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#ローカル には戦略が必要だ

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食もライフスタイルも、高いポテンシャルを誇るのはローカルでは?……な思いを検証します。世界を魅了し、TOKYOを凌駕する、そんなローカルを見てみたい。
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街を育ててホテルにする〜西伊豆・土肥のキュートな挑戦

街を育ててホテルにする〜西伊豆・土肥のキュートな挑戦

出版社の編集職を辞してからというもの、「食」をキーワードにさまざまなお仕事に携わっています。
その中でも、ホテルというのは非常にエキサイティングで醍醐味の大きいジャンルです。
だって、ホテルにはレストランもカフェもショップもあり、食からインテリア、建築を含むデザイン、ソフトからファシリティーに至るまでありとあらゆるコンテンツ考案が必要不可欠で、
どんだけ首を突っ込んでも、まだまだ知らないことばかり

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「行きつけのローカル」をつくる

「行きつけのローカル」をつくる

こんにちは。
久しぶりにnote書くのって、ちょっと気合入りますね。
基本的にnoteに対しては、

書きたいときに書けばいいをモットーにしているので、間が空いても特に焦りはないんですが
8月に何をしていたかというと、ものすごく書いていたんです。
大きな「書き仕事」をいただいたおかげで
くる日もくる日も、原稿、原稿。
そうなると、noteに書きたいことだって多々あるのに
結局、キーをたたく手が止ま

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「力になりたい」の始め方〜小田原チャレンジ

「力になりたい」の始め方〜小田原チャレンジ

ようやく、自粛期間がとりあえずの解除となりそうです。
まだまだ、収束までの道は長いとはいえ、ちょっとだけホッ。
ずっと会えなかった人たちの顔が見たい、
自分で注ぐのではなくソムリエに注いでもらうワインが飲みたい、
プロの料理人が作る料理を堪能したい。
そう、

レストランに行きたい!のです。不謹慎と言われても、もう、堂々と言うぞ。
飲食の世界を眺めるのが生業(なりわい)の私にとって
この2ヶ月は、

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ローカルを足せば日本酒はもっとおいしい

ローカルを足せば日本酒はもっとおいしい

台風19号で北陸新幹線が不通になってしまったその前日、
私は出張で小松を訪れていました。
1906年に小松に創業した九谷焼の上絵付けの窯元「錦山窯」が、新たに造り上げたギャラリー「MUTAN」をお披露目してくださるというので、
春からずっと、この日を楽しみにしていたのでした。

一泊二日の予定だった出張は台風の影響で日帰りとなりましたが、
それでも、短い時間にスタッフの方々が詰めてくださった思いの

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映えない旅に萌えるんです

映えない旅に萌えるんです

友人の若きシェフ、大野尚斗さんが、
また旅に出ました。

彼のこと、私は勝手に「流しのシェフ」と呼んでますが(すみません)、
それというのも彼が世界中の至る場所で、あらゆるレストランの厨房にいつの間にかフラッと招かれ、
料理を通じて素敵な交流を続けているからなんです。

「料理界のハーバード大学」と異名をとる、ニューヨーク郊外の調理師学校「CIA」を卒業された大野シェフ(某国諜報機関じゃないですよ

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目下、マイクロ推しで生きてます

目下、マイクロ推しで生きてます

ここ最近、夢中になって読んでいるビジネス書があります。

「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」という長いタイトルの本は、
日本人の女性2名による共著となっています。
小山田 育さんと渡邊デルーカ瞳さんは、「HI(NY) DESIGN」というデザイン事務所を率いるアートディレクターで、
ニューヨークを本拠地に
コカコーラやMTV、国連、DEAN&DELUC

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京都の食を盛り上げる、いちげんさん

京都の食を盛り上げる、いちげんさん

先週、京都・東山にオープンしたガストロノミー「LURRA°」を体験してきました。

7月初旬に産声を上げたばかりの店で、
古い町家を見事にリノベした空間といい、
ワクワクするような京の里山の幸を
斬新なテクニックとセンスでアレンジした料理といい、
フーディー垂涎の店になることは間違いないと思います。
店を開けるまでのご苦労の数々は
この店の共同経営者の一人、宮下拓巳さんが詳しくnoteに記していら

