Startup Weekend にて考えたリーダー像

2019年4月13日〜14日にかけて Startup Weekendという「週末の3日間でアイデア発見、チームビルディング、検証、MVP作成、ピッチまでの起業擬似体験を行う 」イベントに参加してきました。そこでの体験が想像していた3倍くらい学びの多いものだったので、自身のためのメモとして、また皆さんにもシェアするためにもnoteを書きたいと思います。

はじめに

今回のテーマは「働き方」でした。働き方改革が上手く進んでいない日本(帰りましょうドローンをオフィスに飛ばすなどの根本解決しないアイデアがガチで出ているそうです…)において、革新的な働き方を提示できるサービスを作ることを目的に、60名近い参加者各人がアイデアの1分ピッチを行い、そのアイデアに共感した人同士がチームを組んで取り組むという流れで進みました。

最終日には先輩起業家や政治家などから審査を受けるピッチコンテストがあるのですが、結果的に僕たちのチームは優勝することができました。

このStartup Weekend の目的は優勝することではなく起業家を生むことなのですが、初日のチーム結成時に「優勝することでの箔は価値あるし、何より優勝するくらい本気で取り組もう」と決めていたので、実際にそれを有限実行できて素直に嬉しかったです。

3日間を通じて学んだ成功へのヒント

このイベントを通じて学んだのは、スタートアップの始め方についての知識(アイデア出し、課題の明確化、検証、MVPなど)よりも、チーム作りやリーダーシップについてでした。

特に最終日のファミレスでの打ち上げにて行なった「それぞれに対する本音のフィードバック」がとても価値あるもので、非常に濃い気付きを得られたと思います。

一方でアイデアの発起人であるリーダーのプロジェクトの進め方やチームのまとめ方なども大変参考になり、それはそれで大事だと思うので別途noteを書こうと思いますが、そのノウハウだけでは良いチームは作れないし良いリーダーにはなれないと気付かされました。

重要なのは「リーダーとは何かを真に理解すること」や「自分に合ったスタイルのリーダー像を知ること」である、というのが僕の今回の最大の気付きです。

イベント参加前のリーダーのイメージ

この Startup Weekend に参加したのは自身が持っているアイデアを検証する前の段階で、一度インタビューなりチームリーダー(いわゆるCEO)なりを経験しておこうと思ったからです。

後から考えると、自分がリーダーに向いているかの自信がないからこその行動だったのですが、そもそも僕がイメージしていたリーダーとは「みんなのまとめ役」や「メンバーの中心にいる人」のような漠然としたものでした。つまり「よく分かっていない漠然としたイメージの人になれるかな」と考えていたので、今となっては「そりゃなれっこないよね」という話ですね。

自分は失敗を恐れていないと思っていた

リーダーや創業者というのは何よりも「失敗を恐れずに、もし失敗しても諦めずに挑戦すること」が大事であるとも思っていました。なので自分も「たとえ失敗して周りから笑われたり、冷ややかな目で見られても、くじけずに挑戦しつづけるぞ」と思っていました。自分は失敗を恐れていない人間だと思っていたわけです。

しかし、この「くじけずに」という考えが浮かぶ時点で、実は深層心理では失敗を恐れているのだと気付かされました。どういうことかと言うと、本当に「失敗を恐れない人」というのは「失敗してもそもそも凹まない人」であるということです。周りから笑われようが、冷ややかな目で見られようが気にしない(くじける余地もない)くらいの心理なのです。それくらい「絶対に成功するまで諦めないし、途中の失敗など周りからどう思われようが屁でもない」と思っていると思います。だからこの「くじける余地もないくらい失敗を恐れないこと」が、成功するチームを作るリーダーには必要なのだと思いました。

フィードバックを受けるのさえ怖かった

今回、チームとしては優勝できたし、自身もプロダクト作りという部分で強みを活かすことができたけど、チーム作りやプロジェクトの進行においては十分にリーダーシップを発揮できなかったと反省していました。

チームのリーダーがやった行動・指示を見て「なぜそれを今やったのか」という部分は理解したり察せられたと思います。けど「もし自分がリーダーだったら、さっき同じ発言や行動ができただろうか」と考えると答えはNoでした。だから最終日のファミレスでのフィードバック会の時に、誰からみても誉める点しかないリーダーたちがフィードバックを受ける横目に「自分は自分自身で見てもダメな点が多かったから、周りからのマイナスのフィードバックが多いだろう」と思っていたため、フィードバックを受けるのが正直怖かったです。

