なぜそのキラキラネームを選んだのか

学生時代、先生と学生とでちょっとした旅行に行った。

目的地までは先生の車で向かっていたが、その道中に事件は起きる。


事件が起きたのは「商品のネーミング」の話題で車内が盛り上がった直後。

後部座席に座っていた女子学生がこんな話を切り出した。

「でも、キラキラネームとかも面白いですよね」

僕は、この話題に引っかかる部分があった。

ハンドルを握る先生の娘さんの名前が『まりん』だと知っていたからだ。

しかし、『まりん』は珍しい名前ではあるが、今どきキラキラネームというほどでもないな…と判断し「確かに、キラキラネームも面白いね」と返した。

先生も「子供が可哀想になる名前あるよね」と返していた。


女子学生は話し始める。

「そうなんですよ~。『まりん』とかつけられたら恥ずかしいですよね」


全身の毛穴から汗が吹き出した。



なぜ、数ある名前の中からそれを選んだ。

仮にその女子学生が『まりん』をキラキラネームだと認知していたとしても、ここで恥ずかしい名前として例に出すには『まりん』は弱すぎる。

もっと『ぷりん』とか『スター』とかあるのに、よりによって『まりん』を例に出してしまった。


彼女は「『まりん』って名前負けしそう…」とされに話を続ける。

恐る恐る隣を見てみると、先生はニコニコしながら学生の話を聞いていた。

自分の娘が『まりん』だとを告白して女子学生に謝らせたくないのだ。

先生自身がハンドルを切ることは出来ない。


しかし、このままでは一方的に先生が傷つく。

先生の娘さんの名前が『まりん』だと知っている第三者としてなにかしらの行動を起こさないといけない。

僕は今、コミュニケーションの助手席に腰掛けてしまっているのだ。


そこで「え、普通の名前じゃない?」とフォローしょうもと思ったが、「え?どこが?めちゃくちゃ変だよ?」と反論されても困るのでやめた。

また、先生は「僕が娘のさんの名前を知っている」ということを知っている。

ここで僕が下手にフォローに回ると、「あ、あのクズの前田に気を遣わせてしまっているな」という気を遣わせてしまう。



そこで僕は攻めることにした。


「あれれ?先生の娘さんの名前ってなんでしたっけ?」

僕はわざとらしくこう聞いた。


先生は「まりんwww」と苦笑いしながら答えた。

「しまった!」という顔をした女子学生に僕は「あら~気まずいねぇ~」とニヤニヤしながら言う。

すかさず彼女は「すみません!」と謝る。

先生は「いいよいいよwww」と答える。

「先生、彼女は今年進級できますかねぇ?」

「う~ん、留年させられるかもねwww」

こうやってなんとか笑いで丸く収まった。


今後、誰かと話すときにはキラキラネームの話題は避けようと思った。










この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

4
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。