おさかな地獄

おさかな天国という曲を皆さんは知っていますか?
さかなを食べると頭が良くなり体にいいという、あの曲です。
では、おさかな天国があるというならば、 おさかな地獄というところがあって当然ですよね?
今日は、 おさかな地獄について知っていきましょう。
何せおさかな地獄はおさかな天国とは真逆の世界ですから、食べると体に悪い魚に溢れています。
つまり、 ほぼ毒です。 おさかな地獄には毒魚が大量に放りこまれます。
何だったら食べずとも、触れるだけで猛毒に侵される魚がそこにはいます。
これは地獄ですねえ。
しかも、頭が悪くなるというおまけまで付いてきます。
触れただけで知能が低下していくという毒、 結局これが一番怖いのです。
そのうち、 貴方は毒なのか毒じゃないのかの区別さえ付かなくなっていきます。
そして、わけもわからず貴方は毒魚をむさぼり始めるのです。
更に知能も体機能も低下していく一方・・・・・・ そんな無間地獄を味わい続けるのが、おさかな地獄なのです。
どうですか? 怖くなってきたでしょう?
これを地獄と呼ばずして何と呼ぼうか。
地獄とは他者のことであると人は言いますが、 このおさかな地獄では他魚こそが地獄であるというわけなんですね。
体が破壊され、 脳が破壊され、その果てにたどり着くものは確実な死です。
まあ、 苦しまずに逝けるわけですから、その点はある意味天国と呼べるのかもしれないのは皮肉と言えるでしょうね。
最後にはただ一心不乱に毒魚を貪るだけの存在になるわけです。
その様はさながらゾンビにも似て、 本能に従うのみの存在に成り果てる。
結局、何が一番怖いかというと、 理性を失った人間が一番怖いということです。
そして、 人間をそういう存在にしたらしめる、 おさかな地獄の毒魚たち。
人間にとっての悪意しか感じられぬその生態、 ああ悪意! 地獄とは悪意に満ちた場所なのです。
さかなを食べると、頭も体も悪くなる世界とは、 斯くも残酷であることか。
さかなを食べると、頭も体も良くなる世界に生まれて良かったですねえ。
この世界はまさに、 おさかな天国と言えるのですね。
さあ、みんなでさかなを食べよう。
さかなは僕らを待っている。
否、待ってなどいるものか。 おさかな天国という曲は人間側から見た都合の良い解釈に過ぎない。
人間の食卓に並ぶ現状こそ、 おさかなにとっては地獄であるのかもしれない。
天国の隣にこそ地獄は鎮座している。 努々忘れること勿れ。

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