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砂漠のど真ん中でスタックした車を地元民に助けられどうにか救出し、首都ヌアクショットへ(2023年12月5日)

こんにちは、車でユーラシア大陸を横断してアフリカを目指しているまよりこです。
これまでの経路などはこちらに記しています。

2023/12/5 Unknown, Mauritania(モーリタニア中部)→Nouakchott


昨夕、サハラ砂漠のど真ん中で、車がスタックしました(泣)

翌日、灼熱の暑さになる前にと、夜明け前に起きました。
予想通り雨は降りませんでした。

「さあ、やるぞ!」と車を出そうとして準備をしてエンジンを踏むと、見事に車輪がふかーく沈んで悪化してしまいましたw

車を降りて見てみると、左の後輪がすごい下の方の位置にあり、脱輪しかけている!?

このまま自分たちの判断で進めると悪化する可能性があります。

牽引ロープはあるので、最悪助けを求めてパワーのある車に牽引してもらおうと思っていましたが、脱輪したら牽引できないかもしれない。

これは本格的にまずいかも。。。

素早く戦略変更して、自分たちでどうにかするのはやめて、助けを求めることにしました。

考えうる選択肢としては、以下の3つ当たりでしょうか。
①まずはダメ元でパワーのある車に牽引をトライしてみてもらう
②1時間ほど先にある町に、車屋さんなど人を呼びに行ってもらう
③夫婦どちらか一人が次の町まで車に乗せて行ってもらって誰かを呼んでくる

牽引で抜け出せたとしても、車が壊れていたらそこから動けないかもしれない。何日かかけて近くの町などで修理になるかもしれません。
これは長期戦を覚悟しなくては。

何はともあれ、今は行動あるのみです。

暑くなるのでしっかり帽子やサングラス、水1リットルを持ち、大通りに向かいます。

まだ日があがってません。霧?がすごくて不気味

そして日が上がり始めた頃から、何分かに一回通り過ぎる車に助けを求め始めます。

ヒッチハイクのように親指を立てて何回かやってみますが止まってくれません。
こっちは相乗り文化があって途中で車に載せてもらうような人もいるので、これだとあまり本気度が伝わらないのかもしれない。

そう思って途中から、本気でジャンプして叫んで両手を大きく振って訴えかけます。もう必死ですw

一度止まってくれたトラック運転手がいて、Google翻訳で必死に状況を説明。
しかし、トラックだと牽引もできないし、モロッコからのドライバーだったので町に助けを呼びに行くのも難しくて本当にごめんと謝られてしまいました。

何度か諦めかけましたが、トヨタの普通車がまた止まってくれました。
乗っていたのは民族衣装を着たモーリタニア人の男性で、また必死に拙いフランス語の単語とGoogle翻訳と表情で訴えかけると、見せてみろと車のところまで来てくれました。

するとしばらく車を観察してから、車の鍵でタイヤの空気を抜き始めました。
「え、何するの?」と思いましたが、おそらく空気圧を下げて接地面積を増やすためにやっているよう。

次に車の周りの土をスコップでなだらかにしていきます。
男性は民族衣装のふんわりとした被り物を脱ぎ捨て、本気で作業してくれます。
私たちも砂で真っ白になりながら、手で砂をかき分けます。

そして小刻みに少しずつアクセルを踏みバックして、私たちは車を押す。

しばらくすると、車が少しずつ動き、抜け出すことができました。。。。!そこから砂丘を迂回して大通りに戻ることができました。

後輪も脱輪していたと思いましたが、かなり傾いてスプリングが伸びていて、脱輪まではしていなかったようで、見たら元に戻っていました。

やはり地元の人は砂漠での車生活に慣れているのか、とても冷静に対処してくれて、彼のおかげで助けられました。
何度も何度もお礼を言いました。

心ばかりで申し訳ないですが、車に載せていた日本のセンスと、少しばかりのお金を夫がお礼に手渡したら、ありがとう、一緒に写真を撮ってと笑顔で返してくれました。

色々最悪の事態を考えた2日間でしたが、彼と運に助けられました。
そして私たち夫婦も、水や食料、ガソリンは十分にあったのもあって、焦らず冷静に行動できて良かったと自分たちを褒めてあげました。
昔はなかった、翻訳アプリにも助けられましたw

