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「君の心の庭に忍耐を植えよ、その草は苦くともその実は甘い」

いつまで「平成、平成」と言ってるの?と、素朴な疑問を感じています。(これについては後半に。批判的に誤解がないことを願う!)

知の熱中症を患った、若葉ちゃん

少しは収まったかな?予防には水分・塩分補給、そして発症後は安全な環境下での療養に限ります。

松本隆先生について補足しておくと、両刀遣いの稀有な存在に昇華されているという点。時代性を察し、うねりを生み、色を残し、そして次の時代性を察し、またうねりを生み、そして色を残すを繰り返す。加えて同時代におけるレンジの広さ。

松田聖子「赤いスイトピー」薬師丸ひろ子「Wの悲劇」大瀧詠一「君は天然色」もすべて1980年代のコミッションワーク(最後はあまりに個人的すぎてしまう)。そのうえで改めて振り返ると、時代を先取りすぎて売り上げが伴わなかったはっぴいえんどが原点で、そして彼の作品の中には【風街】への一貫した憧憬と思慕が入り交ざるというのが、どうしても興味深いのです。

あ、マクロス・フロンティア『星間飛行』も彼の作詞です(キラッ☆)。

セルジオ・ロッシで闊歩した、おゆちゃん

この夏、時効がきたって晒せないような話を幾つもさせてくれて、改めてどうもありがとう。

ああだこうだとチャットをしていると、大抵の問へのレスポンスは「しっかり生きる」という言葉の乗り換えでしかないのだと気付かされます。凡ては代替できて、だいたいが既出事項。その乗り換えのチケットとして、わたしたちはオザケンの「アーバンブルースへの貢献」だったり半年に1度の「しいたけ占い」を享受したいに過ぎないのでしょうね。

「触発というか、いいジェラシーというか、最高のプレゼントですね!」と言ってくれたこと、とてもとても感謝してる。

ゆく川の流れは絶えずしてもとの水に非ず

「答えのない議論をすること」。それは「答えを更新しつづける議論をすること」であってほしいなと願っています。

なんでいまみどりちゃんは倫敦にいるのか。そのきっかけは?

実はその質問、わたしが倫敦に来たことを公表(そういうとやけに大それたことに聞こえるから皮肉だ)した春、いろいろな人から聞かれました。

「なんで?」
「どうやって?」
「きっかけは?」
「これからどうするの?」

それらはもう、と思ってしまうほど。そして天邪鬼なわたしは回答を一行で済ませるために、ひとつのブログを投稿しました。「わたしは◯◯な理由で東京を抜け出し、倫敦には××な思い入れがあり、これから△△をしてゆきます」と。

WORDS FROM LONDON | 東京をトランク1つで抜け出したことの彼や是を
http://midoritokioka.com/2018/05/wordsfromlondon/

それはもうなかなかに懇切丁寧だったと思います。当時のわたしは心を削って書いたでしょうから。

だから先日質問をもらって久しぶりに読み返して驚きました。「今はこんなこと思ってないぞ」と思ってしまったことに。

「平成最後」という “共通言語”

Rupi Kaur著『milk and honey』に、お気に入りの一節があります。

fall
in love
with your solitude

倫敦にいたわたしにとって、過ぎし夏の日々はどう転んでも「2018年の夏」でした。「最後」ではなく「最初」の夏でした。

東京(日本)にいないからこその感覚だとも思います。

#平成最後の夏 に繰り広がる世界のそれらは「平成最後」に飲み込まれた大流の一員に見えて仕方ないのです。まるで盲目的に時間の流れに飲まれているようで、わたしにはどこか滑稽に映っている気がします。

“共通言語” は安心だけれど、それは巻かれる相手ではないと思ってる。

ところで、はっぴいえんど解散3年後に松本隆先生が上梓したエッセイ『微熱少年』にはこんな言及があります(文庫は東京の実家にあるのでテキストは正確な字面ではないですが、悪しからず)。

もうマリリン・モンローのような時代を象徴するアイコンが現れることはなく、それはチャネルが細分化されてしまっているから

自分が〈時代の問題〉と認識したそれらは、往往にして〈すでに提起されたイシュー〉である。初めてそれを読んだとき、80年代にすでにチャネルの細分化を言及されていることにわたしは酷くショックでした。

それを思うから、“さらなる細分化” がつづく2018年時点において、“共通言語” に餓えた世間すら「平成最後」という表現にすがるのかと邪推するのです。

そしてそれもまた、わたしにはどうも滑稽に映ってしまうわけです。

ジェーン・オースティンの墓碑と近況

ところでアイキャッチの墓碑画像はSummer bank holidayに訪れたウィンチェスター大聖堂で撮りました。

作品はすべて匿名で発表され、親しいものにも明かさなかったという彼女。そして、時代性を持たない普遍性で男女を描き切った彼女。

適当に択んだディスティネーションで巡り合った接点が、いつかどこかで伏線だったと回収するべく「忍耐」を植えようと思う次第です。


ふたりはどう?最近、孤独を愛せてる?


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