きっと一言で済む。 有料にしてみて思った事。百円にも値しない小説を書いているのだなと実感。 ありがたいことに、スキ、をいただいている喜び。それを受けての有料投稿。 アピールが下手なのだろうか、投稿の仕方が悪いのだろうか、せっかちなのだろうか。おそらくそれら全てなのだろうが。 でも、要するに、私が阿呆なのだ。 お金を払っていただけることが、どんなにありがたいことなのか。それに見合う、見合うと思わせる話を書くことが大前提ということが。 よくよく分かっていなかったのかも
1 こんなはずではなかった。滝本俊平はそう思わずにはいられない。今さっきまで面接官と対峙していた。頭の中で何度もシミュレーションした。想定しうる答えは全て叩きこんだ。奈々にも何度も練習相手をしてもらった。その度に彼女に言われたものだ。次は大丈夫。シュン君なら大丈夫だって。 対峙した相手は冷たかった。決して楽観していたわけではない。対策だってきちんと練った。それなのに、その全てが無駄だとばかりに、呆れたような顔を浮かべながら言われた。ため
「ドライヤーをしている時の音が嫌いだから」 「何、言ってんの?」 彼は驚きを越えると笑ってしまう。本人は呆れているのだというけれど、その顔はどう見ても笑っているようにしか見えない。それも人を見下したような笑いにしか。 「特別に変なことを言った覚えはないけれど」 「いや。いやいや、充分におかしいから、それ」 やはり彼は笑っている。私の言っている意味が分からないと。この前もそんな顔をしている時があった。確か、テレビのクイズ番組を観ていた時だ。彼が分からない問題を、私
自分のことを書いてみます。 今の私には時間がある。それは多分、大きな事実。 何故なら精神疾患で自宅療養中だから。 時間があることの罪悪感で張り裂けそうになる。 お医者様には好きな事をやってみなさい、という事で学生の頃からちょくちょく書いていた小説を書いてみようと思い立つ。 それから短編小説をこさえているという、状況。 書いている時間は、楽しい。苦しい時もあるけれど。それでも何かを形にしたという事実には、小さな充足感に満たされる。 noteは有料でも販売が出来るら
今日もまた、生きている。眠りに着く直前に考える。緩やかな死が訪れやしないかと。もちろんそれが難しいことは分かっている。でも、望まずにはいられない。 閉め切ったカーテンから漏れ出る光。その差し込みに、朝にも関わらず憂鬱を覚える。いや、朝だから憂鬱なのだ。また一日が始まるのだと、嫌でも自覚してしまう瞬間だから。 階下から聞こえてくる生活音。真下がリビングだから、その騒がしさ、慌ただしさが伝わってくる。水の出る音。包丁で何かを刻む音。一つ一つの日常を感じさせる音が、いちい
呼吸を止めれば世界が終わる。そんなことは誰でも知っている。自分の世界が崩壊するのだ。息ができなくて、吸えなくて、吐けなくて。呼吸をすることの重みを、身体全体が痛感する。 自分が溺れていることを意識するのは、ようやく生存本能が目覚める時だ。このままじゃいけない。このままじゃ、世界から切り離されてしまう。そういった恐怖が全身を駆け巡った時に、それは恐怖となって襲いかかってくる。 その恐怖は永遠よりも長い。きっと自分の生涯よりも、その時間は長かっただろう。これ以上の苦しみがあ