「あの美しい午後に貴方が眠りに落ちる時、またお逢いしましょう」

私たちの展覧会「午睡の夢のファントム」には英語版タイトルがあります。

" When you asleep on that beautiful afternoon, we shall meet again"

というものです。
日本では日本語のタイトルで、海外には英語のタイトルでプロモーションしています。

今日のnoteのタイトルは、この英語版タイトルを直訳したものです。

私とベネディクトくんは、それぞれの絵画哲学に基づいて作品を発表するわけですが、それぞれの世界観ををつなげるものとして、このタイトルが考案されました。

ベネディクトくんは文明が発達した現代において、人間の魂はどこに属するかを模索しながら作品を制作しています。

兵士としての経験もある彼は、戦争というテーマをも深く掘り下げています。

兵士の魂はどこに属するのか。
国家か、それとも個人か。

インテリジェンスで洗練された感性を持つ彼が、どのようにそれを表現していくのか、楽しみでなりません。

私は、日本に昔から伝わる幽霊譚や幽霊画に影響を受けつつ、今まで培ってきた自身の絵画哲学をベースに制作を続けています。

幽霊というものは、我執、個人のエゴイズムの象徴という側面も持ち合わせています。
「恨めしや」と出てくるわけで、相手が恨めしいというのは我執があるからです。

しかし、人間の我執というものも、俯瞰的に見れば人間の愛らしさの一面のような気がします。
恨めしいのは、何かを求めているから。
届かない相手への想いがエゴとなっているとも言えるように思います。

時の流れは雄大なもので、そんな人間のエゴイズムなどはいずれかき消えてしまうものです。

にもかかわらず、誰かのことを強く想うことができる人間を、私は美しいと感じます。

私たちはいつか、「生」という夢から覚めます。
泣いたり笑ったり、時には誰かを恨んだり、愛し愛されたりする、そんな、鮮烈な夢から。

なんて素晴らしい夢を、私は見ているのだろう。
そう思いながら、作品を作っています。

展覧会当日は私たちの作品の他に、亡くなったある兵士の日記も展示いたします。

見応えのある展覧会になると思いますので、お近くにお越しの際はご高覧下さいませ。


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稲場麻佑・Benedict Yu二人展
「午睡の夢のファントム」
6月13日(木)〜16日(日) フラッグ・ギンザ・ギャラリー
11:00〜19:00(最終日は18:00まで)
オープニングパーティ 6月15日17:00〜19:00

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稲場麻佑

画家。北海道在住。美しいものとおそろしいものを愛する。恩師の元で現代美術と禅を研究中。 芸術のつれづれを語るWebマガジン「ヴィーナスのスープ」はじめました。 オフィシャルサイト http://mayuinaba.strikingly.com

ヴィーナスのスープ

芸術のあれこれを語るマガジン。 創作論、エッセイ、作品解説などを掲載します。 ゆったり読んでいただければ幸いです。
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