ベローチェで勉強していた。

ベローチェ、良くないですか？
なんかレトロな感じと。絶妙な価格設定。

「ここまで終わったらトイレに行こう」をずっと長引かせていて、なんだかんだ集中しやっていた。
ようやく一区切り、席を立って、トイレに向かった。

そのベローチェのトイレは女用と男用と二つあって、鍵が閉まっていたらライトが点灯する仕組みになっていたので、ちょうどライトが消えたタイミングを見て席を立った。

無心。携帯を漫然と見ながら女性用トイレのドアを開ける。

開ける。

ガチャっと。

居た。

そこには先客がいた。

繰り返しになるが、そのベローチェのトイレは鍵が閉まっていたら分かりやすくライトが点灯する仕組みになっていて、そのライトが消えていて、だからわたしはノールックで扉を開けたんだ。

わたしは悪くない。
先客が悪い。

先客はトイレに腰掛けて携帯を見ていた。

先客は、「ごめんなさい」と言ってすぐに扉を閉めた。わたしもなぜか、「あ、ごめんなさい。」と言った。

恥ずかしいよね。わたしも逆の立場だったら消えて無くなりたいくらい恥ずかしいと思う。
流石に扉の前で待ってたら可哀想と思い、また席に戻った。

3分くらい経っただろうか。なるべくトイレの方を見ないようにして携帯をいじっていたけど、さっきの遭遇で鍵がかけられた女性用トイレのランプはまだ点灯している。

3分が経って、4分が経って、5分以上経った。

まだ、まだ。

いや、　

恥ずかしいのは分かるけどさ、終わったなら開けてよ？！？！？！

わたしはトイレに行きたくて扉を開けたんだから。
ていうか、遭遇していなかったとしても、一つしかないトイレを使いたい人がたくさんいるってことくらい、想像できるでしょ？

すぐに開けてくれるのが、「ごめんなさい」の償いなんじゃないかなって思うよ。

まあ恥ずかしいから無理か！！！！