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遊戯王マスターデュエル 代行者(代行天使)について

はじめまして、Tgrowと申します。マスターデュエルで主に代行天使を使っています。

代行天使について、「たまたま玉の事故起きてないだけ」「妨害受けたら終わり」「もうランクマなんか無理」「他のパーツが強いだけ」「ワンキルとかソリティアするデッキなんでしょ?」などのコメントが目立ちます
まぁ一部間違っちゃ無いんですが、少し悲しくなります。もし代行天使を今後使おうと思ってる方は参考にしていただけると幸いです。


1. 代行天使とは?

「代行者」の名を関する光属性/闇属性、天使族で統一されたカテゴリを中心にしています。その効果に「天空の聖域」に関連することが多く、カテゴリ外の聖域関連の天使族も採用するため、「代行天使」と呼ばれています。

2. 代表的なカードについて

①創造の代行者ヴィーナス

最も有名な代行者であり、デッキを構築する理由になるカードです。効果は非常に強力で「神聖なる球体」を3体まで特殊召喚できます。効果が通ればできないことはほとんどありません。

②神秘の代行者アース


召喚成功時に代行者をサーチできます。天空の聖域がある場合はマスターヒュペリオンをサーチ対象にすることができます。このカードにより①③のサーチを行うのが主な仕事になります。

③命の代行者ネプチューン



代行者専用の蘇生魔法のような感覚で使える代行者です。天空の聖域があると大型の「ヒュペリオン」モンスターを蘇生できるようになります。

④マジェスティ・ヒュペリオン


代行者を墓地・手札・フィールドから除外することで特殊召喚できます。墓地からも特に制限なく自己蘇生できます。発動を伴わない特殊召喚であり、「ティアラメンツ・ルルカロス」などに妨害されません。簡単に出せるレベル8モンスターであり、高レベルシンクロやエクシーズ、「混沌の戦士 カオス・ソルジャー」のリンク召喚などに役立ちます。

⑤天空の聖水

「天空の聖域」関連のモンスターをサーチできます。ヴィーナスは「天空の聖域」を指定していませんのでサーチできませんが、「マジェスティヒュペリオン」をサーチすることも可能です。⑥ムーン天使族2体でリンク召喚できるリンクモンスターです。マーカーが右、右下という点に注意が必要です。墓地に「天空の聖域」関係のモンスターを落とすことができます。「マジェスティヒュペリオン」を落とすことがほとんどです。天空の聖域下でアースをサーチできますが、ほとんど使いません。

⑦天空神騎士ロードパーシアス

代行者ではありませんが、「天空の聖域」指定のカードを1コストでサーチできます。足りない代行パーツだけでなく「失われた聖域」をサーチして1妨害置くのが強力です。天空の聖域下では天使族全体をサーチできるという破格の性能です。それに加えて、天使族が墓地に送られた時に墓地の天使族をコストに手札の天使族を特殊召喚できます。サーチした大型天使族を特殊召喚する流れが強力です。

⑦マスターフレア・ヒュペリオン

超大型で切り札、といったカードに見えますが、展開の中で重要な立ち位置になります。代行者か「天空の聖域」関係のモンスターの効果をコピーしつつ墓地に送れます。「創造の代行者ヴィーナス」をコピーし球体を3体展開することができます。あるいは「破壊の代行者ヴィーナス」をコピーしてヴィーナスと合わせ球体を最大9枚展開するといったえげつない芸当ができます。

⑧宣告者の神巫


最強です。召喚・特殊召喚すると墓地に天使を落とせます。その中でも「トリアス・ヒエラルキア」「旧神ヌトス」が強力です。特に「トリアス・ヒエラルキア」はそのまま神巫をリリースすることでデッキからレベル2以下の天使族を特殊召喚できます。すると、レベル1チューナーなら「フルール・ド・バロネス」「マスターフレアヒュペリオン」、レベル2チューナーなら「サイコエンドパニッシャー」など強力なシンクロ体をだすことができます。

あれ?天空の聖域は?

