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まんが日本昔話のトラウマ

昨日『まんが日本昔話』の字面を見た時から、デンデン太鼓を持った童が龍に跨り、あの曲とともに脳内を縦横無尽に飛び回っている。大好きな番組だったな。人間の持つ狡さ、愚かさ、恐ろしさ、儚さ、強さ、美しさを、それから自然の驚異を、そして至る所から現れる八百万の神様の存在を、昔話という甘いオブラートに包んで幼き者たちの心にこっそり置いてくるような。だから、ㇷッとしたときに思い出す。理不尽なお殿様や、めっちゃ貧しいのに幸せなお爺さん、真面目に生きていても報われない若者、荒れ狂う川を前になす術もない村人、深い山に子どもだけで行く意味、自分の中で何十年もかかってオブラートが溶けた時に現れる、人間の本質が生々しい。

その中でも、今でもスーパーでマイタケを見るたびに思い出す話がある。当時8歳の私は怖くて、切なくて、寝付けなかった。そして、それ以降『まんが日本昔話』を積極的に見ることを辞めた。

気になったついでに[日本昔話 マイタケ]で検索するとその話が出てきた。いい時代。タイトルは「吉作(きっさく)落とし」。30年以上の時を経てもう一度、観てみた。案の定、暗い気持ちになった。ハァ~。

一点だけ記憶と違うところがあった。 イワタケ だった。