【宇宙旅行】いつ行ける?いくらで行ける?こおるかもの宇宙開発ニュースVol.02
こんにちは、こおるかもです。
突然ですが、みなさん宇宙へ行ったみたいですか?
「生きているうちに一度は…」と考えている方、実はもう、宇宙へ誰でも行ける未来が手の届くところまで来ています。
この記事では、イギリスの宇宙ベンチャーで働く現役エンジニアが、今話題の【宇宙旅行】について、最新の話題をピックアップしたいと思います。
宇宙旅行の今
今現在、進行中の宇宙旅行事業のうち、すでに始まっている、あるいは数年以内に本格始動するであろう事業をこちらにまとめました。
どうでしょうか?みなさんなら、どのプランがいいですか?
ここから、簡単に各社を紹介していきます。
Space Perspective
まずお断りしておくと、こちらの旅行は厳密には宇宙旅行ではありません。
宇宙は便宜上、高度80km以上(または100km以上)という定義がありますので、成層圏(30km)までしか到達しないこちらは宇宙旅行には該当しません。
でも、多くの人にとってそれはあまり問題ではなくて、明らかに「宇宙だ!」と思える景色が眼前に広がればそれで良いのではないかと思います。
また、こちらは気球を使って成層圏まで上昇する仕組みのため、ロケット打ち上げのような強い衝撃や高い加速度が発生しません。そのため、おそらくまったくトレーニングなどの準備は不要で、健康リスクもないと思います。
ツアーは2024年に開始される予定だそうです。
Virgin Galactic
こちらは、イギリスの大富豪リチャードブランソン氏が創設した企業で、実はもうかれこれ20年近く前から宇宙旅行機を開発していました。
この旅行の特徴は、何と言ってもアクロバティックすぎる飛行形態です(笑)
なんと、まず2機の飛行機が合体したような母艦の間に宇宙船が抱かれるようにして搭載されています。そして、一般的な滑走路から飛び立ちます。
その後、上空で宇宙船が母艦から切り離されて一瞬自由落下します。
その瞬間に宇宙船のエンジンを点火し、一気に宇宙へ突入します。
ぼくは最初、この飛行形態を知った時、「これは危ないなぁ…」と思っていました。実際、開発の過程でパイロットの死亡事故が起きるなど、開発は難航します。
しかし、なんとか現在では持ち直しており、2021年には創業者のリチャード・ブランソン氏本人がこの機体で宇宙旅行に成功しています。文字通り命がけの事業です。
早ければ今年中にいよいよ商業飛行が始まる見込みです。(そういって15年くらい経っているのは内緒です)
Blue Origin
さてお次は、こちらも大富豪であるAmazonのジェフべゾフさんが設立した事業。
実はあまり知られていませんが、Amazonはかなり宇宙事業に積極的で、ロケット、通信衛星なども手掛けています。
その中でも、いよいよ本格的事業としてスタートラインに立とうとしているのがこの宇宙旅行。
こちらもヴァージン・ギャラクティック同様、サブオービタル旅行(約100km)ではあるのですが、しっかりとロケットを打ち上げて、有人宇宙カプセルを分離し、最終的にパラシュートで帰還する、という点を踏まえると、将来はより高い高度の飛行を目論んでいることがわかります。
こちらも2021年に、ベゾス氏自らが搭乗し、宇宙旅行に成功しています。
SpaceX
さて、最後がSpaceXです。
かの有名なイーロンマスクがCEOを務めるこの会社は、全宇宙開発の歴史を塗り替えまくっています。
その話を始めると長くなるので今回は宇宙旅行に絞りますが、宇宙旅行に絞ってもこれだけの偉業をすでに成し遂げています。
民間事業として初めての有人宇宙船およびロケットの開発に成功
NASAとの契約によって、スペースシャトル以来のアメリカからの宇宙飛行士の国際宇宙ステーションへの輸送に成功
史上初の民間事業による3日間の地球周回宇宙旅行(Inspiration4ミッション)に成功。高度は国際宇宙ステーションよりも高い525km。
現在、月周回旅行用の巨大ロケット「スターシップ」の飛行試験を3月に控える
特に、Inspiration4と命名された地球周回の宇宙旅行ミッションは、Netfixでもドキュメンタリーが放送され、大変話題を呼びました。
はっきり言って、上記で紹介した他の3社があまりにも小さく見えるほど、SpaceXの技術力は進んでいます。他の3社がようやくここ数年でサービスインできるか(それも宇宙すれすれの低高度)というところなのに、それよりも遥かに難易度の高いことを数年前にとっくに成功させてしまっているからです。圧倒的です。
とはいえ、SpaceXの宇宙旅行は逆に進みすぎてしまっているがゆえに非常に高価なため、元ZOZOの前澤さんのような大金持ちではない限り、当分は一般人には届かないと思います。
ただ面白いのは、前澤さんが最近発表したように、月周回などの特別なミッションのために、オーディションを行って宇宙飛行士を選抜していることです。お金はなくても、情熱や一芸があれば宇宙に行けるかもしれない、ということです。
みなさんも民間の宇宙飛行士にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
おわりに
いかがでしたでしょうか?
本当は、各社の技術力にもっとフォーカスしたかったのですが、まずは宇宙旅行のトレンドについて大まかに知ってもらえたら良いかと思い、この程度にしておこうと思います。
ぜひみなさんの宇宙旅行への思いを教えてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
最後にちょっとだけ
最後にちょっとだけ、ぼくが個人的に考えている宇宙旅行にまつわる考えを述べておきます。
上記で紹介したように、今後は数千万円あれば宇宙に行ける時代が来ます。たとえそれが数分間の無重力体験+宇宙の景色が見れる、という程度だったとしても。
これまで、宇宙に行けるのは一部の超エリート、それも国家を背負ったヒーローのような描かれ方がしていたと思います。
それがこれからは、ちょっとした小金持ちが殺到する時代が来るわけです。
そして、そのちょっとした小金持ちの筆頭とは、やはりYouTuberでしょう。
なぜなら、宇宙旅行は明らかに映像コンテンツとして価値があり、うまくブランディングすれば、その映像の再生回数だけで宇宙旅行の費用が賄えるくらい儲かる可能性も十分あります。
そのため、数年後にはYouTube上で「宇宙旅行いってみた」みたいな動画が溢れかえります。断言しますが、それはもうとてつもなく溢れかえると思います。
そうして、「宇宙」というコンテンツの大量消費時代がやってきます。
それが本当に、「宇宙を身近に」といって研究者やエンジニアが頑張ってきた宇宙開発の行き着くべきところなのか、ぼくにはいまいちピンと来ません。別にしょうがないといえば、しょうがないのだけれど。
宇宙の価値ってなんだろう。人間が宇宙へ行く意義ってなんだろう。
みなさんはどう思いますか?
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