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第2回 航空機内医療 ~本当に必要?~

前回の記事では、ボヤっとした自分の思いに加え、小難しい法律的側面について書かせていただきました。なんだか振り返ってみると、ずいぶんと稚拙で読みづらい文章だなぁと反省しつつも、自分らしい日記だなーと思いました(笑) 書くのはPCが楽ですが、読む人の大半はスマホなわけで、適切な改行や行間ってどのように工夫したらいいんだろう?って悩んでいます!
それでは、第2回もよろしくお願いします。

【ホントに必要なのか?
発生件数をふまえた統計学的アプローチ?!】

随分と大それた表現を用いてしまいましたが、医師になってからまともに統計学を学んでいない私が書いたもの、とお許しくださいませ。
いろいろ文献を漁ってみますと、はじめに16年前の論文と出会いました。この論文では、当時の航空機内医療の状況や機内の設備、地上との連携システム(MedAire社というアメリカ・アリゾナ州の会社との連携。Medlinkという24時間体制で様々な記録をしたり、必要に応じて専門医のサポートを受けられたりするサービスです。)などがまとめられており、当時ではかなり新しい情報が盛り込まれていたんだろうな~!当時読んでいたら衝撃だったろうな~!(小学生だけど!)と思いました(笑)

そこで統計ド素人の私は、この16年前の論文に記載された数年間のデータからはじき出される"1000便あたりの機内救急患者の発生率"を用い、2016年8月のJALのフライト数と掛け算する、というなんともpoorな試みをしてみました!(笑)

すると、あらびっくり(?)

国内線:20.3049件 / 月
国際線:24.1340件 / 月

思った以上に多くないでしょうか?たしかに無茶苦茶な計算式なんですが、実は2013年にNew England Journal of Medicineに掲載された論文でも、2008年1月から2010年10月末までの間、アメリカの5つの航空会社の便に搭乗した乗客7億4400万人に対して、機内医療緊急対応を要した患者数は1万1920例、頻度は604便に1件だったとのことでした。また、計算してみますと

患者さん目線(ドクターコールする確率):0.0016%
医療者目線(救急患者が発生する確率):1.66件/1000便

これも90年代の発生率と大差ないため、案外アヤシイ計算も大きくズレてないかも?!(国が違う、医師が乗る確率を計算していない、などはとりあえずお許しください泣)
なお、先の論文では国内線なら1000便に1回、国際線なら200便に1回の発生率とのことで、勿論すべてに医師の介入を要してはおらず、ドクターコールを要したのが709件(国内線485、国際線224)で、医師の介入件数が438件(国内線297、国際線141件)と、61.8%も医師が介入して(手を挙げて)ました。やっぱ医師は黙ってられないですよね!?

ちなみに、救急患者と一言にいっても千差万別で、ほとんどの方は医師の介入を不要とする軽症の方ばかりです。ANA調べでは、2015年1~12月に発生した機内医療対応245件(高齢化が進めば1日1件ペース?!)のうち、意識障害(36%)、貧血(8%)、痙攣(6%)、呼吸困難(5%)とのことで、意識障害のうちどれほど"酩酊"が混じっているのか気になりますが、一般的なERでこれらをみたら結構コワいですよね。(貧血はさておき) 先述した論文にも詳細が載っているのでぜひご覧ください。

結論ですが、必要でないとは言えない、程度かもしれません。その理由は、機内で行える医療には限界があり、また、発生する疾患も全てがそこで対応できるものでもありません。しかしながら、今回の記事のように、軽症だとしてもそれが軽症であるか判断できるのは医療者であるし、患者さんを安心させてあげるだけでも私は大きな意味があると思います。航空機内医療に絶対解はなく、それぞれが疑問をもって議論すべき課題なのだと思っています。

【次回以降(予定)】


・JAL/ANA制度の不安点、JAL Doctorsの闇
・機長、客室乗務員のリアルな声
・航空機内で出来る医療とは?
・海外の航空会社での事例
・医師たちの思い
宜しくお願い致します!

あ、航空機内医療以外も書いていきますので、そちらもあわせてお願いします(笑)


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