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「自分らしさ」と中年の危機

今回は
「自分らしさ」にぶつかったら
の続きの記事になります。

「自分らしさ」を理解しようとすると
雲をつかむような気分になりますが・・

それでも
そこで多くに人が悩むということは
人がより心地良く生きるための
ヒントが隠されているからだと思っています。

今回は、前回書ききれなかった
「自分らしさ」と中年の危機について
書いていこうと思います。


中年の危機とは?

私が占いの現場にいるときに
「自分らしさ」に
特に悩む年代があったのですね。

それが、いわゆる「中年の危機」の年代です。

中年の危機(ミッドライフ・クライシス)とは
人生の半ば(30代後半〜40代前半)に差し掛かったころに

肉体の老化や生活環境の変化など
人生での様々な出来事が相まって

自分の人生はこれでよかったのか?と
自分の人生やアイデンティティについて
改めて問い直したくなる心の状態のこと。

この「中年の危機」で悩むことは
実は、占星術でもちゃんと説明できるんです。

しかも、そこに
「自分らしさ」のモヤモヤを晴らす
エッセンスが隠されているので
今回はその話を主に書いていきますね。

占星術では
天体ごとに「年齢域」というものがあります。

年齢域を簡単に説明すると・・

たとえば、幼少期は月の年齢域で心の土台を作る時期
その次は、水星期で人との関わりやコミュニケーションを育む時期

などのように、それぞれの年代ごとに
主役を担っている天体があるという感じです。

<天体の年齢域のイメージ> 

年齢域の説明:星読みテラスより

このなかで火星期に差し掛かったころ
年代でいうと30代後半〜40代前半
ちょうどその時期に

自分が生まれた時の星たちの配置と
今この瞬間に宇宙を運行している星たちが
葛藤の位置関係(アスペクト)をとります。

特に大きな影響力をもつ
「破壊と生まれ変わり」を意味する冥王星が
もろに関わってくるので
人生を問い直さざるにはいられない
そんな状況になるのですね。

実際、占いに来てくださる方は
本当にこのタイミングの方が多かったのです。

おそらくですが
ひと昔前だと「中年の危機」という
概念すら必要なかったと思うんですよね。

というのも
今でこそ人間は海王星期(85歳〜)まで生きることができますが
昔の人は、土星期(57〜70歳)くらいで亡くなることが多かった。

だから、少し前の時代だと
人生の半ばで「自分とは何か?」という
問いに立ち戻って
自問自答することは少なかったと思うのです。
(その必要性がなかったとも言えるかもしれません)

けれど、今は医療技術の発達や科学の進歩によって
昔よりもだいぶ長生きできるようになってきました。
(江戸時代とかに比べると
大体倍くらいに伸びているらしいです)

土星期をすぎるどころか、木星期、土星期
さらには天王星・海王星の年齢域まで
生きることができる時代です。

こんな風に
人生を長く満喫できるようになった
今の時代だからこそ

冥王星の影響力をもろに受け
人は思い悩むわけです。

「私の人生このままでいいのだろうか?」
「私らしさって何だろうか?」と。

中年の危機でしんどいワケ

少し余談ですが
30歳前後にもサターンリターン「土星回帰」
という人生の転換期があります。

「回帰」という言葉からわかるように
自分の生まれたときの土星の位置に
土星が戻ってくるのですね。

この時期も同じように、
人生の転換期なので思い悩む人も多くいます。

だけど、その時期は「自己の確立」がテーマなので
まだ何とかなるんです。
そのままでギリギリやっていける。

でも、その次にくる「中年の危機」は
冥王星の破壊力でもって
人生を根こそぎ変えようという大きな力が働く

だから、リセット的なことが
起こったりとかするんですね。

たとえば、離婚とか
パートナーシップに強制的に
向き合わされたり

ほかにも、
介護の問題が出てきたりとか
体の不調がでてきたり、子供が巣立ったりとか

ちょうどそんな人生イベントと重なって
「自分って?人生って?」と問い直さざるを得なくなる。

「今のままだと、しんどい。
自分らしさも分からなくてモヤモヤする・・」

そんな風に悩みぬいて
占い師の私のもとを訪れてくれる人たちが多くいたんですね。

一方で、実はそんなに悩まない人もいるんです。
軽やかに人生を謳歌しているように見える人たちもいる。

みんな同じように
「中年の危機」という年代を経過するけれど
そこで「冥王星」の影響力を上手く
自分のパワーにしていく人たちがいたわけです。

じゃあ、そこにはどんな違いがあるのだろうかと
私なりに色々と観察していたのですね。

そんな中で、気づいたんです。

軽やかに人生を謳歌している人たちは
「中年の危機」が来るすこし前
もしくは、ちょうどその時期に

「古いストーリーから、新しいストーリーに更新している」

ということ。

逆にいうと
「中年の危機」でしんどい人は
古いストーリー(生き方)を引きずっている可能性がある
ということでもあります。

ストーリーというのは
その人の生き方のOSとでもいいましょうか。

その人が好んで選んでいる生き方
(人によっては無意識に選んでいるかもしれません)

