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20190611 ハチ北①

秋に行うフェスの準備のために、ハチ北高原に行ってきた。
今年の2月ぶり、二度目の訪問だった。

高速に乗る直前、ものすごい豪雨がとつぜんやってきてめっちゃ笑えた。降るか降るかとは思っていたけどほんとうにとつぜんだった。真夏の豪雨のような雨が降る。フロントガラスがばしばし鳴って、流しているラジオが聞こえなくなる。
一時コンビニに避難して考える。ほんとうに今行く?
ファンタジーっぽい、不思議な世界に誘われているかんじだ。
結局買い物しているあいだに雨脚は弱まり、そのまま出発した。

ラジオはファンクを流している。
途中、Pファンクについて教えてもらい、たいへん興味を持つ。
PファンクのPは、PlanetのP。すべてのPlanet的展開にラブというきもち! 人間だなあという感慨。
(その後、PファンクのPはPlanetのPではありませんでしたと訂正がありました。いくつか代わりのPをいただきましたが、個人的にはPureでPsychedelicのPを推したい所存です。)

言うまでもなく、ずっと山だ。「山々や田畑」という言葉にハマり、車中10回は口にした。
さきほどまでの雨はどこへやら、日がさんさんと照っていると思ったら、こんどはトンネル抜けたとたんにまた雨が降っている。ほんと、へんだ。Pを感じる。
ぐるぐる回る道を経て、ハチ北高原へ。


空気が冷たい。
テニスコートは昨日の雨の影響で地面がぬかるんでいる。
わさびが生えるほどきれいな組み上げの地下水はもちろんそのまま飲める。
「ぜったい甘いと思うよ」と地元の青年が自慢する、冷たい水を手に掬って口に運び、「うまい」と言う。

少しずつ雨が降ってくる。霧が濃くなり、その向こう側に、うっすらと棚田が見える。

イベントでお世話になる予定の宿にあいさつをしにいこうという話になるが、アポも取っていない。内心いいのかなあと思いながら宿に向かう。
「ぜったいあやしまれると思うよ」という言葉を残して青年たちはいったん家に戻る。
20時にもう一度集まって酒を飲む約束をした。

突然お邪魔したにも関わらず、宿の方はとても親切にしてくださった。
おかみさんは、私たちが訪れたときも、宿をぐるっと回って最後にあいさつをしたときも、ずっと山椒の処理をしていた。明るくておしゃべりなおかみさんだった。
帰り際、たくさんあってたいへんだからと袋いっぱいに山椒の実を分けてくれた。


今回泊めていただく宿に帰って少しのんびりしてから、酒を飲み始める。
ここから夜中までずっと、ちびちびと酒を飲みながら、人がしゃべっているのを聞いていた。
青年たちのお話は、正直で、熱くて、でもいやなかんじはしなかった。
ときどきぐっときてしまうほどいい話で、でもその話はまた今度。

子供の頃、毎年クリスマスが終わったくらいから1月の初めまでは家族で信州にスキーに行っていた。
わたしが中学生になったころからその習慣はなくなったが、今でもときどきそのことを思い出す。
実家と、おばあちゃんちと、その次くらいに思い入れのある場所はきっとあのへんなのだと思う。
ハチ北がスキー場だからか、関係ないのか、ここにいるとそんなことを思い出す。

おそらく午前2時過ぎ、部屋に帰ってシャワーも浴びずに眠った。


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