そんな余裕はないです。

3. 純代行天使基本パーツと基本展開


基本的にはヴィーナスから神聖なる球体(以下玉)を展開することが基本の動きになります。
(従来の基本、ですが…)

・ヴィーナス1枚初動

正直なところできることが多すぎて導線だけを記載します。なお調べても大概ハリファイバーやユニオンキャリアー展開が出てくるのであまり美味しくありません。ツイッターなどにヴィーナス展開をまとめてる方が多くいらっしゃいますので、参考にするといいかと思われます。
ヴィーナスNS玉3
ヴィーナス+玉で失楽の堕天使からアスモディウスサーチ
ロードパーシアスSS玉をリンク・スパイダーへ変換しロードパーシアス起動
手札のアスモディウスをSS
効果でイーバを墓地に送り効果でネプチューンと神巫サーチ
神巫落としてロードパーシアスでマスターヒュペリオンや失われた聖域をサーチ…

展開しようと思えばここからエルフを無理やり作り以下の神巫展開を利用することも可能で、破壊ヴィーナスと9枚の球体を出し入れすることもできます。

ただお気付きの方もおられるかもしれませんが、展開中のパーツが画像中にありません。つまり展開のしようによってはデッキがまだまだ膨れるという問題があります。

・神巫1枚初動
「トリアス・ヒエラルキア」を経由してレベル10シンクロを作るのが基本です。
神巫NSヒエラルキア墓地、効果で神巫リリースし蘇生
神巫効果でブーテン蘇生、ヒエラルキアとマスターフレア
玉3、玉2でムーン、マジェスティ墓地
玉とムーンでエルフ、エルフで玉蘇生
ブーテン効果で球をチューナー化、玉マジェスティでバロネス
簡易展開でも10シンクロ2体にエルフ耐性がつきます。

4. 問題点について

球体、大型天使による事故

デッキの構築の仕方に気をつけていないと起こる問題が球体の事故です。3枚の通常モンスターは単独では間違いなく動けません。
加えて大型天使やその他展開パーツもほとんど単独では機能しません。神巫初動は最強ですが、ブーテンとヒエラルキアはまさにそれです。

→解決策①展開パーツを減らす
解決策②球体と合わせて展開できる札を用意する
解決策③デッキを厚くして球体を引きにくくする

Gに弱い

ヴィーナスを起動した瞬間にGを発動されると、それだけで最低妨害1を達成するのに3回は特殊召喚を強いられます。
スネークアイや超重、ラビュリンスなどは手札1枚がそのまま手数に繋がることがほとんどですので、その場でキルを取る以外選択肢がなくなります。またニビルが増えている環境であり、過剰展開すればほぼ降ってきます。アースや神巫が絡めばバロネスを置くこともできますが、単騎ではヴィーナス展開!等と言っている余裕はないのです。
→解決策①Gへの対抗策を十分に用意する、なおかつそれを引き込めるようにデッキを薄くする
解決策②止められても妨害ができるように誘発を潤沢にする

ここで少し考えていただきたいのが
デッキを厚くしないと球を引く
デッキを厚くするとGへ対応できなくなる
というかなり厳しい現実を突きつけられていることです。

召喚権がかぶる、泡影やヴェーラーに弱い

ヴィーナス、神巫、2枚初動起点のアース
これらの初動は全て自身で特殊召喚する力を持ちません。
ということはどれかを重ねて引いた時にそのルートが止まると代行天使の中で追撃することは厳しくなります。
どれかの効果起動に泡影やヴェーラー、ヴィーナス以外だとうららを当てられるとその時点で詰みます。
「毎回誘発を持ってるわけ無いじゃん!!!」となるかもしれませんが昨今のスネークアイは誘発を12〜15枚搭載しています。その時に1枚誘発を持っている確率は85〜91%、2枚持っている確率は45〜63%(重複込み)ですので、基本持っていないほうがおかしいのです。その全ての誘発が代行天使には刺さります。
→解決策①止められても行動できる2枚目を用意する
解決策②止められても妨害が効くように誘発を潤沢にする

