第2回「僕の好きな漫画① -中村信彦編-」
「めっちゃエイリや〜ん」は、DJのMIGHTY MARS、イラストレーターの鈴木裕之、デザイナーでベーシストのヨシカワショウゴによる、カルチャーラジオです。 アートや音楽、様々な文化や世界の不思議など、無駄でちょっと有益な情報を喋ります。
第2回目のテーマは「僕の好きな漫画」と題して、幼少期、思春期に受けた衝撃、トラウマ的漫画から、エロやグロとの出会い、ビジュアル面での影響や各々の現在の創作活動に影響やインスピレーションを与えてくれた漫画について語っていきます。
めっちゃエイリや〜ん「第2回 僕の好きな漫画」中村信彦編からスタート!
(2019年4月収録)
MIGHTY : はい、第二回「めっちゃエイリや~ん」が始まりましたけど、新しいメンバーが1人増えてます。
中村君です。
中村 : よろしくお願いします。
MIGHTY : 実は一回目の時にも色々裏方で手伝ってくれてたんですけど、今日から一緒に喋ろうと。
鈴木、ショウゴ : 喋りたいと。
中村 : メンバーということで、お願いします。
一同 : 笑
MIGHTY : やって行こ!(笑)中村君、ザッと自己紹介してよ。
中村 : EGYPT RECORDSを始めたという事と、みんなとは昔からの友達です。バンドメンバーであったり。
MIGHTY : みんなそれぞれバンドやってたんですけど、その時から中村君は友達ですね。二十歳くらいから。
鈴木 : 大体おったね、クラブとかにジャンベ担いで(笑)。
MIGHTY : 最初に登場した時はジャンベ担いで、澄まし顔でな(笑)。
鈴木 : コテカの形のアクセサリー首に巻いて、喋るたびにピョコピョコ動いてて。
MIGHTY : 勃起するという(笑)。
鈴木 : そうそう、勃起するアクセの男やね(笑)。
ショウゴ : 笑
MIGHTY : 今も活動中しているHARD CORE DUDEってバンドが大阪にいて、そのバンドのドラムも一時期やってたりしましたけど、今日からこの4人でやっていこという事です。
MIGHTY : 前回の1回目の放送は「90年代の音楽」でしたけども、今日のテーマは鈴木さん何ですか?
鈴木 : 今日は、ザックリ言うと「漫画」でいこうかと。で、漫画のくくりが大きすぎるんで、それぞれのマイ・フェイバリットの1冊。
MIGHTY : 紹介したい漫画をそれぞれ1冊。
ショウゴ : だいぶ迷ったね。
MIGHTY : うん。みんなそれぞれめっちゃあるんですけど、今日は1冊だけ持ってきて喋ろうと言う事です。
前回の「90年代の音楽」を聴き返してみると、喋り足りてないこともいっぱいあって。
ショウゴ : うん。サイドストーリーがね。
MIGHTY : 今回は1つの漫画をじっくり語れたらなと思ってます。
鈴木 : そやねー、前の「90年代の音楽」は漠然としてたからね。まとまらへんかったな。
MIGHTY : 10代の記憶やったな(笑)。
鈴木 : うん。今日は1冊に絞って語っていこうという感じですな。
じゃあ、今回から参加のEGYPT RECORDSの中村君からやってもらいましょうか。
MIGHTY : 先陣切ってもらいましょか。
強烈な天使との初体験
鈴木 : 中村君のフェイバリットな漫画とは何でしょうか?
一同 : キマシタ(笑)。
中村 : いきなりエロネタ(笑)。
MIGHTY : コテカネタです(笑)。
ショウゴ : コテカネタ(笑)。
鈴木 : 遊人を簡単に説明できますか?
中村 : 遊人は、、、そんなに詳しくわからへんねんけど。
MIGHTY : オレら世代は、エロ漫画家っていう認識やけど。
鈴木 : うん。あんまり詳しくは知らんよね。
中村 : 描く(登場する)女の子が全部カワイイ。
ショウゴ : めっちゃ90’sな絵やもんな。
MIGHTY : これは何年ぐらいの作品なんかな?80年代?
