Legacy of the Dragonborn AE contents mergedの削除について
わたしのSkyrimのModがNEXSUSから削除された件で、自戒を込めて記録しようと思います。
ことの発端は、Skyrimの有名Mod、Legacy of the Dragonborn(以下、「Lotd」)の公式プラグインの一つであるLegacy of the Dragonborn - Creation Club Patch Hub(以下、「Lotd CC パッチ」)の開発に着手したことから始まりました。
Lotdは、Skyrimの中に博物館を設置するModで、ゲームの中で収集したアイテムが、この博物館に表示される人気Modです。
Lotd CC パッチは、Skyrim AEで追加されたコンテンツに対応するLotdの公式パッチですが、2020年に発表され、2022年の更新を最後に更新が途絶えていました。AEコンテンツのプラグインが80を超えていたため、Lotd CCパッチもプラグインが80を超え、さらに修正パッチを含めると100を超えるほどになっていました。
Lotdは、Lotd CCパッチとは別にもう一つの公式プラグインがあります。Legacy of the Dragonborn - The Curator's Companion(以下、「TCC」)です。TCCは、博物館に表示できるアイテムをゲーム内で取得すると通知をしてくれるModですが、このModもAEコンテンツが80を超えているためプラグイン数が同じ数だけ増えていました。
つまり、Lotd CCパッチとTCCを合わせると150を超えるプラグインが追加されることになるのです。Skyrimの追加Mod数はespというプラグインなら255までですが、これらのプラグインはeslフラグが立てられているから4028まで導入できますが、そうは言ってもあまりにもプラグインが多すぎてLotdを導入すると管理が煩雑になっていました。
そして、もう一つの問題がありました。プラグインの翻訳の問題です。Skyrimは海外のゲームですから当然英語表記になっています。そのため、Lotdを使うためにはプラグインの翻訳作業をしなくてはなりません。もちろん、プラグインは一つ一つ手作業での翻訳になります。
そこで、わたしは、Lotd CCパッチとTCCのプラグインすべてを合体させて一つのプラグインにしようと考えました。プラグイン同士を合体させることをマージと呼んでいますが、このマージは意外と難しかった。それはTCCの仕様にありました。TCCの通知機能を有効にするには、追加されたプラグインとTCCのプラグインをそれぞれ独立した別のプラグインにする必要があったからです。そのため、最初にマージしたわたしのModは機能せずに失敗しました。
ところで、わたしには別のLotd関係のModがありました。Unofficial TCC for me(以下「UTfm」)です。こちらのModの方が、公表が先でしたが、Lotdの非公式コンテンツであるLegacy of the Dragonborn Unofficial Unslaad Patch、Midwood IsleのLotd対応プラグイン、Legacy of the Dragonborn - Hall of ForgottenにあるNarrative Loot対応パッチの3つにTCCを対応させるパッチです。このパッチを見ながら、わたしは、Lotd CCパッチを統合して2つのeslプラグインを、TCCパッチを統合して一つのeslプラグインを作ろうと考え、初期テストは無事に成功しました。150を超えるパッチを3つにマージする結果となりましたが、わたしは十分に満足しました。
それに加えて、TCCにはもう一つの問題がありました。SkyrimのModをゲーム中に変更する機能をMCMといい、これには英語以外の言語に対応させる多言語サポートがありますが、TCCのMCMには多言語サポートが組み込まれていませんでした。そこで、マージした過程に合わせてTCCの多言語サポートも組み込もうと考えました。これも、英語表記の全てを変更できませんでしたが、90%以上翻訳することができました。
長々と、話をしてきましたが、ここからが今回の削除の本題です。Nexsusには、サブスクリプションして集めた収益の一部をMod製作者に還元するという制度があります。そこには、権利許諾の項目があり、他のModの資産を利用する場合についての規定が定められています。わたしは、何の考えもなしにチェックして寄付を受け取ることにしてしまいました。これが今回の問題の最大の原因となっていました。
この寄付を受け取る権利は、ダウンロードしてから4ヶ月後にNexsusから付与されますが、Lotdのチームは、UTfmを公開してからわたしの動向をチェックしていたようです。チームと書いた理由は、Lotdには権利保護に関する担当者がいるようで、わたしの他にもModを取り下げられた製作者がいたことを耳にしていたから、噂レベルには知っていました。UTfmは、Lotd非公式パッチも混じっていたから、どうやら黙認してくれていたようです。
ちなみに、UTfmが得た権利は、約6000DP。1000DPが1ドルだから、2024年2月現在で1000円程度になります。これは、4月頃に受け取れる予定だったのですが、UTfmが削除済みなのでこの権利は他のMod製作者に渡されるはずです。単純にユニークダウンロードを足してもらえれば計算できるので、わたしのModを見てもらえれば残りのDPを計算できると思います。
今回、わたしがアップロードしたLegacy of the Dragonborn AE contents mergedは、すでにマークしていたLotdチームの担当者には見過ごせない事実だったようです。そのため、彼らの申し出で、このModはNEXSUSから削除されることになりました。担当者とのやりとりはこんな感じです。
日本語に要約するとこうな感じでしょうか。
そのため、UTfmも含めて、わたしのLotd関係のModは削除することにしました。UTfmのファイルの一部はこの記事の下にアップロードしましたので使ってみてください。権利許諾が不明なNarrative Lootについてはアップロードしませんが、個別パッチを作るためにヒントを書いておこうと思います。
TCCパッチを作るには、追加コンテンツのプラグインとTCCパッチのプラグインを分離しなくてはいけません。だけど、追加コンテンツのパッチごとに作る必要はなく、追加コンテンツ用のマージプラグインと、TCCパッチ用プラグインの2種類を作ると言う意味です。
TCCパッチの構成は非常にシンプルで、追加コンテンツのプラグインから博物館への通知クエストを送信し、受信側であるTCCパッチのFormlistに格納されたオブジェクトリファレンスを読み込み、ゲーム内に通知させるというものです。Lotdのチームの技術力が優れているので、構成さえ理解してしまえば、素人Modderでもscriptの編集なしsseeditだけでModを作ることができます。
わたしがNarrative Lootで行ったTCCパッチの修正方法は、送信側のクエストを受信側のTCCパッチに組み込むというものでした。つまり、Narrative LootのLotdパッチには、送信用のクエストがなかったので、TCCパッチに組み込んであげたのです。わたしの予想通り、Narrative LootのTCCパッチは機能しました。作ろうと思えば簡単に作れますが、Lotdからは手を引くと伝えているので再度作成はしません。ご容赦ください。
長々と書いてしまいましたが、権利許諾には関する反省も込めて経緯残すことにしました。Midwood IsleとUnslaadの2パッチだけはアップロードしておきますね。この二人のパッチは、Narrative Lootよりもはるかに簡単で、sseeditを見比べてもらえれば、誰でも作れるものです。Modというのもおこがましいですが、どうやら需要があるようなので、こちらにアップロードしておきます。
元々は、Skyrim SEのアップデートで1.6.113に更新されてMod開発が頓挫したので、Mod製作をやめようと思って、自分用に作っていたリソースをModとしてアップロードしたのが始まりでした。製作者としてはどのようなものであっても生み出したModは我が子も同然に愛おしいものです。それは、Lotdチームにも言えることでしょう。今回の件で、今度こそMod開発やめようかなと思っていたのですが、新しいModのアイデアが浮かんでしまったので、当分はMod開発を続けていこうと思います。今後とも、わたしのModをよろしくお願いします。
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