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旅の目的はローカルガストロノミー

旅の目的はローカルガストロノミー

近い将来、

ハイエンドなレストランが、次々と都市部から出て行っちゃうんじゃないかと感じることが多くなりました。
理由は単純。
地名を聞いて一瞬キョトンとするような場所に、
なんだかすごく素敵なレストラン、

ローカルガストロノミーが続々とオープンしている。……ような気がするんです。

お店の方々にしてみれば、
唯一無二の自身の店を、トレンドの一端のように言われるのは心外かもしれません。
(ごめん

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パイは国内じゃない、世界だ

パイは国内じゃない、世界だ

ほんのひと昔前まで、
若い料理人が修業先に選ぶのはたいてい

フランス🇫🇷、またはイタリア🇮🇹でした。
まぁ、当然です。フレンチの本場、イタリアンの本場で実力を身につけて凱旋帰国し、
自らの店を開いて話題になって、
予約の取れないレストランとなり、重鎮シェフへと育っていく……そんな成功への方程式があったように思います。

そんな構図に変化が起こっていると知ったのは、
何年か前に読んだ『Ca

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ファッションが食に“寄せて”きてる

ファッションが食に“寄せて”きてる

平成最後から令和にかけては、刻一刻と

「おしゃれな人」の基準が変わっていく時代になるんじゃないかと考えてます。

今でこそ私は、食をベースにしたライフスタイルの世界で生きていますが、
かつて在籍していたマダム雑誌の編集部では
ファッションのページを作っていました。
食や旅に関わりたいのになんでファッション(怒)、と、
命じられたらやらなきゃならないサラリーマン編集者の宿命に悶々とすることもありま

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『地方人材は東京へ行くべき』は本当か?

『地方人材は東京へ行くべき』は本当か?

先週金曜日、はじめて名古屋で登壇してきました。

テーマは『フリーランスとしての起業』。
これまで大企業からスタートアップ、フリーランスといろんな働き方をしてきた中で感じたこと、考えたことをお話しました。

当日お話したことは下記のモーメントにまとめていただいているので、あわせてお読みください。

(ていうかなぜOGPの写真これにしたし)(もっと「イベントが盛況です!」みたいな写真あったやろ)

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ローカルこそ戦略を持たなくちゃ

ローカルこそ戦略を持たなくちゃ

私は神戸の端っこ、もう少しで三木市、という片田舎で育ちました。

故郷を愛してはいますが、その一方で、
地方の観光戦略に対してどうしようもない歯がゆさを感じることがあります。
それが、

自らを客観視できないままに発する
「ここは本当にいいところ」というセールストーク。

乱暴な言い方をすると(ごめんなさい)、
他方に正面から向き合うことなく(すみません)、
盲目的に自分たちのエリアを世界一だと思

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「豊洲直送!」に私たちが萌えないワケ

「豊洲直送!」に私たちが萌えないワケ

レストランの世界にはトレンドがあり、
さらに、その中にもまた、細分化されたトレンドが存在します。

器、スタッフユニフォーム、サービス、ワイン、内装など、
1つ1つのディテールに
時代の匂いがギュッと詰まっているんです。

そんな時に考えてしまうのが食材のこと。
もちろん、食材にだってトレンドがあります。
アボカド、パクチー、タピオカ、米粉、アーモンドミルク、金柑、熟成肉、甘酒……。
日々、私たち

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ゆるキャラとB級グルメは、もう要らない

ゆるキャラとB級グルメは、もう要らない

地方経済を救うファクターは多々あれど、
やはり食に頼ると強い。
しかし、最近思うのです。

北から南まで、似た戦略が多すぎない?って。
かく言う私も地方出身なので、
静まり返る商店街の寂しさや、盛り上がりに欠ける毎日は容易に想像できます。
でも…………。
仕事でお会いする地方観光局の方々が見せてくださる様々な観光誘致のリーフレットには

・ゆるキャラによる地元紹介
・B級グルメが集合するイベント

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