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最先端技術に出資するにあたり、投資家が留意すべき事とは?


最新技術の開発が進んでいる。AIの企業も増えている。

最先端の技術に対して、出資を行うことは至難の技だろう。

投資は不確実性を伴う。必ず成功する保証はない。

タイミングや運にも大きく左右される。正解はないのだろう。

だが、リスクを軽減することはできるはず。

(VCやエンジェル投資家は)出資するにあたり、何を留意すればいいのだろうか。

今回は、AIの技術開発に精通されている江口天さんに、投資家が最先端技術に出資する際の着眼点をお聞きした。

投資前、現場に出向いて話を伺うこと

池田
「(VCやエンジェル投資家は) 出資を決める際にした方がいいことはありますか?」

江口さん
「投資家は、社長や役員にしか会わないことが多い。それだけでは不十分だと思う。

投資を決定するには、現場に出向いて、実際に働いている技術者と話をする必要がある。

資金調達により、スケールするかどうか、技術者は各々意見を持っているはず。

それをしっかり聞いて、出資するかどうか判断すべき。出来れば、抜き打ちで話を聞ければ、より真実が見えるだろう。

また、その企業の取引先などにも話を伺うことで、適切な判断に繋がると思います。」

専門家を投資検討チームに入れること

池田「(VCやエンジェル投資家は) どうすればリスクを軽減し、適切な判断を行えますか?」

江口さん「投資検討チームに、専門家を入れることです。

専門家といっても、知名度で選ぶのではなく、実際に現場で技術開発を行っている人を選ぶほうがリスクは減らせると思います。

また、(出資を検討している企業の)名のある顧問から『出資すべき』と言われると説得されてしまう投資家が多い。

ですが、顧問先として複数の企業を兼任している方が多く、内部事情に詳しくない方も多いのが現状です。

なので、出資を検討している企業の顧問だけをみて、判断するのはリスクが高いと考えた方がいいですね。」

デモを見ただけで判断しないこと

江口さん「デモを見ただけで判断しないようにした方がいいですね。

UIだけをしっかり作り、綺麗なデモを行うことは可能です。

デモをやり始めたら、『私にやらせてください』と言って、想定外のシナリオを色々試してみるのが良い。
そして、どういう仕組みなのか適宜答えられるかチェックする。」

地に足をつけた活動をしているか

江口さん「地に足をつけた活動をしているかも判断基準になると思います。

スタートアップでは、イノベーションというカッコイイ言葉が流行っています。

ですが、投資家は(起業家の)野心で判断だけではなく、

現実と理想のギャップを埋める堅実さを伴っているか、

出資する際には確認する必要があると思います。」

〈最後に〉
江口さんには前回AIの導入を成功させる方法について伺った。

そして今回は、最先端の技術開発の開発者の視点で生み出された「最先端技術への投資を成功させる方法」や「留意すべき事」をお聞きした。

前回の対談記事と共通して感じたことがあった。

それは、企業がAI技術を導入するにしても、

投資家が最先端技術に投資するにせよ、

成功させるには堅実さが求められるということだ。

AIの導入に成功させるには、AI技術の適用範囲を限定し、AIの導入目的を明確にすることが必要となる。

最先端技術に投資する場合は、曖昧に判断するのではなく、現場まで出向いて取引先や技術者にヒヤリングをすることが必要となる。

「AIを使っていると、なんとなくかっこいい。AIを導入しよう。」「この企業なんとなく良さそうだから出資する」ではない。

課題解決に堅実に向き合うことで、目的が達成される。

江口さんとお話し、課題解決に真摯に向き合う大切さを強く感じた。

〈江口さんの対談記事 前編〉
AIの導入、成功と失敗のわかれ道

【HP】https://spjai.com/company/



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