を反故にする。台湾で何かが起きると日本は巻き込まれる。もし沖縄に台湾有事の流れ弾が来た時にどうするのか。
日本はアメリカと台湾側につかざるを得ないが、自分は知りません、という立場をとった方が良い。
集団的自衛権。憲法で禁じられている、と言えば日本はアメリカから経済制裁を受けるかも。TSMCは日本に関係ない。日本の半導体は終わっているから。

一度植民地になって耐えるのも選択肢、それが一番国民の犠牲が少ないかもしれない。
空襲される=制空権をとられている、飛行機が一機も無い。民間機すら、敵の爆撃機に体当たりしてこい!と言われ、なくなった後かもしれない。

突発的に起きた時にどうしたら良いか。メディアなら、止めればいい。
開戦直前、東條も戦争に勝てないと気づいていたが、戦争の最後の引き金を引いたのは世論。当時、ラジオが普及していた。
ある新聞社は反戦運動をしようとしたが、不買運動を起こされ転向。結局、メディアが止めようとしても不買運動で頓挫してしまう。

どういう状況の戦争を想定して、突き詰める。
メディアにいるとしたらどうするか、海外にいるなら、子どもがいたら、農水省だったら……と、自分の将来を考えて、何ができるか、どうするか突き詰める。

中東の戦争が起こると、日本の石油がなくなる。石油をどうやって確保するのか。
起きる前に何ができるか、トレーニングをする。起きたらどうするのか。

前提として、戦争に巻き込まれてしまったらあなたはどうするのか、何ができるのか。

Eさん
自分は海外に出て交渉する力はない、海外から日本を支援するというのは考えにくい。国内で力を尽くせ、と勧誘を受けるだろう。そういう言葉を受けていたら協力すると思う。自分の力が必要となれば良い。

真山先生
国内の方がいきなり銃を持て、としがらみがあるかもしれない。

Eさん
突然北海道がロシアから制圧されるという小説を読んだ。誰かが前線に行ってほしいという、行ってくれるだろう、という気持ちがあったことに気づいた。

真山先生
現実的に北海道が制圧されても日本政府としては何もしないのでは。日本列島は中国・ロシアとアメリカを阻む壁になっている。
自分が持ってきたものの中で何ができるのか。
例えば中国人の留学生と知り合いなら彼らに日本と戦争しないで、と伝えるのでも良い。

Gさん
いざ戦争に突入したら国内よりも国外からできることが多いのでは。仮に国連に出向していたら何かできるのではないか。
ガザの状況を見ていると国連職員も戦争で亡くなっている。とはいえ現地に現物が届かないとどうにもならないため、国外からの食料援助には限界があるかもしれない(+日本を国連が支援する、という形になり得るのか?)

Fさん
現状の自分に何ができるか。それを磨いてくのも大事だが。何かやっていきたい。

Cさん
自分やFさんは哲学をやっていたから、思想解読班みたいなところなら協力ができる。そういう面での協力はしたい。

真山先生
20世紀はイデオロギーの戦いだっただろう。
ウクライナにしてもガザにしても、イデオロギーの戦争でないことが問題。国民は戦争を嫌がっている。国際世論がどちらに就くかが今の戦争の全て。ハマスの評判がもともと悪いのでガザについては揺れているが、パレスチナは、犠牲になった子供の画像を出している。世論は反イスラエルに傾いてきている。

哲学的な思想から入るのは難しい。社会的にふわふわしている世論的な部分からどうアプローチするのか?

Cさん
力のあるビッグスピーカーの時代だが、それだけ海外に影響力があったり、海外と交流ができる日本人がそんなにいない。

真山先生
問題は、そこまで影響力のある哲学者がいないこと。日本人の哲学者で英語で文章を書いている人はいない。

Cさん
ユダヤ人がドイツから亡命してフランス語、ドイツ語、果てはギリシャ語などができる人が世界各地で活動した。

真山先生
そんなことができるのは華僑とイスラエル人だけ。イスラエル人は2000年以上放浪している。

Cさん
人脈も影響していると思う。

真山先生
外国人に友達が多いと戦争は起きない、というのは眉唾っぽいが意外にあり得る話。
ミサイルを飛ばす時に友人の顔が思い浮かぶ。
留学してみれば分かることだが、言語の壁だけでなく人種の壁など、様々な壁がある。アングロサクソンにメッセージが届かない限り、何ともならない。逆に日本人がユダヤ人と仲良くなれば何とかなるかもしれない。バイデンがイスラエルを非難できないのは選挙が控えているから。

アメリカの若者はなぜイスラエルを叩かないのか、と言っている。
アメリカの同盟国、イスラエルもサウジも関わるため。
イランはデジタルではなく、紙で情報交換をしているとも言われる。

Cさんが言うように言語の壁は大きい。

Cさん
意外に日本人は言語は得意なのでは?

