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【796/1096】伝えていないのに伝わると思わないほうがいい

人間には察知能力があるので、自分が伝えていなくても相手に伝わるということがある。

例えば、口で何も言わないが、あの人は不機嫌そうだ、とか。(これは察知してほしくてやってる場合もあるが)
「ごめん」と口では言っているが、ほんとはそう思ってないなとか。

赤ちゃんの時はこの察知してもらうことでお世話してもらっていた。
だからなのかわからないが、「自分が察知してもらいたがっている」ということに無自覚な人はかなりいる。

人の話を聴くということを専門にしてから、5年目なのであるが、このことは自分が聴いてきた話でもかなりの数がある。

「相手から○○と言われて(されて)、自分は□□と思った。そしてそのあと××になった。どうしたらいいか・・・。」

というような相談は多い。
このとき、自分が思った□□を相手にどのように伝えたか?を確認すると、「それは言ってない、伝えてない」という答えがほとんどだったりする。
なぜ伝えないのかというと、(こういうとき、直接「なぜ?」とは聞かない)
「普通、そう思うのは当たり前」のはず。
「相手は自分にそう思わせようと思って言った(した)」はず。
という。

本当にそうかどうかを相手に確認していないので、これは自分の中の妄想になる。
夢で見たのとかわらない。
相手とのコミュニケーションではなく、自分の中の妄想と戦って苦しむことになる。
そして、相手に伝えないことのひとつとして、「相手の答えが怖い」というのも多い。
そうすると、相手の答えをきく前に、答えをほしがることになる。
「普通はこう答えますよね?」
「聞いたらなんて答えると思いますか?」
と他人に確認する。他人は、その相手ではないので、答えをもっているはずがない。
そうすると、世間知にあわせて・・・とどんどん相手からずれていく。

伝えていないことは、伝わらない。
そこを言葉にする努力が、コミュニケーションである。
私は言葉だけに比重を置かないけれども、でも、ここを言葉にして伝えるのはかなり重要だと思う。

そして、相手に伝えてみなければ、相手から何が返ってくるかはわからない。

コミュニケーションは、キャッチボールに例えられることがあるが、
自分がどんな球を投げようとしたか、
自分がどんな球を投げたか、
自分が投げた球を相手は受け取ってくれたか、
自分が投げた球は相手は受け取りやすそうだったか、
相手が自分に球を投げ返してくれるか、
自分は相手からの球をどのように受け取ったか、
などを相手との間でやりとりするのがコミュニケーションである。

それに自覚がないと、
相手は球を受け取っていないのに、球を次々投げ続けたり、
相手が取りにくい球ばかりを投げていたり、
相手が投げてくる球は受け取らないのに、自分が投げ続けた球を「受け取ってくれない!(自分ばっかり!)」となったり、
球を投げてくると思っていなかった相手に、豪速球を投げたり、
といろいろしてしまう。
そして、全部、自分でしているのに、自分のしていることがわからなくなるという蟻地獄ループにおちる。

あまりにわからなくて、とっ散らかっているときは、やはり誰かに聴いてもらって整理してからのほうが、自分のしていることがわかりやすくなる。
人に観て(聴いて)もらうことで、自分が何をしているのかがわかることもあるので。

自分は球を投げないが、相手に球を受け取ってほしいというのは、かなりの夢物語である。
恥ずかしながら、私もその夢はかなり長い間みていたので、そう思いたい気持ちはわかる。
でも、受け取ってほしいなら、まず自分から球を投げないと。そして、相手が受け取るかどうかは、相手次第である。

伝えていないことは、伝わらない。
そう思っておくのが健全である。

では、また。

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