けど、本当に人生を変えたかった。自分を変えたかった。そして会って3日しか経ってないけど本音で語り合えて、優勝という1つの形を手に出来たこのチームの皆んなだからこそ、フィードバックを貰いたいと思いました。

シャツとジャケットを脱げ

貰ったフィードバックは、まず良かった点として「なぜ?誰のため?を突き詰めていた点」や「デモ動画の作成などの技術力」が上がりました。

そして改善すべき点としては「完璧主義を捨てろ」「評価が減点式である」「誰もマツタクのことをどうとかそんな思ってないよ」というものでした。減点式の自己評価という表現は初めてだったけど、完璧主義とか自意識過剰という点は過去にも指摘されたり、ネットの記事を読んで自分もそうだなと思ったことがある点でした。でもフリーランスになってここ一年はそういう意識が薄れていたため改めてハッとさせられました。

また「シャツとジャケットを脱げ」とも言われました(3日間ずっとこのファッションスタイルだった)。これは硬いイメージがあるという意味でもあると思うのですが、周りからの良くみられたい、できる人と見られたいという、先ほどの完璧主義の心理がファッションにも出てるよという意味だったのだと思います。

僕はFacebookやTwitterのプロフィールに大企業に勤めていることや肩書きを書いたり、成功者や著名人との繋がりをアピールする人たちが嫌いでした。

一方で自分は国立大学を出たけど卒業後に大企業に就職しなかったし、かと言って起業して成功したとかインフルエンサーになったわけでもないから、誇れるキャリアがずっと〇〇大学出身止まりなのがコンプレックスでもありました。

実は自分こそが周りから良く見られることに一番拘っていて、だからそこまで肩書きや俺すごいぜアピールに反感を覚えたのだと思います。

この「周りから良く見られたいんだ」という深層心理が、休日でもシャツにジャケットというファッションスタイルをさせていたのだと思います。それによりメンバーとの距離が埋まらなかったり、孤立しやすくするのだと思います。

だから「シャツとジャケットを脱ぎ、もっと自分が弱いところを周りに頼りなよ」とアドバイスを頂きました。この点も今後は気を付けようと思います。

ピザの時はリーダーでしたよ

一方で別のメンバーからは「ピザのときのマツタクさんはリーダーでしたよ」と言われました。ピザの時というのは Startup Weekend の初日にアイスブレイクとして行う、2つのキーワードから社名・ロゴ・サービス内容を10分で考えピッチするというゲームにて僕らのチームがピッチした時のことを指しています。

僕らのチームは「ピザ」と「ドローン」という2つのキーワードから“ピザロット”という体の不自由な人が在宅ワークとしてドローンを操縦してピザを届けるというサービスを考えました。

ピッチはリーダーの外国人、僕、そしてフィードバックをくれた彼の3人でパートを分けて行なったのですが、最初に発表したリーダーが外国人らしいカタコトな日本語でピッチをしたので、2番手だった僕はとっさに「日本人の僕が同じくカタコトで話したら面白いかも!」と思いつき、実際にやってみました。カタコトというよりラップ風な口調に捉えらえられてしまったようですが、これが結構ウケました。そして3番手である彼もそれに続いてラップ調でピッチしてくれて会場はさらに盛り上がりました。その時の彼が「あの時のマツタクさんはリーダーでしたよ」とフィードバックをくれたのです。

このピザの時は「どうせアイスブレイクの10分のゲームだし、アイデアもピッチも失敗してもいいじゃん(もちろんウケることやアイデアが評価されるのは嬉しいという心理で)」と思ってやっていました。その心理が自然体な自分と、今を楽しもうとする自分を引き出して上手くいったのだと思います。だからこの感覚を人生という本番環境でも思えることこそが、僕がリーダーになる上で大切なことだと思いました。

過去の成功体験もピザの時と似ていた

この29年間の人生を振り返ってみると、僕がうまくいった(いわゆる成功したと言える)時はどれもこのピザの時と同じような感覚でした。

例えば高校の陸上部で会場に手拍子を求める三段跳びのパフォーマンス(この時は県で優勝できた)や、高校卒業時の在校生へのスピーチがすごく盛り上がったこと、そして「過去にうまくいったことがない」と言われた文化祭でお化け屋敷をやって上手くいった時はどれも近い感覚でした。

