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1月9日「いいものあげると言ってきた人」

連休中、或る観光施設に足を運びました。
その土地の歴史を知ることができる展示がたくさんあって、
気づけば一般的な滞在時間の2倍以上いた気がします。苦笑

帰り際、スリッパから自分の靴に履き替えていたら
受付にいた高齢男性に話しかけられました。

「どうだった?楽しめた?」

「はい、見どころたくさんあってすっかり長居しました」と答えると、

その男性は私の目をじっと見て、手まねきを始めたではありませんか。


え?

もう帰るところなのですが?
(既に靴を履いていた)

「僕、この施設の管理人なんだけどね、
そんなに興味を持ってもらえたなら、いいものあげる」


えー?


分かります?
真意を測りかねる不思議な空気。


えーっと、ここからさらに長くなるのはちょっと予定が・・・
でも、相手は目を輝かせている・・・

なんだか面倒なことになったかな・・・

いや、まあ、純粋に楽しくて長居したのは事実だったのであって・・・

案外こういう出逢いが休日に彩りを添えるのかもしれない・・・
Noteのネタになるのかもしれない・・・笑
いや、でも、次の場所に行きたい・・・うーーーーん


結果的に、圧に負けて、私はもう一度靴を脱いで、元来た道へ。



管理人さんは私を引き連れて別の部屋に行きました。


「これね、大学の先生方がまとめてくれた資料」


そう言って、管理人さんは大量に印刷された用紙から
1枚私に差し出しました。


その時です!

私は見逃しませんでした。
彼は、指をペロッとなめてから紙を渡してきたのです。


あー、スーパーのレジ袋とか、指がカサカサの時に、分かるよ―、
でも、コロナ禍ですし、人に渡すものにペロッはダメですー、
おじさーん。泣


その印刷物は複数枚あったので、ペロッは合計4回。


もう、内容よりそちらが気になってしまって。
昔はなんとも思わなかったのに、潔癖症になったな、自分。


いやいや、とにかく、この対面状況はいつまで続くのか。
何か説明などが始まってしまうのか。


ビクビクしていましたが、その用紙を渡されたらお役御免となりました。

「帰りの電車の中で読んでね」

やっぱり男性の顔は嬉しそうに輝いていました。
私が去った後も、いろいろな方に話しかけていました。

素敵なコミュニケーションだし、実際に資料読んだら面白そうだったし、
でも現代の人との距離感の正解ってどこにあるのでしょうね。
手招きされたときと「いいものあげる」と言われたときに
ちょっと冷や汗が出たお話でした。


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