相手に有意義と感じてもらう1on1とは

「1on1が苦手」という言葉をよく聞く。
する方も苦手だし、受ける方も苦手だという。
お互いの貴重なビジネスタイムの中で30分(ないし1時間)を使って、テーマが定められていない(ほとんどがこれ)中でコミュニケーションをとるってなると「何を話したらいいかわからない」という状態になるのは当然のことだと思う。

現に私もこれまでの社会人経験の中で「このやりとりを毎週続けるって意味あるの?」と感じた瞬間は何度もあった。意味がないと思ってしまい「予定があるので、今週はスキップでお願いします」とお願いをしてしまったことも。笑(当時の上司にごめんなさい🙏🙏)

過去1on1でいい経験をしてこなかったからこそ、せっかくの30分なんだから、相手にも自分にとっても「いい時間だったな」と感じてもらいたい。そんな場を作るためにはどうすればいいんだろうと常日頃考えています。

「個人の成長を支援する」とはどういうことか

「成長支援」って言葉。言うのは簡単だけど、いざできることはなんだろう?と考えるとものすごく奥が深い。

そもそも成長したいってみんなが思ってるとは限らないよね。
ベンチャーで働いてる、ビジネスマンとして働いてる=成長したい!
って思い込んでいる人。現状維持は衰退と言う人もいるけど、現状維持って結構バランス取るの大変なんだぞと言いたい笑

その人にとっての「働く」って何か?ライスワークなのか?ライフワークなのか?こういうこともちゃんと知っていかなきゃいけない。
自分が社会とどう向き合っていきたいのか、みたいな話になると抽象度が高いけど、結局そう言う話になると思う。

そんな相手との対話のやりとりを繰り返して行く中で、はじめて自分が相手にどんな支援ができるのかが少しずつ見えて行くものだと思う。

「いい1on1」とは
1on1を受けるメンバーが「グッドセッションだった」と感じるポイントは何か?という外部の調査結果があって、それによると以下3つがポイントだそうだ。

1.自分について客観的になれる
2.相手に自分のことを率直に話せる
3.人間的なアドバイスを得られる

人間的なアドバイスとは何か?というと、
・色々な悩みに対して適切なアドバイスをしてくれた
・背中を押してもらえるアドバイスだった
・モヤモヤ感を軽減してくれるアドバイスだった
・気持ちが楽になるアドバイスだった

ということ。もちろん、ビジネス上の関係性なので、アドバイスはアドバイスでも、業務的なアドバイスをするのは大前提ではあるけれど、それだけだと有意義だとは感じないということ。思えば過去の経験を思い出してみて、確かにそうだと思った。「この問題に対してはこうしてね」な紋切り型のやりとりだけだと、ただの業務相談。普段やりとりすればいい話だから、1on1の場としてはあまり適切ではないかなと。もちろん、今日は業務相談トピックスでいきたい!と言う明確なテーマがあれば良いと思うけど。

「いい1on1」づくりに必要な3つのポイント
じゃあ、いい1on1をするにはどんなポイントがあるんだろう?と言う部分を考えてみた。この3つは押さえておくべきだろうと思う。

その1:テーマを提示してみる
1on1の場を作る上で重要になるのは、相手が思ったことを率直に話してもらえるような環境づくりが重要です。1on1をする側が「何話したらいいかわかんない。。」と自分本位での考えに陥ってしまっている場合、だいたい相手も同じことを感じているのは間違いないです。

なので、何話したらいいかわからない場合や、毎回いわゆる「お困りごと相談」で終わってしまっている場合は、テーマをすりあわせることをオススメします。例えば以下のようなテーマの中で、今の自分の状況に近いテーマを教えてもらうようにすると、相手の考えていることを知るきっかけにもなり、話が進みやすいです。

======================================
A.今の自分を知る
A-1.モチベーションの原点にたちかえる
・もやもやの感情(or課題)の整理する
・自分のそもそもの動機って?
A-2.自分の強みを確認する
A-3.日々の仕事を学びに変えるために、振り返りの場として活用する

B.未来の自分を描く
今の自分はある程度みえてきているので、
未来を考える場にしていきたい
======================================

評価をする立場のリーダーやマネージャーに関しては、
メンバーが選んだテーマと目標設定の内容との関連性も見つつ捉えて行くと
一貫性のあるセッションができる(ここをきちんとメンバーにも伝えると、なぜそのテーマを選んだのかの共通認識が持ちやすくなる)

その2:率直に話しやすい場づくりを心がける(特にメンバーとの信頼関係が築けていない場合)
・PCは立ち上げない(話し聞いてるの?と言う印象を抱かせることになる)
・質問が詰問になっていないか(1on1ってコーチングだよね、と言う安易な考えに走ってしまっている時にありがち。問いかけをするだけの行為はコーチングではない) 
・相手が話したいことがあるのなら、まずは徹底的に聴ききってあげる。(アドバイスしたくなる気持ちはグッとこらえて!)

その3:「アドバイスしなくては」と思わない
1on1は問題解決の場と言う役割もあるが、ここでいう「場」は「役割」の話であって目的ではない。
・相談をしたい(アドバイスがほしい)のか
・内省をしたいのか
・状況の整理をしたいのか
話を聴きながら落とし所を見極めながらセッションすることが重要。

●結論:1on1とは安心(信頼)した環境の中でメンバーの学習/成長機会を創る場である

引き続き1on1について自分の実践経験を元に、また気づいたことをここに書き留めていきます。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?