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最高のレジャーに出会った

今年のGWは久しぶりに旅行へ。自然豊かな長野県安曇野あたりを訪れた。そこで、わたしは人生初の「釣り」を経験する。それが楽しくて楽しくて――現在も、わたしの中では「釣り」への情熱が激しく燃え上がっている。


思えば、わたしは小さい頃から釣りに憧れのある子どもだった。昔、テレビ東京で放送されていた「釣りロマン」という番組が大好きで、出演者たちがイキイキと魚を釣り上げる姿に見入ったものだ。

テレビゲームやアプリゲームをプレイする中でも、釣りを行なうシーンが特に気に入った。プレイステーションのゲーム『ぼくのなつやすみ』内での魚釣りなどには特に夢中になった。

「釣り」というレジャーだけでなく、「魚」そのものも好きだったように思う。公園の池を泳ぐ鯉に餌をあげるのも好きだったし、祖父母の家に訪れる際には、必ず道中にある橋から川を見下ろし、時期によって居たり居なかったりする魚を探していた。

そんな風に、釣りや魚に憧れを持ちながら大人になったわたし。ゲームの中での「釣り」だけじゃ満足できず、いずれは自分の手で魚を釣り上げたい!という願望を密かに抱いていたのだった。
もちろん、都内にも釣り堀などは多く存在する。簡単に足を運ぶことはできるのだが、何となくその第一歩が踏み出せず…。そこで今回のGW旅行にこじつけて、釣りデビューを計画したのだった。


長野県は渓流釣りが有名ということもあり、釣り堀・渓流釣り場が多く存在する。わたしが訪れたのは、家族で経営しているらしい比較的小ぢんまりとした釣り堀場。”釣り初心者”にピッタリの場所だ。
ごつごつとした大きな岩に囲まれた釣り堀の中には、信州で育った”イワナ・ヤマメ・ニジマス”が泳いでおり、ここで釣った魚はその場で焼いて食べることもできるという。人生初の「釣り」に胸が高鳴る。本当に釣れるか心配だったけれど、”これだ!”と思う竿を選び、さっそく釣りをはじめた。

練り餌をイクラくらいの大きさに丸めて針につけ、竿を振る。最初は全然食いつきがない。場所が悪かったのか、また、餌が少し大きめだったのか…。しばらく粘った後、思い切って場所を変えることに。魚たちは太陽の光に合わせて、徐々に集まる場所を移していくようなのだ。

「やったー!釣れた!」と喜び合っているカップルがいる場所の方へ移動し、釣り再開。魚の姿も見やすく、水中でゆらめく餌には見る見るうちに魚たちが集まってきた。

しかし、だからと言ってすぐに魚を釣り上げられたわけではない。餌が針から抜け落ちてしまったり(魚たちは「ラッキー!」と思っているだろう)、素早く餌だけを取られてしまってたり、焦って竿を早く上げてしまってチャンスを逃してしまったり…「食べようかな?やめようかな?」と思わせぶりな態度をする魚たちとの”心理戦”が続いた。
しかし、待ちに待った”その時”はついに来た――。


ウキが縦に動き、竿にずしりと重みを感じた。一瞬、もう少し待とうか?と思ったが、また逃げられたらたまらない!と思いきって腕を上げる。するとピチピチと体をくねらせた魚が、水面から勢いよく現れた。

思わず喜びの声があふれる!
あの時の快感と嬉しさは、人生で初めてのものだった。ゲームの中でしか釣ったことのなかった「魚」を、ようやく自分の手で釣り上げることができたのだ!

わたしが釣ったのは「ヤマメ」だった。上顎についた針を外す際、じっくりとヤマメの顔を見たところ、生命力にあふれていて、そしてギョロリとした目の迫力に正直怖さを感じた。こんなにしっかりと魚を見たのも初めてかもしれない。(とにかくイキの良いそのヤマメだったが、数分後には釣り堀場のオーナーの手で鮮やかに捌かれ、じっくりと塩焼きされることになる)

こうしてひとしきり釣りを楽しみ、最後に自分で釣ったヤマメをいただくことになったわたし。オーナーによると、ヤマメは川魚の中では「大トロ」にあたるのだとか。期待に胸を膨らませながら休憩処で待っていると、香り高い”ふき味噌”が隣に添えられた、こんがりキレイに焼かれたヤマメが出てきた。


実はわたし、川魚を食べることも初めて。お祭り等の催しで「鮎の塩焼き」などを見かけると、毎回食べるか迷うのだが、結局手を出せずにいた。だから、ここでまた人生初の「川魚を食べる」を叶えることになったのである。

そんなヤマメの味は………


『300点満点』!!


美味しい。
本当に美味しい…!
魚全体にギュッと旨味が凝縮されていて、食べづらいような生臭さもない。”美味しい”以外の感想が思い浮かばなかった。
普段、魚をキレイに食べることが苦手なわたしだったが、なるべく全てを平らげたいと思い、箸を細かく動かしその小さな身をいただくことに集中した。

こうして、長野県で初めての釣りと、美味しい川魚を食べるというイベントを終えた。満足感と幸福感にあふれ、東京に戻るときには都内の釣り堀をまわることばかり考えていた。嬉しい驚きと出会いのある、素敵なGWだった。
ちなみにヤマメは「山女」と書くらしい。ちょっと、可愛らしい。

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