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20190916 キネマズ台湾"BROTHERS" 6日目

不意に目が覚めた。
閉め忘れたベット上のカーテンから日が射している。時計を見ると9時を過ぎたところだった。
カメラを構えて、写真を撮る。白いシーツとオレンジ色のかけぶとん、放り出された左手、つるつるしたマニキュアの中に細いラメが入っている、爪、発光しているような指の腹、血管の助ける足の甲、眉をしかめて眠っている日に焼けた肌。
カメラをしまってもう一度ベッドに寝転がる。心地よい眠気が波のように押し寄せてきた。

「好きな公園があるから行こう」
昼前に起きて、すっぴんのまま散歩する。道端にタピオカミルクティーのゴミが捨てられている。べつに日本だけじゃないなと思う。どこでもいっしょ。

「この道いいねんなー」とムッティーさんが言う。ウォールアートのあちこちにあるエリアだった。アメリカみたい、と思ったら、地面に大きくアメリカの国旗が描かれている。

すこし歩くと、大きなステージのある公園に出た。
ステージに登って、「ここでライブできひんかな」と言う。ステージというにはずいぶんと高くて、わたしにはそれは演説の台に見えた。小学校の校庭にあった、校長先生が登る台を思い出した。
だんだん細い雨が降ってくる。傘を持っていなかったので、いそいで宿に戻る。

みんなと合流し、阿宗麺線を食べに行く。
自分の好みに味をカスタマイズするのだが、わたしは酢が好きなので、それを大さじのようなスプーン5杯分と、にんにくを1杯、辛いものをほんのちょっとだけ入れた。みんながどういう味付けにするのか見ていると、酢はスプーンのはじっこにちょっとだけ、という人が多くて驚いた。
西門の天天利と阿宗麺線、みんな好きだな。でもたしかにおいしい。考えてるだけでおなかすいてきたな。

なんだかいつも片手にビールを持っている。

立ち食い。雨脚が強まってきたので早々に宿に帰る。
あやこさんが窓の外の絵を描いている。へいわな時間だった。
わたしたちの泊まった部屋はおそらくオレンジ(色)モチーフの部屋で、柿とオレンジ(果物)の絵が部屋の両壁に飾ってあり、ところどころにオレンジの差し色があった。

昼間はトーマスのスタジオへお邪魔する。めっちゃきれいだ。部屋の隅にほこりひとつ落ちていないのが印象的だった。そういえばトーマスは潔癖症だと言っていたっけ。

みんなしんけんなかお。なんだかすごい高い機材が揃っているらしい。すごい。

もくもくタイム。feeling berryのDCも来てくれました。

夜の約束まで時間があったので、近場の夜市へ足を運んだ。この夜市、サイズ感もちょうどよくて、雰囲気もいいかんじ。
台湾の冷麺は、冷たいまぜそばという感じだった。麺がわしわししている。なんというか、こんなに近いアジアにだって、まだまだ知らない料理がいっぱいあるんだな。

気づけば暗くなっていた。夜はfeeling berryのみんなとバーベキューです。feeling berry、まるでテキーラのように全酒を煽る。大学生みたい! と思ったらなるほどたしかにそのくらいの年齢だった。やっぱ歳とるとお酒弱くなるよなと最近思う。

公園には路上カラオケがあった。3曲100元。台湾の古い文化らしい。日本の歌もある。

音出しが9時までだから早くしろと急かされる。

カラオケ屋のおばちゃん、いいかんじにママっぽい。合いの手とか入れてくれる。

みやしーさん、ふらふらっと現れて、上を向いて歩こうを歌い、ふらふらっと去っていった。

公園は海に面していて、夜景がきれいだった。すこし、恋の話をした。

輪に戻ると花火がはじまっていた。夏の終わりを感じる。今年は何度も何度も夏の終わりを感じる。たのしいことが多かったのかなあ。みんな、いろんなところに連れてってくれてありがとね、と思う。

バーベキューもそろそろ終わっちゃうな。楽しかったなあ。
ここでfeeling berryとはお別れ。すがたが見えなくなるまでずっと手を振ってくれていた。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

最後の夜だ。ところが宿に帰るとあっという間に眠気がやってくる。みんなで喋ろうと思ったけどむりだった。明日帰るんだな。もったいないけど眠気に抗えない。今日のところは、おやすみなさい。また明日。



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