短歌日記(6/10~6/16)
6月10日(月)
朝から病院、広すぎて迷う。病院の先生、看護師さん、医療事務の方、清掃の方、大勢がこの大きな生き物の一日を動かしている。
それぞれの役目を果たす梅雨寒の待合室でB01となりて
6月11日(火)
友だちに手紙を書く。いわさきちひろの絵の入ったうすむらさきのふちどりの便箋。なんども彼女の存在に救われて、気づけば10年目の文通。
炭酸水、蛍、鴨川、白いシャツ 生き続けるため星にしたもの
6月12日(水)
新しい麦わら帽子で開館時間に図書館に行く。朝の道を歩くと生きてる実感がわく。
ひとはひと私は私はじめから日焼け色した麦わら帽子
6月13日(木)
2か月ぶりに髪を切る。もうちょっと切りたかったけどなんとなく言いだせなかった。夕方、昔お世話になった人がちょっとしたことで連絡をくれた。
「似た人をみかけたもので」金色の文字なぞりつつ踏切を待つ
6月14日(金)
父にメールをすると日本海から返信がきた。元気そうでうれしい。午前中喫茶店へいく。最近どこにいくにも紙の束を持ち歩いてる。あと少し。
まっすぐに生きたかった高校の窓からみえる高速道路
6月15日(土)
朝から雨。7時半に喫茶店でモーニングを食べながら作業。帰宅してからも続ける。出来ることをやってるつもりだけど、どれだけやっても足りない気がする。
雨粒が傘に弾かれささやきぬ「だめかもしれない、だめかもしれない」
6月16日(日)
夢をたくさん見る。朝、7時半から喫茶店。午後も家で続けてやっと書き終わる。友達に送る。くたくたで何も考えられない。
満月が近づいている身体中の窓いっせいに夜を取りこむ
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