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ソラを見上げて #05 年上の言う事はゼッタイ?

どこからメガホンを出したかって?
それならソラはどこから来たって言うんだい?

―○○の部屋・夜―

〇:あの……一応確認しておきたいんですけど。

ソ:ん?

〇:ソラさんって、本当に幽霊なんですよね?

ソ:なによ、この前は『地縛霊にしか見えない!』とか言っておいて


〇:疑ってるワケじゃないんです。その……今後のためにキチンと確認しておいた方が良いと思って。

ソ:確認? なにを?

〇:ソラさんが幽霊だってちゃんと分かっておきたいと言うか……

ソ:まどろっこしいわね~。ハッキリ言えばいいじゃない


〇:幽霊って透けてるだけじゃなくて、触れないって言うじゃないですか

ソ:なるほど。要は本当に触れないか試したいって事?

〇:……そうです

ソ:はじめからそう言えばいいのに。


〇:女性に対してそんな事、軽々しく言えるわけないじゃないですか

ソ:誠実なのね、○○は。

〇:女性に触れた経験なんてほとんど無いので……

ソ:ふふ……いいわよ。はい、どうぞ

(○○の目の前で正座するソラ)


〇:で……では、失礼します。

ソ:優しく……シてね?

(上目遣いで○○を見つめるソラ)


〇:またそうやって僕をからかって……

ソ:あっはは、冗談よ。どうせ触れられないんだもの。緊張するだけ無駄よ?

〇:それは分かってるんですけど……こんな状況初めてで。では、改めて失礼します

ソ:ん……

(ソラがいる空間を両手で交互に往復させている○○)


〇:凄い、目の前にいるのに触れない。なんか不思議な感覚ですね

ソ:満足した?

〇:はい。ありがとうございます。

ソ:それはそうと……その敬語、何とかならない?


〇:何とかって……変ですか?

ソ:そうじゃなくってさ。どうして敬語使うの?

〇:4つも年上なら当然じゃないですか。見た目はともかく……

ソ:あぁん? アッチの世界から色んなの連れてきて、この部屋を戦慄迷宮にしてやろうかコノヤロー!


〇:冗談ですって。そもそも人と話すのが得意じゃないんです……女性なら尚更ですよ。

ソ:なーんか他人行儀なのよねぇ。ま、私の場合は他人って言うか死人なんだけど。あっはっはっは!

〇:……ん?

ソ:笑え!

〇:いった!

(メガホンで殴られる○○)


ソ:死人ギャグでしょ? 年上が面白い事を言ったら笑うのが年下の仕事でしょ?

〇:笑いと不謹慎の線引きが難しすぎます! ていうか、どこからメガホンを  

ソ:口答えしない! とにかく今日から敬語禁止! いいわね?

〇:……はい。

ソ:よろしくね、○○

〇:よろしくお願いします。

ソ:やり直し!

〇:えぇぇ……

  その日、僕は夜遅くまでタメ口の練習をさせられた。

-つづく-



【おまけ】

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