真山先生
そうなの?日本語に訳しているから理解できているだけでは?

Cさん
欧米人と対等にやり取りできるような人が増えないと。

真山先生
哲学をやっている人間として、できることはないのか?

Cさん
サンダーバード大学へ留学した哲学研究者の話:ヘーゲルを専攻していた、と言うとヨーロッパ人は「へ!」となる。ちゃんと難しい哲学をやっているんだ、と。
対等に議論ができるだけの素養がある、という意味では効いてくるかもしれない。

真山先生
ヘーゲルが言っていることの中で戦争抑止論的な格言はあるのか?(>無い。むしろ戦争に向かう。)
暴力で革命をやってきた時代の人たちのため、基本的に議論の中に戦争は織り込まれている。

哲学よりもプログラムの方が役に立つのでは?レーダーでミサイルが当たらないようにする、など。
戦争に関わりたくない、という人の方が多いが、軍事目的だけど手伝って、と言われたら手伝うのか?

Fさん
断るかもしれない。
(ミサイルが)当たらないようにする方向での開発には協力するかもしれないが。

真山先生
日本はレーダーが強い。
銃を持って前線に行くか、プログラムを作るかと言われたら。

Fさん
プログラムを作る。

Aさん
自分の研究が軍事転用されるのは抵抗は無い。ただ、積極的に自分の研究結果を提供したいとは思わない。
人命救助に役立つと思ったら提供するかもしれないが、日本が勝つために研究を行うということはないと思う。先生方の中には嫌がる人が多いが、個人的には、世に出した研究であればそれをどう使うかは勝手ではないかと思う。道具が悪いのではなくて、道具の使い方が問題。核にしても、軍事利用することが悪いのではなくて、エネルギー源として使うことができる。

Cさん・真山先生
どちらが先かは分からない。

真山先生
オッペンハイマーの時はそこまで進化していなかった。
核実験があり、核分裂ができるようになって原子力発電が実現。

日本が勝つために協力するのは嫌だ、というのは理屈としてはわかるが、どちらかが勝たないと戦争は終わらない。
和平が成立するのは泥沼化したときだけ。国連では止められない。

クジラで潜水艦を探して、と言われたら?
潜水艦ならばばれるが、例えばクジラの脳を弄ってコントロールできるようにして体当たりさせるとか、そんなことができるようになる。そうして、と言われたら?

Aさん
研究者人生が終わってしまう。

真山先生
アインシュタイン(師)の話を現実にしたのがオッペンハイマーなだけ。

Aさん
決め手にならないが、食料など援助に近い研究をしたい。

真山先生
戦争が起きたら、自分がやりたいことができない状況になる。そうならないように哲学で変えていく、となると結構大変。
ジャーナリズムにしても、アメリカに経済制裁をかけられたときに、アメリカに従いましょう、とはならないのでは。新聞は反アメリカの世論を煽るはず。

Dさん
もし植民地にされたら、と考えた時に、本当に植民地になることは(日本・国民にとって)悪いことなのか?
アメリカに占領されるか、中国に占領されるかのどちらかだと想像した。
アメリカだと遠いから人が多くこないのでは。ある種の自治区になって、今と変わらないのでは。

真山先生
植民地にするための最大の目的は、利益を吸い取ること。
日本のサラリーマンの収入の半分をアメリカが持っていく、税金はすべてアメリカに渡る、アメリカ人が犯罪を起こしても罪に問われない。
沖縄での例:戦後、アメリカ占領下での行いに対して抗議の声を上げる人があれほど多かったのは理由がある。
戦後、日本で最初にできた児童福祉法、1972年まで沖縄では施行されなかった。沖縄の貧困の原因。自分たちの植民地にはそんな法律は必要ない、という考え。アメリカは完全に力が無くなってきているため、吸える血はすべて吸いたい。
戦後の日本占領については、名目上は連合国の植民地であり、アメリカ単独の植民地ではなかった。元の国に戻るために教育をしたら出ていく、という約束だったため、出ていくしかなかったが、次はそうはならない。
アメリカが日本を植民地にして反対する国はまずないと思う。
アメリカが日本を占領し、一部は中国とロシアに割譲されるかもしれない。

