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詩のまとめです。暗いの多め。
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2014年4月の記事一覧

流星エコー:詩

流星エコー:詩

静かな夜に窓を開けて眠りにつこう
聞こえてくるのは流星エコー

泣き出しそうだった昨日はもう夢に変わった
今はすべてが途切れた後の安らぎの中
ふりそそいだ流星が散らかっているような
少し優しい夜の中

きっと明日は悲しみと寂しさとほんの少しのぬくもりでできていて
そんな明日がずっとずっと続いていく、
そういう夢を見た

鳴り響いたのは流星エコー
少しだけ優しくなる世界
窓の下、眠る僕

夜明けは、

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しにいたるやまい:詩

しにいたるやまい:詩

小さな部屋の隅っこで膝を抱えて考える

死にいたるやまい、
その名はきっと退屈とか逃避とか諦観とか
ひどく日常的でどこにでも転がっているようなものなのでしょう

少し深爪をした指を噛む
薄紙一枚向こう側の現実というものに手が届かなくなって久しい

結局僕には何も成すことなど出来なかったのです
少しだけ錆びた指先
さよならを告げる相手など必要ありません

ああ、僕にはこの両腕で抱え込める世界だけで充

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さよならパレード

パレードが街の真ん中を進んでいく
鳥風琴、バイオリン、太鼓の音
オレンジ、青、金色、きらきらと
色とりどりの紙吹雪

ピエロはおどけて帽子の中のウサギと笑う
楽器の音が空に昇って
誰もいない大通り
賑やかに賑やかにパレードは進む

「神様が死んだんだって、」

誰かの言葉

笛吹きの笑い声

沈む太陽
オレンジの景色
パレードはいつまでも止まらない

僕はその一番後ろ
神様のいない世界を振り返る

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レゾナンス:詩



空から透明な結晶が降り注ぐ

祝福の鐘が聞こえる
死んでいくものたちのために鳴り響く

うつくしい言葉たちが散らばっている
宇宙の果てでは白が交わる
そこらじゅうには終わりが転がっている
僕は目を閉じて君を探す

凍てついた景色
深夜の静寂
消えていくことが正しいせかい

雪にうずもれたまま
それでも笑える僕は、

(そこにあるのはすこしの希望と、すこしの絶望と、圧倒的な欠落)

無題:詩

無題:詩

真っ白の部屋の中で
息ができない僕はあがいてる

それはあまりに唐突な

どれだけ探してもどれだけ泣いても君はいない

なんでなんでなんで

もう君の名前が呼べないのは
きっと君が僕の喉を切り開いていったからだ

どうして、どうして
こんなにもはっきりと覚えているのに
もう2度と目の前には現れないのだと

僕は泣く
真っ白の部屋のなかで転がったまま
僕は泣く

僕は泣く

リミット:詩

リミット:詩

息が出来なくて逃げ出してく
足元にぱっくり開いた穴
少しずつ神経を齧っていく不安
両手で耳を塞いでうずくまった

スピーカー
残響
聞こえない声
探せない僕

見えないなにかが指の隙間から零れ落ちてく

大丈夫と言い聞かせることで乗り越えられる夜はあといくつだ