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大学浪人中に聞いたメンタル崩壊のヤバい話~いのち、大事に~

 こんにちは。中瀬一菜です。
 今日は過去を思い出しつつ、大学浪人時代のお話をしたいと思います。(ヤバすぎてあんまり人に話せなかったのでここで発散)
 ※メンタルがアレはお話です。フラッシュバックの恐れがあるやもですのでご注意を。
 ちなみに、わたしのスペックは以下のとおりです。

・クソ田舎の大学受験専用の予備校に実家から通学。寮住まいではない。
・ガチ勉強勢。友達一人もいなかった。
・卒業した高校がそこそこの進学校。浪人仲間多数。
・高校時代は文系。(非理系ともいう)


1)トイレのドアに…

 予備校時代の勉強の仕方は、かなりのブラック仕様でした。
 毎朝、ほぼ始発の電車で予備校に通い、どっぷり夜が更けてから帰宅。ちゃちゃっとご飯・風呂を済まして、また勉強してようやく睡眠……なんて日々を過ごしておりました。
 ここまで自分を追い込んでいた理由として、それくらい当時のわたしの偏差値がヤバいというのもあるのですが、浪人生が成績を上げるのは大変なことで、ほとんどは成績が下がる or 成績が変わらないんだそうです(当時の講師談)。
 なので、予備校では、「浪人生で成績を上げたいなら、死ぬ気で勉強しろ」くらいのことを言われておりました。厳しい予備校だったというのもあると思います。早朝の自習はあたりまえ、一年中解放されている自習室は文字通り一年中で、年末年始すら開いていました。(お弁当で食べるおせちは美味しくない)みんな限界に挑むように勉強しまくります。
 そんなある日、自習室の近くにあるトイレへ行きました。
 このとき、何を思ったか、ドアの裏面(トイレ側)を見たんです。
 古い建物でしたので、今時珍しく和式トイレなんですね。ドアに背を向けて用を足すように設計されていたので、普通は目にしない場所です。
 そこに、「死にたい」と細いシャープペンシルのようなもので書かれた一言がありました。
 自習室とこのトイレがあるのは、ビルで言うと5,6階あたりに相当します。トイレには小さい窓があったので、女性であれば通れそうです。「死にたい」と書いた人は、ここから飛び降りることができる。そんな状況の中、この人は他人の目が届きにくいドアの裏に書いていた……。
 わたしは、はっとしました。それから、気づきました。
 「死」というモノは、自分には縁遠いものだと思っていましたが、いつだって死のうと思えば死ねるんだ。「死」は遠い場所にあるのではなくて、いつも自分のすぐ近く――背後にでも佇んでいるものなんだ、と。わたしだって、「死にたい」と書いた人と同じように、いつだって死ねるんだ……毎日自分が疲れているかどうかも麻痺して分からない中、たった一言の落書きでわたしの生死観は大きく変わりました。
 ――ちなみに、「死にたい」という落書きの下には、「生きて」との落書きもありました。わたしと同じようにこの落書きを見つけた誰かがいて、トイレにペンなんてふつう持ち込まないだろうに、わざわざそう書いてありました。

2)強制退寮の真実

 これは人から聞いた話です。クソ田舎の予備校ではなく、都会の予備校での話です。
 そこそこ進学率のいい高校を卒業していたので、同じように浪人している知人が何人かいました。その中の数人は、クソ田舎の地元から出て都会の予備校に通っていました。
 そんな都会暮らしの友人から聞いた話ですが、こういう都会の大きい予備校の寮では、1)で少し触れたような自殺案件があるそうです。もちろん、ニュースになっていませんし、聞いた話ですので事実ではないかもしれませんが……。
 その友人が言うには、強制的に寮を出て行くことになった人がいたそうです。普通、こういうことはあり得ません。余程素行が悪いとか、寮で決められた時間割を守らないとか、そういうコトがない限り。
 その出て行くことになった人は、寮の部屋に備え付けられたお風呂で、手首を切っていたそうです。事故ではなく、自らそうしたようです。
 その結果、寮を出ていくことになったそうです。親御さんからしてみれば、またいつ同じことを仕出かさないかもしれませんし、出ていかされたというか、自主的に出ていくのは納得です。大学に合格するよりも、自分の命の方がずっと大切です。
 進学校で生きていると大学に行っていない人を探すのが困難なくらい進学が当たり前なので、学校の外も同様かと錯覚してしまいますが、日本は学歴社会とはいえども大学進学率はだいたい55%ほどです。(文科省学校基本調査から引用)

 大学に行こうと思って勉強している時点で、普通に優秀な部類ともいえるのですが、分からないんですね。特に浪人をしていると、その周りの人間(高校時代の同級生)は大学生活を満喫しています。新歓で居酒屋へ初めて行った、サークル活動を始めた、一人暮らしに慣れてきた……いろんな「優秀な人たち」の生活を、嫌でも知ってしまいます。
 そんな中、浪人生は血眼になって勉強をします。せざるをえない理由は、1)でお話した通りです。高校3年生のころの受験期間よりも壮絶な勉強です。
 この落差、地獄です。ついこの間まで自分と同じところに立っていた友人が、ステップアップしている。自分はいつステップアップできるのか分からない。一生できないかもしれない。
 当時、耳に挟んだ言葉に「医学部などの理系学部や美大志望の浪人はまだ分かるけど、文系の浪人ってニートみたいなもんだよね」というのがあります。しょうもない話ですが、ちょっと図星でした。文系は即就職に繋がるような研究・技術は無い。社会の大きな枠組みの中で、文系の浪人って確かに相当無意味な存在だよな……なんて自ら鬱モード突入必至なことを大真面目に考えたりしました。
 強制退寮の話を聞いたとき、驚きはしましたが「そりゃそういう人も出るわな」と妙に納得したのを覚えています。

 ……と、なかなかヘビーなお話をしてきましたが、何が言いたいって「みんな命は大切にな」ってことです。浪人生活中、風邪ひくなよとかインフルエンザには絶対かかるなとか聞きましたが、ぶっちゃけメンタル崩壊の方がよっぽどヤバいと思います。今年もあとひと月半。センター試験受験組は焦り始める時期になってきました。自分をしっかり保って最後まで頑張ってほしいなと思います。
 しかし、浪人をしていた頃が大昔になりかけている今でも、こんなに鮮明に思い出せる辺り、やっぱりあの一年間は相当堪えたよなぁ。

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