日本がアメリカの植民地になったら、政府は傀儡状態。
検閲を免れるために、新聞社は表向きの新聞とレジスタンスのための新聞を変えないと独立できないかもしれない。
世界に訴えるためには言論は非常に大切。

Aさん
植民地になる前の段階で、SNSで世論が形成されるのを何とか止めたい、というのをぜひやってほしい。
事実を報道するというより、国民をいい方向へ持っていくための働きかけを。
アメリカが扇動してくるにしても、何にしてもSNSからの世論操作は絶対にしてくると思う。彼らに都合のよい世論形成がされるのを留めるためにメディアが動いてくれるとよい、と思うが、そうなると、果たして事実を報道するの最善なのかは分からない。

ウソを言ってきたら、必要に応じてウソで対抗しないと彼ら(仮想敵)に都合のよいプロパガンダが展開されるのを阻止できないのでは。

Dさん
ウソに嘘で対抗するというのがあまり想像できない。

真山先生
「日本の政治家はすべてアメリカに国を売っている、中国がそれを阻止する」というウソが書き込まれた場合に、「中国はロシアと組んで日本人を殺した後に再占領するんだ」というウソを書きこむ、など。

SNSに対抗するにはSNSの曖昧さを叩くしかない。

徴兵制をネタに最初にメディアが叩かれるかもしれない、
あくまでも事実として何が起きているかを言い続けることしかできない。SNSを相手にした瞬間に、メディアがSNSに敗北したことになる。

戦うしかない、と国民に思わせるようなメディアでなければならない、仮想敵は「徴兵制をするような国にいていいのか」という意見を煽って世論を操作しようとするはず。
戦争が始まると「平和」が一番の敵になる。

戦争をしたくない人間に対して実名を出して「十年前から中国には日本と戦争をしたがっていた」軍幹部がいる、と報道することくらいしかできない。そのような情報を出すリスクは高い。

ほとんどのメディアは最終的に世論、SNSに乗っかって肯定してしまうことが問題。

真山先生
最終的に戦争を止めることができるのは政治だが、どう思うのか。

Bさん
今の自分に何ができるんだろう、と思うが…政治は人と人との関わり。一年生議員の話を聞くと、結局雑用をしているように見える。

真山先生
一年生議員であれば、中国のエリート議員と大学時代からの友人なんです、といえば重用される。戦争は経験値だけの問題ではなく、人と人との繋がり。どれだけ人と深いネットワークを持っているか。
中国が本当に何を考えているか、台湾が日本に何を欲しがっているのか、分かっている政治家が日本にはいない。近づくなと言われるため。しかし、学生時代、社会人時代に人脈を作っていれば関係ない。知らない間に日本はもっとドメスティックになってきている。

日本の政治家でもっと世界と人的ネットワークを持っている人がいない。
十人以上の中国人と親密になると、国家安全部の強面のお兄さんにマークされる。
結婚する前に男女が同室にいると犯罪で捕まる。
この宴会は来ちゃダメだ、と言ってくれる友だちがいるかどうか。公式の付き合いしかしていない人だと気づけない。
プリンストン、ハーバードなどに留学していれば、将来的に政治家になる人と人脈ができることがある。半分スカウトで、気づけばCIAにどっぷりということもある。アメリカも、CIAで同じことをしている。

外国に親友がいると戦争が止まる、というのはその通り。
現在はこのような民間外交がほとんどない。これは若い人にしかできない。
特に仲が悪い国(ロシアなど)との間で国同士はどうあれ、この人とは仲良くしたい、という人間関係を築くこと。本当はジャーナリストがジャーナリストとつながる必要もない。

公務員だから何かあった時に大変なのでは。

Gさん
人よりは友人が多いかもしれないが、親密な付き合いができているかと言われると…

真山先生
日本人同士でも、友人の本当の顔がわからなくなっている。
政治的な問題については大人として切り込まない方が良いのではないか、と考えている人が多いが、実はそうではない。
友人との関係がもう少しディープになった方が良い。国内でそれができなければ国外でできないのでは。

Hさん
自分は国内にとどまって戦いたい。アメリカ、中国が相手であればたとえ捕虜になっても残虐な扱いはされないのでは。自分の身近な人が日本に残るなら、守りたい。

真山先生
戦う理由は?

Hさん
友人、家族の命を守るため。自分の命との天秤で、友人、家族の命を失う方が嫌だ。

真山先生
戦争を止めるために自分たちの生活の中で得意なところを活かす、ということを考えた時にあなたには何ができるか、という話をしているのだが、どうか?