よく「シンデレラストーリー」といいますが
恵まれない環境の女性が、ちょっとしたキッカケで
成功を掴んだり活躍することをいいます。

こんなに極端ではないにせよ
人は何らかのストーリーを生きている
という考え方です。

・育児・家事・仕事を完璧にこなす生き方
・ひたすら夫に尽くして、受け身で慎ましい生き方
・仕事をバリバリ頑張って、ひたすら成果を出す生き方

など、色んな生き方があると思いますが

たとえば
家事育児仕事を完璧にこなす生き方のなかでは

・それをがんばっていたら、私は幸せになれるとか
・それが私の生きがいとなって、周りからも評価される

というようなストーリーが含まれているわけです。
それぞれの生き方にそれぞれのストーリーがある。

そして
どんなストーリーを生きているか
どんなストーリーを選んでいるかが
「自分らしさ」があらわれているとも言えるのですね。


以前、心理学の先生に教えてもらったのですが
自分が好きな物語は
自分の選んでいるストーリーが現れているそうなんです。

例えば私であれば
「傷ついてる主人公」が描かれている物語にすごく魅かれるんですね。

前回の記事でも紹介した
「ドクターハウス」もまさにそうなんですが
心の闇とか傷とか持っている主人公の物語がすごく好きなんです。

そういうストーリーが好きということは
私自身が、そのストーリーを選んでいるか
少なくともそのストーリーの要素を持っているということ。

だから、好きな映画や物語には
自分がこういう風に生きたいと思ってたり
その物語の中に「その人らしさ」の要素が含まれている
ということなんですね。

中年の危機に「自分らしさ」を深めるには

じゃあ、どうすればいいのかというと

ここまでの流れで
大体予想がつくと思うのですが

「ストーリーを更新する必要がある」

ということです。

「中年の危機」の時期は
冥王星の意味する「生まれ変わり」のとき

つまり
「あらたなストーリーが必要だよ!」を
教えてくれている時期なのです。

「自分の人生って何だろう?」
「このままでいいのだろうか」
という壁にぶちあたったとき

多くのひとは
個人の能力とかスキルとか
性格とかにフォーカスして
「自分らしさ」を深めようとするのですが

だけど、それでは
表面をなぞっただけでしかない。

その人の前提に流れているストーリーを変えない限り
個々のパーツの解像度をどれだけ上げても
根本から変えられるわけではないんです。

だから
時間がたつと悩みがまた出てきたり
モヤモヤが晴れなかったりするんですね。


じゃあ、問題はどうやって
ストーリーを更新していくのかということ。

ストーリーを書き換えるといっても
具体的にどうすればいいのか?
をここからお伝えしていきます。

はじめにお伝えした通り
この問いについては
占星術が大切なエッセンスを教えてくれています。

「中年の危機」で
カギとなっているのは”冥王星”