展開できれば強力ですが、その「できれば」のハードルが高く、代行天使が弱いと甘く見られる所以です。

4-2. 60代行天使について


玉やその他のダブつきを回避するべく作られるのが60代行天使です。探せばいくらでもでてきますが、正直難しすぎてオススメしません。
分厚くするのは良いのですが、その時に「2枚初動デッキとして構築する」「アドバンテージを意識する」「配分を意識する」事が重要になります。

代行天使はヴィーナス、神巫の1枚初動に加え、アース、聖水などの二枚目の札を多く積むことができるデッキですが、分厚くした時点でその1枚初動へのアクセスは絶望的になります。ですので二枚初動の所持率をある程度計算して組まないといけませんが…
実際は「この展開にこのカードが有れば強い」という補助札を増やせばいいといった本末転倒な構築になっているパターンが多く見受けられます。烙印が60構築で成り立っていたのは、個々の火力とそれぞれのかみ合わせが優れていたからであり、代行天使のように事故パーツを抱えているからという消極的な理由ではありません。

また、2枚初動で確実に展開できるとも限りません。特定の2枚で1誘発すら回避できないのであればそれはもはや2枚初動として選択する意味はあまりないです。

そして60枚にふくらませる際に「誘発で適当に膨らませりゃいい」というのも危険です。環境デッキは大体40枚デッキを組む際に12枚は誘発を組み込んでいます。
60枚になるとその数は18枚になりますが、18枚も誘発を積んでその妨害の質が担保できるわけもなく、なおかつ重ね引きが起きやすくなるという欠点も抱えます。
ですので、60構築を本気で考えるなら「スネークアイ出張のような単独で強く召喚権を使わないテーマ」「1体だけで妨害を成立できるクシャトリラのようなテーマ」で枠を増やしましょう。慎重に計算もせずに60構築を謳っても、事故率低減なんて体感にしかなりません。60構築は相当難しいです。

5.ver.2 代行スプライト、構築と展開例



上記殆どの問題を解決できるのがスプライト混合です。上記Gケア以外の問題を解決できます。
チェーンを組む特殊召喚にしかGを打たない人もいるので、アースNS後にレッドを出すことでGの発動を抑止することができます。
また、これらを積むことにより事故の少ないシステムを1つ組むことができるため、神巫に連なる事故パーツをなくすことも検討できます。

アース+ブルー
最強展開です。アース+ブルーでまずバロネスを作成し、その後ヴィーナスを自由に展開します。
アースNSブルーSSジェットサーチSSダブルクロスサーチ
アースブルーでルイキューピットレベル6、ルイキューとジェットでアクセルシンクロスターダスト、アース蘇生、バロネスSS
アースNS時にヴィーナスサーチ、ルイキューシンクロ時にネプチューンをサーチし、ネプチューンの効果でヴィーナスをSS…

なお、スプライトと組んだことによりアース単独で2妨害を構えることができます。

アース1枚初動
アースNSネプチューンサーチ
アースでアルミラージネプチューンでアース蘇生
エルフSSアース蘇生ギガンSS
ブルージェットSSダブルクロスまたはスターターサーチ
ブルージェットでスプリンド

スプリンドで1妨害ダブルクロス/スターターで2妨害

6.ver.3 2玉代行スプライト、事故撲滅構築と展開

「そもそも玉を引くのが嫌なら球を減らせばいい」との考えから作られるデッキです。初手での球体所持率は3枚/60デッキと2枚/40枚デッキとで全く同じになります。
40枚に抑えた上で誘発数を稼ぐ事ができるようになり、最悪ヴィーナスを止められても勝てる場合があります。
その代わり、「ヴィーナスが通ったらほぼ勝ち」という利点も捨てていますのでどちらが良いとは言えません。
最短である程度強力な制圧を強いる事ができないかと考えていた時に見たのがスプライトを利用したクリスティアリクルートです。

