花日和 さくら

会社を辞めて
一番やりたかったことは
花見だった。

花見って言っても、みんなでワイワイやるやつじゃない。
名所の桜をみにいきたいわけでもない。
ひとりで近所の桜の下を歩くだけでよかった。

そんなの、会社に勤めてたってできるだろうと思われるかもしれないけど、それは違う。
断じて。

ベストな天気で、ベストな時間帯に、ベストな桜がみたかったのだ。
よく晴れた暖かい昼間、混雑していない場所で、満開の桜を。

桜の季節は短い。
週末まで待ってくれない。

去年の春。
会社を辞めて、はじめての桜の季節はやってきた。
出産したが、子どもはまだ微動だにできない時期で、ベストオブ暇だったこともあり、
私は毎日毎日、子どもを抱っこ紐にいれて、
狂ったように桜をみにいった。
1日、3回みにいったこともある。

結論から言おう。

最高。
会社、辞めた甲斐があった。

これこれ、私が求めてた幸せってこれ!!
みたいな、へんなテンションになってた。
桜クレイジー。

できれば今年もそうしたいけど。
今年は花見に出かけても、子どもばかり見ることになりそうだ。
しかも、桜のために辞めた(わけじゃない)仕事に、復帰する予定だし。

脱サラからの、着サラ。(ちゃくさら、と読んでほしい)

あー
人生の中でも、
去年の桜は、本当に本当に貴重だったんだろうな。
宝の記憶だ。私だけの。

今年の桜を、どんな気持ちでみるのか、まったく想像できない。
願わくば、晴れた日に、満開の桜を。
たのむぞ。


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