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記憶の中で

恋愛ベタな私が
初めて男性と付き合ったのは
26歳のころ。

友人に誘われて行った飲み会に
その人はいた。

私はお洒落もせず、
普段と変わらない格好で
友人に会う目的で参加した。

私を含めて4人。
会社関係の人だった。

友人がトイレに行くために
席を外すと
その人は私の横に座り
話しかけてきた。

店を出て
帰り際に二人きりで
プライベートな話をした。

誰かと会話する時には
聞き役にまわる私。

彼の話を
ただ聞いていた。

だけど彼もいろいろと聞いてくるので
少しずつ自分の話もした。

そんなふうに始まった私と彼の
付き合い。

もう、あんなふうには
誰かを愛せない。

とても一途だった。

でも、結婚は
それぞれ別の人と。

最後にあの人が
残してくれたのは、
私が前向きに生きるための
形の無い贈り物だった。

今ある「私」は
彼との時間によって形成され
少しずつ形を変えて
変化し続けている。

もしも
もう一度、会えたなら
お礼を言いたい。

今、私は幸せですと
伝えたい。











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