彼が去ってから私たちはその場でタイヤの空気をインフレーターで入れ直し、そして水と食べ物を口にした瞬間、どっと安心と空腹と疲れが一気に押し寄せました。

時間は午前9時前。
何とか暑くなり始める前に解決することができ、本当に胸を撫でおろすとはこういうことなんだと実感した瞬間でした。

長い朝だった!!!!


少し休んだら、気を取り直して車を走らせます。
1日・2日の長丁場を覚悟していたので、今車をヌアクショットに走らせられているのが奇跡すぎる。

道に戻ってきた(泣)

電気もなさそうな村をたくさん通りかかりました。
小さい子供やお母さんが手を振ってくれました。

通り過ぎた村の一つ

途中、Port de Tanitと書いてあったので車を大通りから外れて走らせてみると、小さな漁村がありました。
タコが取れるのかな~

漁村の海岸沿いには船がたくさんあった
車がスタックした砂丘でも見つけたけれど、アリ地獄がありました

お昼頃、ヌアクショットに到着

到着前に4回も続けて検問がありました。こんなに必要?

町自体はヌアクショットより断然広いけど、やはりモロッコ・西サハラとは違ってある施設はシャビ―な印象
おしゃれなカフェはこの町には一つもなさそう。

町中を通る途中、大通り沿いに洗濯ものが干されているのを何度も見つけた。こんな大通りに干したら埃や煤がかなりつきそうだな。

最初は自宅の洗濯ものだと思っていたのですが、よく観察すると洗濯機の写真がついた建物がある。
どうやらこれは洗濯屋らしい。
洗濯機や電気がない家も多いのでしょうか。

洗濯ものがたくさん

西洋式のスーパーににたどり着きました。
普通のスーパーなんて久しぶり、と期待して入ったのが間違っていました。
中は少し臭く、品物も思ったより良くない。
それでもかなり欧州からの輸入品が揃っていました。

ETAKスーパー
野菜は充実。結構きれい
量り売り。シールとかではなくて、値段を紙に手書きで書いて渡してくれます
VISAは使えると思ったら、機械が壊れていて使えませんでした

町の中を走らせると、JICAが入っていると思われるプロジェクトの建設現場がありました。

目星をつけていたキャンプ場Terjit Vacancesに着きました~
地面は砂でちょっと歩きにくい。
でも落ち着いていていい感じです。シャワーはお湯が出る。Wifiは弱い。

海が目の前です

今日の昼兼夜ご飯は、ここでBBQとします。
火を起こして食べていたら、巨大で背の高いジャングルとかにいそうなバスが到着しました!めちゃくちゃいかつい!
降りてきたのは英語を話す旅人たちのツアー団体のよう。
みんな降りてくるとテントを張り始めます。

後から聞いてみると、Oasis Overlandという英国企業がやっているツアーのようで、アフリカを縦断して南アフリカまで行くらしい。

宿泊はこうしてキャンプ場で各自テントを張ったり、食事は当番制で自炊したりすることで、費用は抑えているよう。
ただバスにさえ乗っていれば足の心配をすることはなく、大人数なので比較的安心して旅することができる。
国籍はイギリス、アメリカ、オーストラリア、ドイツと様々で、国籍によって現地でそれぞれビザを取得し、その分旅の期間はバッファーを設けているよう。
アフリカを旅したいけど安心したい、けど予算は抑えたい、汚いのは割と大丈夫、英語でSocializeすることや団体行動が好き、という人ならこういうのも良いかもと思いました。

巨大バス

今朝砂漠のど真ん中で冷や汗をかいていたなんて、信じられません。
ここにいることが幸せだ。長い一日だった。

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