マイナス感情の青臭い風
盗作 / ヨルシカ
◤◢◤◢注意◤◢◤◢
この文章は、音楽知識にも乏しい一個人が
脳内を巡る音と声の印象や解釈を
ただ垂れ流しているものです。
悪しからず。
インタビューを受けて語っているように進行していく歌詞のこの曲。
ヨルシカさんの曲の多くは、マイナス感情や心の奥底のやるせなさなんかを歌詞に落とし込んだもののような気がする。
頭の中のモヤや、窮屈な世の中を歩く誰かの心を代弁するような。
暗めで歌詞だけを延々読んでいると病んでしまいそう。なのにメロディや音に乗って聴いているとどこか懐かしい、”青春の香り”を感じる。
彼女の楽曲にはそんな魅力があると思う。
そして、何故か安心をしてしまうのだ。
《あぁ、鬱屈して生きることは間違っていない》って。
盗作で注目を浴びることに対しての優越感、そしてそんな自分への嘲り。
偽物を着込んだ自分への窮屈さや自分でいられる自由への憧れ。
そもそも、この世のすべては盗作なのだ。
誰もが偽物を着込んで平然と生きている。
それを新しいものとして。
誰もが感じる本来の自分と自身の社会での役割や周囲からの評価とのギャップ、それに対する葛藤。
そんな”世の中”の縮図のような曲だなぁと思った。
歌詞の鬱屈さとは対照的に、曲調は爽やかでピアノの軽快さが暗さを感じさせない。
そこにヨルシカさんの柔らかく丸い声が響く。
時に声を張って、時にため息交じりに。
私の目の奥には、淡い青の旋律がスーッと通り過ぎていくのが見える。
何事もなく当たり前に通り過ぎていく、その若さみたいだ。
ある瞬間から諦めてしまうような、そんないろんなものを腕をいっぱいに欲する若さ。
大人になる前の、誰かのものを欲しがって手に入れて、でも満たされずうまく生きられるように練習して。失って自分に戻った瞬間を、恐れながらも待つ日々。
誰もがほんの一瞬でも通過する心情を描いたこの曲は、その葛藤の真っ只中にいる人にも、とっくに通り過ぎた大人にも響く。
きっとこの先もそんな風に誰かに寄り添って、聴かれて残っていく。
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