アース+任意のSSできるモンスター(A)
アースNSネプチューンサーチ
ASSアース+Aでスプリンド神巫墓地
ネプチューンでアース蘇生
スプリンド+アースでギガンブルージェットSS
ダブルクロスサーチ
エルフSS神巫蘇生クリスティア墓地
マスカレSS
相手ターンエルフで神巫蘇生、マスカレ、クリスティア蘇生

ほぼ任意の2枚初動で特殊召喚制限をかけることができると言うのが驚愕で、応用が効きます。

スターター1枚初動
ブルージェットSSダブルクロスサーチ
ギガンSS神巫SSクリスティア墓地
ギガン神巫でエルフSSダブルクロスセット
相手ターン神巫蘇生、クリスティア設置

ヴィーナス1枚初動
ヴィーナス玉2
ムーン玉→ムーンマジェスティ玉
→ムーンスプリンド(神巫)→ブルージェットギガンダブルクロス→エルフ神巫(クリスティア)ギガンダブルクロス→エルフマスカレダブルクロス

相手ターンにエルフで神巫を蘇生しヌトスで1妨害、ダブルクロスで相手のモンスターのコントロール奪取で2妨害、相手のモンスターを素材にサロスで3妨害、サロスで墓地妨害4妨害となります。
もしダブルクロス前に特殊召喚をメインとするデッキであることがわかればクリスティアを設置、あわよくばダブルクロスにチェーンする形でトロイメアユニコーンを出します。

もちろんアース+ブルー後にこの展開を重ねることができるのでえげつないことになります。

7.ver.4 2玉代行クシャスプライト、構築と展開


スプライト単独でも多くは改善されるのですが、最近2枚誘発を持つ相手が明らかに増えています。
また、後攻でアース以外のレベル2を狩られるだけで詰むパターンも少なくありません。そこで登場したのがクシャトリラです。
ユニコーンの特殊召喚後にアースを出すと相手がどちらに妨害を打とうと、両方に打ったとしてもギガン展開2妨害に持ち込めます。
そして誘発が来なければ以下の展開に持ち込めます。

ユニコーン+アース

ユニコーンSSバースサーチ発動
アースNSネプチューンサーチ
アース+ユニコーンでスプリンドSS神巫墓地
ネプチューンでアース蘇生しアース+スプリンドでギガン、バースでユニコーン蘇生
ギガンからブルージェットダブルクロス、ブルージェットでエルフ、神巫蘇生しクリスティア墓地
アースギガンでマスカレ
最終盤面
エルフ
マスカレ ユニコーン
バース
墓地クリス 神巫
エルフで1妨害、マスカレで2妨害(ユニコーン神巫と相手巻き込みサロスも可)、ダブルクロスで3妨害

もし怪獣が飛んできてもマスカレでサイドエルフを作って神巫クリスに持ち込むことも可能ですし、ユニコーンが残るのでクリス後に粘られることもありません。
一応ヴィーナス通すための先見的な意味合いもありますが…なんで皆さんユニコーンにヴェーラー打つんでしょう?

8.スプライト側から見た代行天使と組む利点

たまに「代行天使じゃなくて普通のスプライトでよくね?」と言われますが、少なくともビーバーが規制された今、素早いは玉同然、メルフィーも素引きがまぁまぁ重く、ヒーローキッズ単体では全く動けないため、事故率はあちらのほうが上です。

「クシャ採用するならスネークアイでよくね?」はある程度そうかも知れません。
ただ、スプライトスターター、クシャトリラという召喚権を無視した初動を共有できて最も強いのは代行天使だけだと思います。
無論妨害の質と数、妥協展開では大きく劣りますのでtierとして上位は難しいでしょうが、これらの強出張を採用する意味のある構築だと自負しています。

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