ばかにつける薬(2016年10月)

 漫画「昭和元禄落語心中」の最終巻が出ていたので買ってきて読みまして、面白くってつい思わず一巻から読み返した。

 ネタバレになるので内容については触れませんが、最終巻を読んでつい聴きたくなってしまった噺がありまして。

 えー。

 上方落語に「地獄八景亡者戯」という演目がある。

 人が死んでから、三途の川を渡り、閻魔大王の裁きにあうまでを語る噺で、随所に落語らしいくすぐりを入れつつ彼岸、という世界を描き出している。

 その描かれた彼岸、死後の世界が何とも楽しそうで妙なパラダイス感があり、オチはそんなに面白いモノじゃないけど、クセになって何度も聴いてしまう。

 いわば世界観、設定を語る噺で、これといったストーリーがない。
 対してたとえば「芝浜」や「文七元結」など、きっちり物語になっている噺も落語にはあるのだけれど、そこんところにフィクション、というものについて考えてしまう。

 フィクションには、物語という方向性を示さず、設定、世界観をきっちり作っただけで、その中で受け手を遊ばせる、というやり方もあるんじゃないか、なんて。

 「地獄八景亡者戯」という噺にも、オチはあり、つまり筋はある。そうじゃないと終わらないからね。

 でも僕は「地獄八景亡者戯」の、彼岸、死後の世界について色々と語ってるところが好きで、そこだけもっとずっと語ってくれたら、それこそずっと終わらないくらいに語ってくれたら楽しいだろうに、正直、筋なんてどうでもいいな、なんて思うことがあるし、語られていない世界観を自分で勝手に想像して楽しんだりもする。

 ま、どっちがいいって話でもなくって、色んなフィクションの作り方があるってことなんだけど。ただ、物語がないフィクションって分かりづらいけどね。


 さて。


 では晋遊舎のパソコン誌「iP!」にて連載中「ばかにつける薬」の今月の没ネームを公開します。


 それではいってみましょう!


 ―1本目。

 今月は何だかおっぱいが頭から離れず、だのでおっぱいをテーマにネタ出ししました。馬鹿だね。

 死ぬまで一度もおっぱいに触れることが叶わないのではないか、という不安、恐怖が中学生の頃の僕の一番の悩みでした。おめでたいね、と今となっては言えますが、思春期頃の僕はこう叫ぶでしょう。そんな心無い言葉を吐くような大人になんてならねえぜ!


 ―2本目。

 やっぱり創作って、充たされている人間には必要ないモノだよなってつくづく思う。おっぱいに触りたいのに触れなくって頭がイィーーッッッ!てなってその夜は手慰んで寝ちゃうけど、明けて翌朝やっぱり全然足んないから、漫画なんて書いちゃうんでしょう。暴論?


 ―3本目。

 地球の童貞のみんなよ…!オラに少しだけおっぱい揉みたいっていう欲望の熱を分けてくれ…!

 …って作った、元気玉ならぬおっぱい揉みたい玉を以ってすれば、ベジータはおろか、宇宙まるごと消し去ることができるやも知れぬ。

 ビッグバン。そして新たな宇宙の誕生である…(何の話?)


 ―4本目。

 身体が目当て、という言葉を平気で吐ける人間はまあ最低でしょうけど、たとえ身体が目当てで付き合った相手でもずっと大事にするかどうかは、それぞれ人間性ですよね。

 心と心の繋がりが大事で!などと思ってもいない言い訳をタラタラ垂れ流す奴だってしょーもない訳で。あ、スイマセン、僕のコトです。


 ―5本目。

 女神様が降臨なさったら、自分もご相伴にあずかろうなどと、さもしい考えはせず、清く正しくお祭りしましょう。それがお作法です。



 …といった、おっぱいネーム群を送りましたところ、採用されたのはとっても書き甲斐のあるおっぱいネタでございました。あー、しばらくおっぱい書かなくっていいわ。

 どのようなおっぱい漫画かは、発売中の「iP!」11月号でご覧下さいませ。

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スキスキスーッ!!
30

川村マユ見

北海道民。カレーを愛する漫画書き。ホームページで漫画公開してます。読んでね! → http://mayutuba.g.dgdg.jp

ばかにつける薬

晋遊舎のパソコン誌「iP!」で連載していた4コマ「ばかにつける薬」の過去作品を掲載するよ! こちらの4コマ群はのちのちまとめてコミックZINEにする予定です!

コメント6件

あ、ちなみに地獄八景は絵本で出てますね。昔子どもの学校の読み聞かせで読みました。朝ドラ「ちりとてちん」でもかなり大々的に取り上げられた落語なのでファンは多いかもしれません(o^^o)
そうなんですか!
落語の絵本が色々あるのは知ってましたが、地獄八景のがあるのは知りませんでした!
子供の頃に読んだら、想像力が刺激されそうな話しでいいですね!
ウチの子が分かるようになったら読んでやりたいです!
わざわざすみません!ありがとうございます!
結構、昔に発行された絵本なんですねえ。絵本ってロングセラーのモノはホントに長く読み継がれていますよね。
僕が子供の頃に読んだ絵本が、今の子供にも読まれていてびっくりすることもあります。
この絵本も長く読み継がれているようですね。
探してみよっと!
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