中村 : 89年に1巻が出版されてる。
鈴木 : 今またこういう絵がキテる感じあるよね。
ショウゴ : 今こういう絵、あるある。
MIGHTY : 海外のアーティストとかサンプリングしたりしてるよね。
鈴木 : ガバとかでこういう絵使われてたり。
ショウゴ : フックアップス(HOOK-UPS)やったっけ?スケートの。
MIGHTY : あー、はいはい!アニメネタで全部デザインしてる。
ショウゴ : それはこういう絵を使ってる。
鈴木 : 今、新世代でこういう絵ってあると思うで。
中村 : なんで「ANGEL」を選んだのかっていうのは、これもまたいきなり下ネタになるんやけど。
鈴木 : 下ネタしかないでしょ(笑)。
ショウゴ : コテカしかない(笑)。
中村 : これ(ANGEL)で精通したっていう。
一同 : あ〜(笑)。
MIGHTY : 精通!(笑)
中村 : だから強烈な一冊。
鈴木 : ダイレクトやね。もっと違うモノから始まったんじゃなくて。
ショウゴ : 結構ダイレクトというかエグいね、僕初めて見たけど。もう直球やね。
MIGHTY : この「ANGEL」は何で連載されてたん?
中村 : これはヤンサン(週刊ヤングサンデー)。
MIGHTY : すごい内容を描いてたんやね。
ショウゴ : グロいというか、もうエロ本やね。
中村 : けど当時は、ヤングサンデーを買ってなくて、中学はテニス部に入ってて。
鈴木 : え?ペニス部じゃなくて?
一同 : 笑
中村 : テニス部の先輩が、この本が欲しいから本屋に来てくれと。お金渡すから買ってきてほしいって言うから買わされた。
MIGHTY : あ〜、先輩のパシリとして遊人を買わされたんやね。
中村 : そうそうそう!「表紙も全然エロくないから、お前やったら買えるから」って言われて。
MIGHTY : エロ本買ってこいって事やな。
中村 : それで、中身を見せてもらって、オレも欲しいと思って。自分の分も買いに行った。
鈴木 : でも遅いね。中学生で精通するって。
MIGHTY : けど、オレも中一やったんちゃうかな?
鈴木 : 中村君にしては遅い。
一同 : 笑
鈴木 : その後の事を考えると。
ショウゴ : 奇行からすると(笑)。
一同 : 笑
鈴木 : 珍日本紀行(笑)
中村 : (笑)けど初めて買ったのが2巻。
MIGHTY : あ〜なんかわかる。途中から買うとか(笑)。
鈴木 : 当時、ランダムやったよね。変な巻から買う。
MIGHTY : そうそう!関係あらへんもんな(笑)。
中村 : 売ってるモノから買って揃える。
鈴木 : エロとか普通とか関係なく、変なコミックの買い方してた。
ショウゴ : あれって何なんやろね(笑)。
MIGHTY : 4巻とかから買うみたいな。
ショウゴ : あれ、ほんまなんなんやろ。
MIGHTY : なんも意識してなかったんやろ(笑)。
中村 : で、1巻だけが地元がめちゃくちゃ田舎やからどうしても売ってなくて。で、だいぶ経って買ったんかな。
MIGHTY : で、これはどういう内容なん?
中村 : 内容はただただ高校生のエロ。宮崎駿に似ているキャラが出てきたり。
MIGHTY : ほんまや。これ実際「宮崎モデル」?
