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旅で追い求めたいもの、「尊い」と感じる瞬間

前回の続き。

自分は旅の中で一体何にときめいているんだろう。
絶景?可愛い雑貨?素敵なカフェ?

どれも好きなんだけど、しっくり来ないな。。
なんて悩みを延々と繰り返しながら、ここ1年くらい悶々としていた。

そんな自問自答をくり返いていた時、ふとあることを感じた。

「あ、私はその国を感じられる、街並みや空気が好きなんだ」と。

何がきっかけでそう思ったかはわからないけど、
本当にふと、「私が旅に出て出会いたいのはこういうものだ」って思った。

初めて旅に出た8年前から、世界はゆっくりと、でも確実に変わっている。

屋台が並んでいたところには、高級コンドミニアムができてたり、
おじちゃんたちが毎晩お酒を飲んでいた大衆食堂は素敵なカフェに代わり、
歯のないおばあちゃんが笑顔で物を売ってくれたお店はエアコンのきいたコンビニになり、
街の人の大切な習慣である毎朝の托鉢は、いつしか観光客の見世物のようになり。

文化遺産として残される物がある一方で、残されない景色もある。

失われていく景色。
街の中ではあたり前で、決して特別ではないんだけど特別なもの。なんてことないけど、誰かにとっては宝物であるような。

そんな景色を、私はとても尊いものだと感じていることに気がついた。

いつか森の中にひっそりとあるアンコール遺跡群の周りも将来開発されて、向かいにチェーン店が立ったりするんだろうか。
ジャングルを突っ切って走るバリ島への夜行バスも、いつかジャングルを伐採して作った高速道路を走ったりするんだろうか。

例えそのもの自体は変わらなくても、周りの景色は確実に変わっていってしまうんだろうなって思う。

そんなことに気がついてから過去の旅を振り返ってみると、
私が息をするのを忘れるくらい飲み込まれてしまった光景は、まるで映画で見るようなその国を感じられる景色だったことに気がついた。

古都っていうと大げさかもしれないけど、
何だかそういう、ロマンチックを感じる旅を、これからも求めていきたいなって思う。

2018.08.21 Bangkok

#日記 #旅 #旅暮らし

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