無題3

荒川弘先生のデビュー作品!

『鋼の錬金術師』や『銀の匙』で知られる漫画家、荒川弘さん(女性)。

彼女は北海道出身で実家が酪農農家ということもあり、動物関係に詳しいことで有名です。銀の匙のような農業マンガは彼女だからこそ描けた、と。

そんな彼女が公式に漫画家デビューした作品は、先述の『鋼の錬金術師』ですが、それ以前から投稿4コマなどで知られた存在であったようです。

で、私の手元に有るのが1998年の競馬新聞。この新聞『ぐりぐり◎(にじゅうまる)』はマニアの間で「幻の競馬新聞」と呼ばれています。

何と、わずか5号で廃刊となってしまったのです。

その理由が「2レース続けて同じ馬が出走する」記事を載せてしまったこと。競馬新聞はちょっとした誤植でも即座に場内放送で訂正が流されるほど、ミスにはうるさい存在。それにしても同じ馬が1日に2回走るなんて、大昔のイギリスのヒート制競馬じゃなければ有り得ないことです。

実はその新聞、最後に謎の読者投稿コーナーがありまして……そこに気になるものが載っているのです。

左にある「にじゅうまる!」というマンガ。作者名が「荒川弘」!

実は彼女のデビュー作の一つが、この競馬新聞に掲載された4コママンガだったのです。ちなみにWikipediaには書かれていません。

当時は競馬バブルの終わり頃、馬券が売れる金額も入場者数も今より遥かに多かった時代です。競馬マンガもまた玉石混淆の時代で「上手い人は面白いし絵も上手いけど、そうでない人は実に面白くない上に絵もさっぱり」でした。それでも仕事がもらえた時代だったのも事実です。


荒川先生の場合はアナログ塗りのシンプルな絵(当時はまだデジタル作画は少ない)で、女性らしく馬が可愛く描かれているのが良いと思います。

良くも悪くも競馬新聞のオマケマンガという域は出ませんが、ここに未来のスター漫画家の片鱗を感じる! ……ことはできるのでしょうか。

それにしても世の中、どこに才能が眠っているか分かりませんね。

「競馬最強の法則」にて血統理論記事を短期連載しておりました。血統の世界は日々世代を変えてゆくものだけに、常に新しい視点で旧来のやり方にとらわれない発想をお伝えしたいと思います。