トスーバの探検記録①

俺の名前はトスーバ。

コヨチ村という村の出身だ。普段は村を発展させるために遠くの島へ素材を集めに行ったり、たまに現れるでかいバケモンを倒したりしている。


そんで今何してるかって言うと…


そう。そのバケモンを目の前にしてめちゃめちゃ焦っている。

あー、どうしよ。めちゃめちゃ吼えてるよ…

俺はとりあえず持っていた獣香玉、まあ簡単に言えば、匂いで相手を惹き付ける玉だ。

その獣香玉を遠くへぶん投げた。

…よし、撒いたな。

今回の目的はこのジンム島に生えている木、ジンムーの木を沢山回収することだった。

ジンム島、人間は存在しないが自然の生物が沢山存在する島。まあ正直木を切り倒すって言うのはあんまり良くないけど、これも仕事なんで許してくれ…

基本的にはそこの島までボートで運んでくれる人がいる。行き帰りはそれを使って…ん?

ボートの人がいない…?

どういう事だ?

これじゃあ泳いで帰らないといけないじゃないか…

とりあえず帰ってくるまでもうちょっと探索するか。



数時間後…




遅い。あまりにも遅い。え?捨てられた?俺、どうしよう。


…ん?あ、この花。薬草に似てるけど…赤い?

俺は持ってきていた【この世の素材っぽいものいっぱい載ってるよブック】を開き調べた。

うーん…あ、あった。

ヒノコ草
太陽に照りつけられる、火を近づけるなど熱を浴びることにより火の粉のような粉が舞う。ヒノコ草自体は耐火機能が存在しており、ヒノコ草が燃えることはない。
最近では火起こしの要になったり、爆弾を作る元になったりしている。

中々危ないな…でもこれで夜は大丈夫そうだな。

ヒノコ草を少し摘み、薪や葉をくべた所にヒノコ草を撒き散らし、持っていたランタンのガラスの表面にヒノコ草を近づける。

アツい!

ふわりと舞う火の粉が肌に触れ火傷チックなことになってしまった。

しかし火は起こった。

…ふぅ、疲れた。俺、裏切られたのか…?

色々な考えが頭を駆け巡る。

こんなときでもアブルア焼きはうまいな…

アブルア
コヨチ村で食用に飼われている生物。脂身が豊富で、若者に人気。


ん?なんか変なうめき声が聞こえるな…

振り返ると、睨み付けていても大きな瞳がこちらを向いている。

さっきの奴だ…!やべえ、逃げないと…


…ない!獣香玉がない!もうあれラストだったのか…

必死に逃げるトスーバ。追いかけてくる大型の獣。


どうすればいい…?

…そうだ!

どうせ死ぬかもしれないんだから、一か八かで!!

トスーバはヒノコ草と草を沢山丸めて、そこにアブルアもねじ込んだ。

ランタンに近づけた後ぶん投げた。

固めた玉はみるみる炎を帯びていき、獣の眉間に直撃した。

獣は倒れた…

多分気絶だろう。しかしとりあえず島さっきの炎の玉に水をかけてその場から離れた。


続く…?





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