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Windows 98だったのかもしれない

 人生で初めて触ったパソコンのOSがWindows 98だったか2000だったかでここ最近ずっと悩んでいた。パソコンを買った時期でわかりそうなものだが、その時期すら曖昧なので全然特定できない。ただ、小学校に入る前に買ったことだけはかろうじてわかる。パソコンが家に来た日のこともなんとなく覚えている。従って95ではない。XPでもない。購入したのは父だが、人生初めてのパソコンでいきなりMeなんてマニアックなところを攻めるわけがないので、98と2000に絞られることになる。


 とりあえず画像検索で98と2000のデスクトップやらアイコンやらを見比べたが、どっちを見ても「こっちだったような気がする……いやでも……」としかならない。98は9x系、2000は現在の10と同じNT系という違いがあるが、未就学児にそんな違いなどわかるはずもない。そこでもう機能的なところの記憶を探り出すのは諦め、当時の私が最も使っていたものを手がかりにすることにした。ソリティアである。


 前述の通りパソコンは父が仕事で使うという触れ込みで購入したものだったが、なぜか私以外の人間が使っていたのを見たことがない。といっても当時は保育園児である。このパソコンで私がやっていたのはインターネットではなかった。台風で一日外に出られなかった時はひたすらソリティアをやっていた。半分くらいソリティアマシンだと思っていた。


 ということで「Windows98 ソリティア」でググってみた。98のソリティアを模したトランプが限定で発売されていたらしい。


 これじゃん!!

 めちゃめちゃ見たことある! これ!!

 ついでに起動画面も見比べたが、ソリティアの絵柄ほどではないにしても98の青空の方が見覚えあるような気がする。つまり私が生まれて初めて触ったパソコンのOSはMicrosoft Windows 98ということにひとまずしておこう。


 ただし98だったとすると心配なことがひとつだけある。98の延長サポートは2006年7月11日に終了しているのだが、どう考えても我が家は2008年ぐらいまで使っていた。サポートが終わるとかサポートが切れたOSを使い続けるのが危ないとかいう話はソリティアをやりまくって2000年頃の怖いCMスレを見ることにしかパソコンを使っていなかった小学生には届いていなかったのだ。今だったら絶対にそんなことはしない。ITリテラシー、大事。


 ソリティアで酷使されたこのパソコンはいろいろと限界を迎えており、末期になるとあるサイトにアクセスした時10回に8回の確率で「テロの可能性があります」みたいなメッセージを出してブラウザが強制終了されるようになった。当時は「いやテロってなんだよ」としか思っていなかったが、もしこのOSが98だったのならあれは「もうオレは死んでいるんだ!! もう使わないでくれ!!」という魂の叫びだったのではないか。だとしたらごめん。ITリテラシーがなかったばかりに……。


 そんな骨董品みたいなパソコンをようやく卒業し、一気にOSは7、8.1とレベルアップした。その間にも学校の授業でXPやVistaなどに触れていたので浦島太郎状態にはならずに済んだが、授業で「Photoshopで写真の中の人を消す」というのをやって感動して「なにこれすごい! 家でもやろ!」と意気揚々と帰ってきて、家のパソコンにはフォトショが入っていない(買っていないので)ことを知るなどITリテラシーはあまり成長していなかった。余談だがフォトショは大野雄大と同い年(デモバージョンPhotoshop.63が1988年1月リリース)らしい。


 そして紆余曲折を経てつい先週Windows 10のパソコンを購入した。98でソリティアばかりやっていたころに比べればだいぶ知識もついていろいろいじれるようになったが、10に買い替えたかった最大の理由は「『Microsoft Solitaire Collection』を自分のパソコンでやりたかったから」である。結局ソリティア。三つ子の魂百まで。ソリティア楽しい。

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