Eさん
戦争が始まると「平和がいい」という世論が脅威になる、という点が印象的だった。
正義と平和の二項対立になるのではないか、平和国家としてやってきたVS闘う。西洋哲学は平和というより正義が何かを考えてきている。どこまで正義と切り離して平和を考えられるか。

真山先生
戦争は正義と正義を掲げてそれがぶつかるもの。正義をひっこめてくれたら平和になる。戦争をする側の人間が「正義は我にあり」と掲げて戦争をするというより、正義と正義のぶつかり合い。
「大義」として掲げられるものは一方にとっては「正義」でも客観的に見ればこじつけであることが多い。日本が満州国を打ち立てたのも、「アジアの正義のため」という日本の主張は日本以外の国から見れば侵略でしかなかった。

Cさん
バチバチやってどちらが勝つか、ということしかないのでは。

Aさん
そこで言っている正義は国がお題目として掲げる正義なのか、国民の世論として巻き上がっているものなのか。必ずしも両者は同じにはならない。

Cさん
イスラエルでは2000年以上前の旧約聖書の世界から国の樹立を求めて戦ってきた。
そのような長い歴史、民族に共有されたイデオロギーはひっこめようがないのでは。

真山先生
冷静に考えたら、天皇という神を頂点にいただいている日本がアジアを征服する、というお題目は今考えれば「馬鹿なことを」と一蹴されるが、これが世論と一致すると突っ走ってしまう。

国が掲げた題目と、世論が一致するようになると戦争になる。そこで題目に掲げている正義に反対すると「非国民」になる。
戦争は結局狂気。外交では、戦争は最後のチャンネル、選択肢の一つと教わるが、そんなわけがない。人を殺すだけの戦争をするには「憎悪」が必要。
日本のように外国と本当に戦争をしたことがなく、元寇では船が勝手に沈没してくれた。そういう日本には「憎しみ」が出てこないため、「神」が必要だった。
外国では「憎しみ」が常に存在している国の方が多い。アジアのちっぽけな国が戦争を仕掛けようとしている、というだけで一気に「憎しみ」が盛り上がる。

正義は厄介。

Cさん
イデオロギーのための戦争というは「感情的な戦争」ということ?

真山先生
その通り。陣地、エネルギーの取り合いが中心。宗教はあくまで形。
あとは面子を守るための戦争が時々ある。

米中に関しては覇権国家、地球の王様がどちらかを決めようとしている。

第一次世界大戦はオーストリアの皇太子が暴漢に殺されて始まっている。ロジックとしてはドイツとフランスが戦う必要は全くなかったのに、感情論が先走って戦争に。
ベトナムも一緒。

イデオロギーも厄介だが、半分ビジネス。

中国国内、アメリカ国内が不安定であることも戦争の要因。
イラク戦争が始まったのもイラク国内が不安定でクーデターが起きかねなかった。

今回はよくわからないが、サウジ(アラブ)とイスラエル(ユダヤ人)が手を組みそうになっていたことが大きかったのでは。
サウジはイランと一触即発、だから宗教的にありえなくともイスラエルと手を組むかもしれない。
昔は、兵隊以外は殺してはいけなかった。WW2から空襲で、民間人が巻き込まれるように。
織田信長が民衆(一揆衆など)を殺したのは虐殺。

Hさん
戦争が始まる前に税収を増やして経済を回すことが大切では。

Fさん
哲学で平和をもたらせるように。

Dさん
質問を返すと、真山先生は戦争が起こったらどうするか。

真山先生
戦争を起こさないように、起きたら終わるように何でもする。国内にいてこの選択はおかしい、と発信するしかない。小説家は1人メディア。どこまで届くか全くわからない。
一冊一冊、読者も変わるしメディアも変わる。
正直、本業小説家をやめようかと考えているくらい、本が売れなくなってきている。

地下に潜ってずっと新聞を書いているだろう。
一昔前で言えば、もう死んでいるくらいの世代。だからこそ、戦争が起こらないように政府に対して、国に対して、言えることは言っていきたい。自分が盾になり若い世代の弾除けにならなくては。まず若い人から犠牲に、ではいけない。

Gさん
食料について、日本は現在支援する側になっているが、戦争になったら支援される側になる。海外の友人もそうだが、国内の生産現場の人と仲良くしたいと思う。

真山先生
次回は読書会。早めに来て映像(45分)を見るのもよし。東條英機が戦争の原因だったわけではないことが分かる。

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