中村 : わからへん。でもめちゃくちゃ似てて、宮崎駿っぽい。
MIGHTY : けど、かなり攻めてるよね。普通にガンガンやもんな。
ショウゴ : やばい。
鈴木 : 焦らす感じやなくて、ダイレクトやもんね。
思春期の執念とエロ事情
MIGHTY : オレらのリアルタイム(のエロ漫画)は「電影少女(ビデオガール)」やね。
ショウゴ : 僕も「電影少女(ビデオガール)」。でもあれって、わりかしそんなにグロくなくって。普通に女の子カワイイ。
鈴木 : パンティーの描き方が、、
ショウゴ : めっちゃエロい。
MIGHTY : 当時は、エロ漫画って色々あったよね。「やるっきゃ騎士」とか、「レモンエンジェル」とか。友達が持ってたわ。
中村 : ああゆう漫画って、全部乳首描いてなかったりするから、全部乳首を自分で描いてたわ。
一同 : 笑
中村 : だからこの「ANGEL」も描いてるねん。
ショウゴ : この単行本にもさっき描いてあったで。
中村 : 当時、そういうところを想像して描くっていう。
MIGHTY : え、自分で想像した乳首をつけ足すって事!?(笑)
中村 : つけ足す。鉛筆で描く。もし親に見つかっても消せるように。
一同 : 爆笑
MIGHTY : なんの執念なんそれ(笑)。
鈴木 : で、描いて舐めてたん?それを。
中村 : 舐めはしてないけど(笑)。
けど、こういう「ぺろぺろ」とか「テロピテロピ」とかの擬音をすご
い読んでた。
一同 : 爆笑
鈴木 : 中学生の中村少年が。
中村 : 「パァコパァコ」とか。
鈴木 : 「うんずりうんずり」とか?(笑)
中村 : 「ジョップジョップ」とか。
ショウゴ : 擬音イイね(笑)。
中村 : 擬音をすごい口に出して言ってた。
だから、今まで何回も引越したけど、遊人の漫画は捨てたり、売ったりはできへん。これ握ったら「やっぱり置いとこ!」ってなる。
MIGHTY : 青春の1冊。
ショウゴ : ということは、これはその時に買ったやつ?中学校の。
中村 : そうそう。当時買った。
鈴木 : ちょっと湿ってるもんね(笑)。
中村 : だからボロボロやろ。
MIGHTY : なんか反ってない(笑)。
鈴木 : じと〜っとしてる(笑)。
ショウゴ : 湿度高い(笑)。
鈴木 : 怨念が、、、、。で、これ初めて読んでどう思ったん?
中村 : もうすごい。「これか〜!」って。
鈴木 : その時、他にどんな漫画読んでたん?
中村 : 「ドラゴンボール」とか、、、、そこは普通(笑)。
で、「ANGEL」からエロい系は「てんで性悪キューピッド」とか。
MIGHTY : でも、あれってここまで露骨じゃないやん。
中村 : でもジャンプに全部乳首描いて。
一同 : 笑
MIGHTY : なんの執念やそれ(笑)。
中村 : オカンの乳首見てるからわかるやん、大体。
MIGHTY : オカンの乳首を元に(笑)。
一同 : 笑
MIGHTY : けどこれは中学生にしたら完全にエロ本やね。
ショウゴ : これは刺激強すぎるな。
けど、一周回って今の絵みたいでカワイイね。
鈴木 : またこんな感じの漫画が出てきそうやね。江口寿史とか今流行ってるやんか。
MIGHTY : 遊人の再評価がきそうやね。そんな気がするな。
鈴木 : もうあるかもよ。知らないところで。
MIGHTY : もうあるか。
ショウゴ : こんな感じの絵を描く人っておるやんな。
鈴木 : 台湾とかの海外であるかもしれへんな。
中村 : で、大学入ってから位かな?雑誌の「ブブカ」かなんかで遊人特集してて、大金持ちでエエ家に住んでるってのが載ってて、エロ本描いたら売れんねやって思ってエロ漫画を描こうとしてた。
鈴木 : それ残ってないん?
中村 : 残ってないねん。
ショウゴ : それ見たい(笑)。
MIGHTY : それ酷そう(笑)。
鈴木 : それ凄そう 。田舎の中村少年の(笑)。
中村 : 「ANGEL」を写してたから、体位とかはまんま一緒。そんな感じ。
鈴木 : 昔、一回おっぱいの絵を描いてさ、罪悪感感じて近所の空き地の土に埋めに行ったことある。
一同 : 笑
MIGHTY : エロ本とかエロ漫画って小学校の時、一回描いてみるよね。
ショウゴ : 描くね。
MIGHTY : けど、おっぱいの絵が描かれへんねん。
中村 : 難しいねん。
MIGHTY : 桑原和男のおばあちゃんの垂れ乳みたいになるねん(笑)。立体的に描かれへんっていうね(笑)。
中村 : 「ANGEL」の表紙も英語かなと思うけど、全部ローマ字やねん。
鈴木 : あ〜、あるなこういうの。
中村 : 英語と思って読まれへんと思ってたけど、眺めてたら「あれ?読める」って思って。
MIGHTY : こういうのもちゃんと読んでたんや(笑)。隅から隅まで。
中村 : 読んでた読んでた(笑)。
ショウゴ : 配色も今っぽいもんね。パステルカラー。
中村 : そうそう、3巻の表紙とかってさ。
ショウゴ :今の感じや。1周回ってるよね。
中村 : エロ漫画描く時は、全部右向きの女の子しか描かれへんかったわ。スーちゃん(鈴木)はそんなことないやろうけど。
鈴木 : それチンチンが右向いてるからやろ。
一同 : 笑
中村 : 左側向いた女の子が描かれへんねん。
鈴木 : ほ〜ん。その「描かれへん」ってのは「カカれへん」じゃなくて?
