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二等親をすべてなくして、心の穴に風が吹く

父が昨年の5月に亡くなって、一周忌が過ぎた
長かった様な、早かった様な
時の流れだよね

時薬って言うけど、時間はいろいろな事を治してくれる
とつくづく思う

実家に住んでいたのは4人で、わたし以外はいなくなった
私には子どもがいないので、二親等の血のつながりのある人間はいなくなった

父の新盆が終わって、秋のお彼岸のころに、なぜか、私の心に風が吹く
なんの風かわからなかった

昔の人はこんな感じで写真撮ったのよね
そして、何かあるたびに記念写真
集合写真を撮っていたのですね

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父は体調を壊して2週間であれよあれよという間に、階段を転げ落ちて行くように、この世を去った
90歳と半年

母は9年前に亡くなった
それから、一人暮らしを6年
3年前には、施設に入った

自分で自分の事をするのは面倒になって来た
今まで、よくやって来たよね
掃除はしないけど、洗濯もご飯も
味噌汁も作って

でも、その事が出来なくなって来た
温めるだけのご飯も面倒になった

一日中何も食べない日も出て来た

ここで、一人で暮らす
できる限りここにいたい。と言う父の願望

もう限界じゃない
と問うと、簡単に
「そうだな」という

相当堪えていたことと、私にこれ以上は迷惑をかけたく無いと思ったのかも


まさか自分が残るとは思っていなかった。あの時はと言った
先に行くとばかり思っていた。と。母が亡くなった時に

去年の5月は父の葬式で、実家(里)に1ヶ月泊まり込んで過ごした
庭の花が、何年も手入れをしていないのに、花が咲く
思わず書いて、お棺に入れたのが、トップのハガキ

主(あるじ)亡き庭を賑わす初夏の花

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四十九日、納骨、新盆、秋のお彼岸と、流れる様に済ませて
11月で半年
その頃から、心に穴が空いた感じ
寂しいとかとは違う

むなしいと言う方がしっくりいくかな
心に風が吹くってこういうこと

何だろうこの感覚

私には子どもがいない
母も亡くなっていて、その2ヶ月前に妹も亡くなっている。
妹には二人の娘がいる
私の姪になるのだが、濃い血のつながりは、彼女らだけなのか

父が亡くなった事で、私の二親等という血縁は誰もいなくなった。と言う事をしみじみと感じた

うざったいと思ったり
面倒だと思ったり
いちいち言わないとだめか

とか、腹立つことも多かった

昔は私の保護者だったのに、いつの間にか、私が保護者になった
施設からの問い合わせに私が返事をしないと、にっちもさっちも行かない

で、いつまでこんな事が続くの?
母が病気になった時に、お前達の世話にはならない
と言ったじゃん

なんて、うそぶく私でした

終わってみれば、確かに私には面倒はかけなかった
寝たきりになったのは、1週間
下の世話は、施設の方がしてくれた
そうか、そういうことか。と一人納得しました

私は自由になった
私の行動を阻止する人はいない
何でも出来る

夫は私を束縛しないし

しかし、どこか風が吹く

なんの風だろうか。と思って過ごして
突然に寒くなった日に

こんな寒くなって、お父さんは洋服出せたかな
とか
ふと思った

そうか、いつでも、どこでも、面倒と思いながら
どうしてるんだろう
もう1週間も電話してないから、そろそろしなくしゃ
と、気にかけていたんだね

多分、父もそうだったと思うけど

そうか、面倒と思っていたけど、なにげにいつも気にかけるという気持ちが無くなったんだ

いつでも、頭の中に、大丈夫かな
元氣かな
ご飯はちゃんと食べたかな
冬服はだしたかな
シャツのある場所はわかってるかな

私の頭の中にはいつも父がいた

なんかわからないけど体調不良の日
調子が悪い
なんて言うと、バカみたいに心配するから言わない

でも、そんな時に電話をすると、父も今日は調子が良くないなぁ
と言う
親子ってシンクロするんだろうか

これで、子どもがいれば、その思いが子どもにシフトしているんだろうな

こういうことも、その場にいるときは気づかない事よね
ある事が当たり前だと、幸せに気づかない

そう、幸せって、してもらったり、なったりする事ではなく
「気づく」
事だって、最近気づいた

そして、すべての事って、気づいたらおしまいと言うか、完成と言うか、納得、腑に落ちる

で、心に引っかかていた物は無くなる

今の私には何も無くなった
だから、自由なんだよ。と自分に言う

何を気にすることなく何してもいいんだよ

いままで、ワクワクする事をしようとすると
誰かが私の行動を阻止するような事が起きた
私自身も親の事が気になったりしたけど、もういいんだよ
もっと、自由に生きようよ
ワクワクする事を追いかけてもいいんだよ
このまま終わらなくてもいいんだよ

今更じゃなくて、今からだよ

と、やっと心の穴に吹く風は止まった。
もう、1周忌もとっくに過ぎていた。



拙い記事を最後までお読みくださりありがとうございます。 お時間ありがとうございました。 まだまだnoteがなんであるかわかりませんが、楽しく書いていきますので、今後も宜しくお願いします