(2025年5月某日……)

―仙台・XX墓苑―

(XX墓苑に訪れた三期生の面々が住職に挨拶をしている)

住職：今日はまた随分と大勢で来たのう。

美：ご無沙汰しております。

住職：今から一時間は貸し切りじゃ。ゆっくり話をしてくるといい。

吉：いつもありがとね、おじいちゃん

葉：これお土産です。事務所の皆さんと食べてください。

(東京駅で購入した土産品を渡す葉月)

住職：おお、いつもすまんな。

麗：いつもご配慮頂きありがとうございます。

住職：実を言うとコレがなかなか楽しみでな。ほっほっほ。ん？　さーたーあんだぎぃ？　これは沖縄の名物じゃなかったか？

理：あ、先週実家に帰ったんで住職に買ってきたんです。

住職：おぉ、そうかそうか。ありがたく頂こうかの。

珠：よく噛んで食べるんだぞ、住職。

蓮：ちょっと珠美、笑えないんだけど。あっははは！

住職：思いっきり笑っとるじゃないか。

楓：喉に詰まらせてヤラかさないようにね？

住職：やかましいわい。さっさと行かんか。

(墓参りを終え……)

美：住職。ありがとうございました。

住職：うむ。良き語らいになったのであれば何よりじゃ。

美：はい。

住職：では、記帳をしてもらえるかの。

与：じゃ、私いっちばーん♪

(乃木坂四六と書かれた帳簿を開く与田)

与：あ……

蓮：ん？

与：……

(突然上を向く与田)

蓮：どうしたの？

与：ぐすっ、あーダメだ。目にゴミが入ったかも……蓮加先に書いて

蓮：はーい。……あ。

(記帳しようとした蓮加の手が止まる)

楓：蓮加？

蓮：そっか。頑張ったね、梅。

(優しい笑みを浮かべる蓮加)

楓：梅がどうしたの？　あ！　梅来てんじゃん！　しかも結構最近。

吉：お、どれどれ

麗：わたしも見たーい。

(帳簿に集まる一同)

理：梅が来てたこと知ってたんですか？

住職：そりゃあ帳簿の管理も住職の仕事じゃからな。

葉：来た時に言ってくれれば……

与：梅も梅だよ。一言くらい言ってくれればいいのにさ。

美：住職。

住職：おん？

美：梅はどんな様子でしたか？

住職：それはそれは澄み切った青空の様な笑顔じゃったぞ。

美：そうですか……良かった。

吉：ねぇ、コレ見て

(携帯電話の画面を見えるように差し出す吉田)

美：散々待たせた挙句、二人で抜け駆けとは。いい度胸してやがる。

葉：次はみんなで来れるね。

－continuing to episode30.4 久保チルドレン－