一同 : 笑
中村 : じゃなくて。ごめんなさい(笑)。
鈴木 : まあ、「そういう男よ」って感じやね中村君は。
中村 : でも遊人はほんまに評価されてイイと思うで。
鈴木、ショウゴ : 評価されてるやろ。
MIGHTY : 遊人は「ANGEL」が代表作なんかな?
中村 : そうやと思うけどなあ。発禁(発売禁止)なってたり色々あるやろうけど。
MIGHTY : これ発禁になってるの!?
中村 : そうそう、「ANGEL」は一回発禁になってん。コミックが回収になって、のちに改正版みたいなんが出てた。
リビドーの赴くままに
鈴木 : ここから始まっていく中村君の漫画史ってさ、僕的に中村君の本棚見てたら、エロ漫画の系統あるよね。
中村 : 「ANGEL」とか好きな時は、柔らかそうな”おちち”が好きやったけど。
MIGHTY : 「電影少女(ビデオガール)」とかも女の子柔らかそう。
ショウゴ : お尻の感じとか。
MIGHTY : グッときたな。
鈴木 : あれも発明やな。
中村 : 大学入った頃から、固そうな”おちち”の、、、、。
MIGHTY : 固そうなってどういうこと?
MIGHTY : 「まな板系」の?
中村 : 「鉄人ガンマ」とか、「お〜い!竜馬」とかに出てくる女の子とか。小山ゆうが描く裸の女の子って”おちち”固そうやん。
鈴木 : いや、そうかな?「鉄人ガンマ」とかめっちゃ(おちち)あるやん。
MIGHTY : あー!ぱっつんぱっつんってことやな(笑)。
鈴木 : 固いっていうよりも。
ショウゴ : あー!詰まってる感じや(笑)。
MIGHTY : 要は南米系というか、肉感がある筋肉質な女の感じやね。
ショウゴ : フワフワじゃないってことね(笑)。
鈴木 : 「や〜れ肉弾戦」や。
一同 : 笑
中村 : 誰も知らんと思うけど、エロ漫画家で時積恵美之(ときずみ えみし)って人がおって、その人とか固そうなパツパツの”おちち”を描くねん。
一同 : 笑
鈴木 : ラテン系のさ、ホット系のSEXやな。
ショウゴ : アマゾネス系の。
鈴木 : そうやな、アマゾネスやな。
ショウゴ : 「ダッダ〜ン!ボヨヨン ボヨヨン(笑)」
一同 : 笑
中村 : そうそう、ほんまにあんな感じのが好きになっていった。
鈴木 : ちょっと褐色系の(笑)。
中村 : 乳首が黒い。
ショウゴ : 笑
中村 : でもみんな「ANGEL」は読んだ方がいいと思う。ここまで許されてたんやっていう時代も感じるし。
ショウゴ : うん。そうやんな。
MIGHTY : そういうエロの衝動というか、そこだけで見てたってことやね。内容どうこうというよりも、自分の欲求を満たしてくれたということやね(笑)。
中村 : そうそう、カワイイ女の子。
ショウゴ : ありがとうやね(笑)。
中村 : ほんまにそれだけで読んでたね。
MIGHTY : そこを今日は紹介してくれたんやね。
鈴木 : けど「そういう男よ」ね中村君は。
一同 : 笑
中村 : そこだけで動いてたからね。
鈴木 : リビドー男や。
MIGHTY : それは大事なことですよ。エロはそうやから。
ショウゴ : 大事大事(笑)。
鈴木 : その後の中村君もそんな感じやね、リビドー系やもんね。音楽にしても人生にしても。
中村 : 人生は違う。
MIGHTY : リビドー系?(笑)
鈴木 : 本能のままに。
MIGHTY : 真面目にやってますよね。中村君は。
中村 : そやで!めっちゃ真面目にやってますよ。
鈴木 : 右向いてるけどね、チンチンは(笑)。
中村 : そやな、サウスポーやし(笑)。
一同 : 笑
(次回へ続く。)
ー 次回は、イラストレーター鈴木裕之の原体験となるマイフェイバリットな1冊を紹介。
「第2回 好きな漫画-鈴木裕之編-」はこちら!↓
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