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創作のかけら:「白状と、薄情」裏

なんで怒らなかったのかって、誰でも良かったのよ

🟥

「私ね、小さな頃から、とっても、おませさんだったんです。すぐ人を好きになっちゃうの。
で、好きになったらそれを言わずにいられないの。一体今までに何人に伝えたか、もうわからないわ。

でもね、みんなに振られちゃった。
だあれも、私のこと、受け入れてくれなかったのよ。
途中までは平気だったけど、流石に段々、泣けてきちゃってね。

あ、広瀬くんはね、私に興味を持ってくれたの。
奇特な人だなぁ、きっと貴重なんだろうなって
思ったから、「じゃあ、お試しで」ってお互い了解して少しお付き合いしてみたの。

でもね、悲しいくらい噛み合わなかった。
手を繋いだのだって、別れた後の文化祭のダンスで初めて、だったのよ。
お互い顔を見合わせて、苦笑いしちゃったわ。

で、そうこうしてるうちに、1999年の7の月が近づいて来たの。
知ってるかな、世界が終わるってやつ。
私ね、あれ、信じてたの。本気で。
おかしいかしら?
そうよね、周りにも本気で信じてる子なんていなかったわ。
でも、私は本当に世界が終わると思ってた。
自然に終わらなくたって、きっと誰かが終わらせるんだと思ってた。

宮沢賢治の銀河鉄道の夜に、
さそりの話があるでしょう。
私、あのさそりのような、後悔はしたくない。

せっかく生まれて来たのに、むなしく命を捨てるなんて、絶対にいやだと思ったのよ。

自分から好きになった人からは受け入れてもらえない、という星のもとに生まれたのだとしたら、
もし、次に私のことを『好きだ』と思ってくれる人が現れたなら、
その人に私をあげてしまおう。
私の存在を使って、誰かがいくらかでも幸せな気持ちになれるのなら、くれてやろう。
そう思ったの。

そして、本当にそれを実行してしまったの。

正常じゃなかったのね。
きっと、狂ってたのね。


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