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作品解説「中陰の恋文 壱・弐」

「中陰」は仏教用語で生と死のはざまにいる存在、またはその期間のことですが、私はこれを「幽霊」と結び付けて考えました。

ちなみに、日本では仏教と幽霊の繋がりは深く、お寺によっては幽霊画がたくさん収蔵されていたりします。谷中の全生庵さんですとか、有名ですね。

先ほどお話した「はざま」の存在としての幽霊を、ここでも表現しました。
生きておらず、死んでおらず、そういう状態に置かれたとき、私は何を思うだろうか。
きっと現世を恋しく思うでしょう。

本来、仏教では、そのように現世に焦がれることは執着とみなされ、よくないこととされています。
日本の幽霊画はこの「執着」の恐ろしさを物語るものでもあります。

しかし、それでも強く焦がれてしまうほど、私にとってこの世は魅力的なところです。
様々な苦難に満ち溢れた住みにくいところではありますが、それでも、愛すべき世界です。

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稲場麻佑

画家。北海道在住。美しいものとおそろしいものを愛する。恩師の元で現代美術と禅を研究中。 芸術のつれづれを語るWebマガジン「ヴィーナスのスープ」はじめました。 オフィシャルサイト http://mayuinaba.strikingly.com

ヴィーナスのスープ

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