ということは
この破壊力をもっている冥王星
を何とかすることになるのですが

実は・・

自分のエネルギーを
冥王星に届けるスイッチは
”火星”にあるんです。

だから
火星を意識して使っていくと
最終的に冥王星に繋がっていく
というわけなんです。

火星は外に向かうエネルギー

自分を外に向かって
表現していくことだったり

行動力やモチベーションの
スイッチだったりします。

この火星を「使う、活かす」を
簡単な言葉でまとめると・・

「自分の意見をちゃんと主張する」
「嫌なことは嫌と言う」ことなんです。

案外、シンプルですよね。

火星を活かし始めると
冥王星がビビビピっと共鳴して
生まれ変わりの変化の流れが生まれる。

そのときにようやく
あたらしいストーリーを選び直す準備が整うのです。

「自分らしさ」にスムーズに向かっていけないワケ

ちなみに
火星は「怒り」のエネルギーもあるのですが

私は、セラピストでもあるので
セラピーでよく「怒り」の解放をしていたんですね。

そうすると、みんな
セラピーのあとすごく元気になるんです。
 
おそらく
自分では気づいていないかもしれないけど、
社会の常識とか役割とかのなかで
自分というものをみんな押し殺している。

怒りの解放で元気になるということは
それだけ自分を殺して生きてきた人が多い
ってことだと思うんですね。

それで「自分らしさ」が
余計に分からなくなっていることも
あるんじゃないかなと感じていました。


特に女性は社会で
火星を活かすこと(自分を主張すること)に
慣れていないことが多い。

男性は若い時から社会に出ていくことで
火星を使い慣れてることが多いと思うのですが

女性は、占星術的に言うと
「月」(母、受容)であることを
求められ続けた歴史があります。

母性は崇め立てまられて偉い
子育てもできて当然と思われ、
それをやったら褒められるからやっちゃう。

そんな風に月を使い続けると
火星をどんな風に発揮していいか
分からなくなるんです。

そうすると
太陽もうまく社会に押し出せなくなって
社会性がよくわからなくなっている。

それで、子育てがひと段落して
いざ社会に出ようとするときに、どうしていいかわからない。

実は、火星を活かしていくことは
女性にとっての課題やテーマだったりするんです。

前回の記事でも書きましたが
自分らしさが分からないのがデフォルトな上に
さらに、女性は火星を使っていくこともテーマ

ということは
多くの女性が「中年の危機」で悩むのは
自然なことだなぁとも感じるのですね。


そして、そんなときに大切なことが
自分の感性・心地良さにしたがって
丁寧に「選んでいくこと」だと私は思っています。

いきなり自分の意見を言ったり
「ノー」ということは
少しハードルが高かったとしても

「私は自分でこれを選ぶ」
という意識で物事を選んでいくこと。

日々の生活の過ごし方でも
食べたいものでも
周りの人との関わりでも。

極端な話をすると
自分でちゃんと選んでいるなら

「私はこの人生で自己犠牲をやり切ってみたいと思います!」

という人生もあっていいと思うんです。

そう言われたら、私全力で応援すると思うんですよね
「それいいと思います!頑張って!」って。

それを選んでいくこと自体がその人らしいな、と。

(でも、いつでも引き返していいし、
選び直していいよって付け加えると思いますが。笑)

そんな風に”自分で選ぶ”を繰り返していくと
使い方が分からなくなっていた
火星がうずいてくるわけですよ。

「おやおやおや?
君の本来のエネルギー
出していっていいんだね?」と。

火星を活かしはじめると
冥王星も共鳴して反応するので

「これが一番心地良い、これがしっくりくる」
「私はこれを大切にしたい」が少しずつ出てきて
それが「自分らしさ」に繋がっていくというわけなんですね。

つまり
丁寧に生き方を選んでいくと
自分の未来を描く力が育まれていく。

そうすると
自然と「自分らしい」生き方になっていく
と私は考えています。

まとめ

今回の内容をまとめると

・中年の危機の年代は「自分らしさ」で悩みやすい
 それは占星術でも説明できる
・中年の危機でしんどいのは、古いストーリーのまま生きているから
・新しいストーリーを書き換えるために、火星を活かすといいよ
・火星を活かすのは、そもそも女性のテーマだったりする
・まずは「丁寧に選んでいく」ことから

今回は、「中年の危機」に焦点をあてて
書いてみましたが

実は、私はこの悩みについて
すごく希望をもっているのです。

それは、私が何をしても、しなくても
すでに火星を十分に活かしている女性たち
もしくは、すでに「中年の危機」を経験をしてきた人たちが

「中年の危機」で悩んでいる人を
楽しく引き上げてくれると感じているから。

以前、あまりに「中年の危機」の年代で悩む人が多かったので
その方たちに向けて
ワークショップをやったことがあったのですね。

集まってもらったのは

・「中年の危機」でまさに悩んでいる人:12人
・すでに中年の危機を通過・体験してきた
「中年の危機アフター」のお姉さま方:7人

ここで、色んなワークをしながら
「中年の危機」アフターのお姉さま方にも
実体験を話してもらったり
現在の感覚などをシェアしてもらうパートを設けたのですね。

その姿を目の前で見て、感じると
何が起きるかというと・・

悩んでいる方たちの表情が明るくなっていく。

・自分の意思で選んでいっていいんだ
・私もこうなりたい
・自分のやりたかったこと思い出してみよう

そんな気持ちが生まれてくるんです。

人って、少し先の未来をマジマジと見せられると
すごく安心するんですね。
そして、前に進む力を手に入れる。

だから、きっと私がこうして文章で伝えるよりも
近くにいる「生き生きと活躍している人のエネルギーに触れてみる」
これが一番早いのかもしれない、とも感じています。

また、「中年の危機」WSやってみようかな。。笑

今回もお読みいただきありがとうございました!

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