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春の訪れ

外が少しずつ明るくなっていく

僕を包み込んでいた季節は遠ざかり、光が僕を刺し貫く


空は晴れ渡る。小鳥は歌う。空気は生ぬるく。

僕はまた死にたくなる


白のかけらも残さずに世界はこんなにも鮮やかだ


ねえ、どこに行ってしまったの

もう還らない季節に手を伸ばし

僕はおかしくなっていく


行かないで、呟きは消えた

さようなら愛しい僕の冬