特に文化祭は代表ではありませんでしたが、不思議なほどクラスのメンバーが僕を頼ってくれたし、代表者からも「頼りにしている」と言って貰えたし、何より全員が一丸となっていた。そして僕自身もその活動自体を楽しんでやっていて、リーダーがどうとかはあまり考えてませんでした。

余談ですが成功体験が高校止まりで大学〜社会人がすっぽり抜けているのでそろそろ社会人でも成功したい(笑)。

リーダーの5タイプ

リーダーには5つのタイプがあるといいます。3つだとか6つだとか言う意見もあるけど、まぁだいたい5つくらいに分けられるそうです。だから今回の優勝チームのリーダーを必ずしも自分が全て真似る必要はなく、必要なことは吸収しつつ自分に合ったリーダー像を目指せばいいということも、メンバーから言ってもらえました。

ググってみるとリーダーのタイプについて以下のような記事がありました。

リーダーには次のタイプ(型)があるらしい。

- ビジョン型
- コーチ型
- 目標達成型
- 民主型
- 集団維持型

各タイプの特徴は参照記事に任せるが、今回の優勝チームのリーダーは「民主型のリーダー」だったように思う。設定する課題も、アイデアも、リーダー自身のそれに固執せず、全員の意見を深く聞いていた。

逆に自分はどのタイプが一番あっているだろうと考えると、どちらかと言うとビジョン型だと思う。

チームにおける目標や将来的なビジョンを積極的に伝達し、そのゴールに向けてチームを引っ張っていくタイプのリーダーです。リーダーとして必要な行動を率先して行うことで、メンバーから信頼や信用を集め、結果的に組織全体を引っ張っていく結果につながります。トップの考えや人柄から組織を惹きつけていくので、リーダーシップの中でもとくにカリスマ性が高いタイプと言えるでしょう。

人柄が良いとか、カリスマ性が高いとかは全く思わん(笑)が、高校の文化祭の時は「成功させたい」という気持ちが強かったし、一度なーなーになったものの、最終的に皆が自主的に動いていた。他の成功体験は個人でのプレーが多かったので、あくまで「どちらかと言うとこれかな」という感じだ。

一方でビジョン型には以下のような短所もあるそうだ。

・リーダーの考えにブレが出たり、不信感が高まったりすると、一気に組織が崩れる危険性がある

これは凄い納得する。周りに流されてやった体育祭の団長とか、本当はやりたくない学生連盟の大会の担当とか、途中から参画したカフェ起業とか、どれも自分が実はやりたくないから明確なビジョンも意思もないし、行動もそんなにできないし、どれも上手くいかなかった。周りからの不信感も高かったかと思う。

だから大学卒業後に院を辞退した時に決意したように、今後もやりたいことをやるし、そのやりたいことで社会をどうしたいのか、どんな世界になったら良いと思うのか、そのビジョンを明確にして、それを周りにも発信していこうと思う。

リーダーにならざるを得ない環境に飛び込め

これは今回の優勝ピッチをした大学3年生からもらったフィードバックだが「強制的にそうならざるを得ない環境に自らを置いた方がいい」という何とも叩き上げのビジネスマンのようなアドバイスをくれた。

彼自身も今回 Startup Weekend に参加するか迷ったそうだが、上記の「強制的にその環境に飛び込む」ことを意識して参加を決めたらしい。みんなが言っていたが、この3日間で彼は目つきが変わっていて、この Startup Weekend に飛び込んだことで確かな成長を掴んだのだと思う。

「リーダーになれるかな…」とか「みんなを上手く引っ張れなかったらどうしよう…」とかを考える余地もなく「リーダーにならなきゃならない、なるんだ」という状態に強制的に持っていくくらいが丁度いいらしい。

今回、僕はリーダーやCEO的な役割をやってみたくてHuslerとして参加をしたもののピッチしたアイデアに人は集まらなかった(というか働き方を変えることに興味はあったけど具体的なアイデアもないまま流されるようにピッチをしてみただけなので、ピッチ後に自分自身でもアイデアに納得してなかった)。だが次に「このアイデアを実現したい」「この課題を解決したい」という明確な物が心に浮かんだとき、ビジョン型としてありたい姿を強く発信しつつ、リーダーをやってみようと思います!

繰り返すがその強制的に持っていた状態でやってみる中で、「失敗してもいい」と心から恐れずに思えているかが大事です。

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