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私のパートナーは、南アフリカ人

「Why Japanese people!!」
って言われそうなくらい、南アフリカ人は黒人だと思っていた。
 
実際、彼に最初会った時、「なんで白人なの?」と聞いて
やれやれ・・という顔つきで見られたこともある。
 
友達や知人に、旦那さん何人?と聞かれ、南アフリカ人というと
え、黒人なの?って言われることにも、もう慣れた。
 
南アフリカ人をパートナーに持つと
人生がかなり悲観的になる
(もちろんすべての南アフリカ人がそうではない)
 
結婚が幸せなものだと思っているのは
日本のメディアがしかけた罠だ・・とか言って
私たちは、結婚式もしなければ、子供もいない。
 
半ば、人生の半分を壊されたような感じがあるが
同意の上で、何事もやりたい私。
そして、自分ごとに忙しくしていて時期を逃したこともあり
結局、行きつくところは、ここ。
 
彼がどんな現実を見て、過ごしてきたのかは知らないけれど
『理想と現実は違う』は死ぬまで拭えないのだろう。
 
理想に近づけようとしないのか?となんども聞いたけれど
それは、どうしようもないことなんだと、意味不明なことを言う。
 
こいつは死ぬまでこのまんまなんだなと半ば諦めモード。
 
彼にしてみたら、私の方が意味不明で
日本政府に踊らされているあわれな日本人だとしか思わないのだろう。
 
『現実』は理想よりも本当は素晴らしいものなのにね。
 
南アフリカ人は、チキンが大好き。ケンタッキー命(笑)
ロンドンに住んでいた時は、週に1度のケンタッキーデーがあったくらいだ。
他はチキンケバブをよく食べていた。
食べ物は肉とポテトとサラダがあれば、それでいいみたい。
 
サラダは常にフレッシュな生野菜で
すこしでも日が立っているものは口にしない。フルーツもそう。
 
新鮮なものが豊富に取れていたんだろう。
 
先日、ラグビーワールドカップで、南アフリカが優勝したときなんかは
もうすごかった。そんなにラグビーは好きじゃなかったけど
一緒に見ている間に、にわかファンになり
 
最後の決勝は、私が仕事で見逃したからと言って
次の日、手作りの夕食と、ともにビデオ鑑賞まで付いてきて
また感動しまくっていた(笑)
それが移って私も一緒に涙の感動・・・似た者夫婦ってやつかしらww
 
南アフリカ人は、自然の中を歩くのが好き(もちろんみんなではない)
特に彼は、小さい時、小人みたいな妖精と遊んでいたというくらいピュアな人間なので、自然に入ると、エネルギーがみなぎってくるらしい。
 
休みの日は、1時間くらい、森の中を歩いてくる。
私はたまについていくけれど、それはそれは楽しそうに歩く。
 
木や草花が大好きで、あの花は昨日咲いたんだよ、これはあの時に比べて大きくなったねとか、いろんなことを教えてくれる。
季節が変わるのを、自然で感じる南アフリカ人。
 
小さい頃は、大きな庭があって、黒人のお手伝いさんがいたらしい。
どんなおぼっちゃまやねん!って思うけれど、それが普通だったのかな。
 
だけど、すごく貧しい友達もいて、その子のことを話してくれたことがあった。貧しくて、明日食べるものさえないのに、彼はいつも笑ってるんだ。
 
辛い顔なんて見たことないよ、何があってもいつも笑ってた。
どうしようもなくて笑っていたんだろうけど、笑うしかなくて笑ってたんだろうけど、僕には彼がすごく強い人に見えたんだ。そう言ってた。
 
南アフリカで生活するのが困難(治安が悪くなってきた)になり
彼は20才の時、イギリスに渡った。
今は、彼も兄も、両親もイギリスにいる。
 
まさか、彼が28才の時、その当時、留学していて
困窮極まりない日本人のわたしに会おうとは
夢にも見ていなかっただろうに(私もだけど・・・笑)
 
どこかにいつも悲観的な要素をもつ彼も
南アフリカに住んでいたからか、奥底にファンキーな部分がある。
 
歌を歌いにいくと、常にファンキーな歌を選ぶ。なんでだろう?ww
辛い現実を見てきたから、どこかで明るくしないといけないというのは
彼の友達だけでなく、彼の中にもあることなんだろうなと思う。
 
今は故郷もなくなった。という彼。
日本に骨を埋めるのかどうかは、誰も知る由がない。

きっと南の島とかで、のほほんと暮らすんだろうな。
 
 
*写真はManie Van der HovenによるPixabayからの画像

#私のパートナー

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