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第1回「90年代の音楽② -中期編-」

前回の「90年代の音楽-初期編-」に続き、今回は「中期編」をお送りします。

「90年代の音楽-初期編-」はこちらから。↓

今回もお相手は、DJのMIGHTY MARS、イラストレーターの鈴木裕之、デザイナーでベーシストのヨシカワショウゴの3人です。
前回、初期編の「筋肉少女帯」、「B'z」、「THE BLUE HERTS」に続き今回の中期編ではどんなバンド、アーティストと駄話が飛び出すのか!?
ロック、ゲーセン、思春期、ヤンキー、テレビ、ファッション、オルタナ、漫画、お笑い、バンドと過ごした世紀末。
3人の高校時代に突入!「90年代の音楽」中期編スタート!
(2019年3月収録)

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クエスチョン(?)と衝撃体験


MIGHTY : それでは「90年代の音楽中期編」。まずは、鈴木さんから。

鈴木 : 僕が、中学校くらいの時のパンクとかビートパンク好きな感じで高校にあがって、たまたま行った高校のクラスメイトがNIRVANAとかが流行ってて好きやった時期やから、その流れが来て、、
ほんでBOREDOMS。
BOREDOMSの流れ。
BOREDOMS...?
BOREDOMSですわ。。

一同 :(笑)

MIGHTY ボアダムス

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鈴木 : そう!けど何から入ったんやっけな~?。。。あんま覚えてないねんけど。NIRVANAのカート・コバーンが死んでから出た本でさ、カート・コバーントリュビュートみたいなんがあって。それの一番最後に、NIRVANAの全公演の、リストみたいなんが載ってて、来日したときの前座みたいなんでBOREDOMSって言う日本のバンドがヤバいってのが載ってて。
で、高校の友達と京都造形大学でBOREDOMSのライブがあるっていう情報を得て、みんなで行ったんが最初かな〜。
当時、ライブなんか行った事無くて初めて見たライブがBOREDOMSやった。

MIGHTY : ん〜、BOREDOMSは謎の存在というか、、知ってたけど、俺も当時、衛星放送か何かでロラパルーザの映像で始めてみたんよ。
で、ものすごビックリして。マイク咥えてさ、上半身裸で逆立ちして、外人ダイブしてるし、ワケわからん音楽やってるし。
で、CD買ってめっちゃ損したと思った(笑)なんやこのアルバム!って(笑)。

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鈴木 : でも、音源とか映像で見る限りはかなりクエスチョン(?)な感じやねんけど、ライブに行ってさ、その体験が凄まじくてさ。
山塚EYE(BOREDOMSボーカル)の存在感とステージングの凄まじさに圧倒されてさ、もうそれ以降はトリコ仕掛け。

MIGHTY : ずーっと山塚EYEやったもんね(笑)。鈴ちゃん山塚EYEやった(笑)。

ショウゴ : (笑)

鈴木 : (笑)あれを浴びるとさ、あれしか無くなっちゃう様な感じ。

MIGHTY : うん、けど影響でかいし、関西に住んでたら余計ね。

ショウゴ : でかいすね。

鈴木 : 影響は凄いでかかった。全てにおいてそう。音楽面でもそうやし、アートにおいてもパズルパンクスっていう山塚EYEが大竹伸郎とやってたユニットとか。

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鈴木 : 現代美術に対しての興味とかもその辺で出てきたりとか。

MIGHTY : うんうん。

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PUZZLE PUNKS「PIPE LINE」

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PUZZLE PUNKS「BUDUB」


J-ROCKとの決別

MIGHTY : はい、では次はショウゴ君。

ショウゴ : 僕は、これ高校じゃないんやけど、中学校かな?
AEROSMITHの「GET A GRIP」っていうアルバム。

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MIGHTY : エアロスミスですね!「GET A GRIP」は、いつのやつ?リアルタイム?

ショウゴ : うん、リアルタイム。牛のジャケットのやつ。これの前はB’z好きって言ってて・・・

鈴木 : けど一貫してるね。

ショウゴ : うん。ハードロック。ラジオ聴いとってエアロスミスの曲が流れてきた時に、B'zやんって思って。

MIGHTY : 笑

鈴木 : 外国のB'zやと (笑)。

MIGHTY : これB'zのパクリやん!って(笑)。

ショウゴ : 今やったら面白いというか普通にB’z好きですけど、当時はオマージュっていうか、まぁオマージュでも何でも無いと思うけど。

鈴木 : 日本のエアロスミスやもんね。

ショウゴ : で、凄いショック受けてん。
なんやねんこれ!パクっとるやないか!って。
B'zが。

MIGHTY、鈴木 : あー!B'zに!

MIGHTY : B'zの元ネタ見っけたみたいな感じやな(笑)。

鈴木 : エアロスミスに対して怒ったんじゃなくて、B'zに対して怒ったんや。

ショウゴ : こんだけB'zが好きやったのに。

MIGHTY : B'zに対しての腹立たしさが(笑)。

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ショウゴ : 凄いショックで、腹立って。中学校の時。もう嫌やと。

鈴木 : もうB'zが。

ショウゴ : いや、もう日本の曲が。

鈴木、MIGHTY : あ〜!

鈴木 : もう決別や。

ショウゴ : てなって。そこからエアロスミス聴こうと。

MIGHTY : これ結構意外やったな。ショウゴ君がエアロスミス。

鈴木 : けど、僕とか中高位のときってエアロスミスとかMR.BIGって洋楽のダサいイメージがあって、洋楽ってダサいって言うレッテルがあってん。

MIGHTY : けど、中学校のときは、MR.BIGとかめっちゃカッコいいと思っとったけどな。

鈴木 : いや、なんかダサくて。ほんでGREEN DAYが出てきて、こんなかっこいいのもあるんやって言うのが洋楽のイメージ。

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ショウゴ : あ、僕は逆やわ。洋楽がかっこいいと思ってた。

鈴木 : 洋楽は、MR.BIGとかエアロスミスとかすげーダサいと思っててん。

MIGHTY : あの、ハードロックの感じ。

鈴木 : なんかヌメヌメした感じ。臭っさいような感じがしてて。

ショウゴ : (笑)

鈴木 : そこでGREEN DAYが出てきたから。だから、その辺全然通ってないねんな。。

MIGHTY : 俺はねショウゴ君と一緒で、中学校の時は所謂、基本的なロックというか、そういう名盤と言われるものは全部、借りたり買っててん。

ショウゴ : そう!見ながら買ってね。

MIGHTY : エアロスミスも初期とか、KISSも凄い好きやったし。LED ZEPPELINも好きやったし。

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ショウゴ : ガンズ(GUNS N' ROSES)とか。

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MIGHTY : そうそう。だからそういうとこは下地にあるな。好きやな。

鈴木 : 僕中学の時に「ガロ」を読んでもうてるから。

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ショウゴ 、MIGHTY : (笑)

MIGHTY : それは全然違いすぎるな(笑)。ガロ中学から読んでたらそりゃ無理やわ(笑)。

ショウゴ : 僕は、淡路島やからちょっと情報が遅いから。

鈴木 : 今なったりとか、大学に行くくらいの年齢になれば、追いつく様な感じはあるけど。未だにフィットする人って出会った事が無いっていうか。中学の時ガロを買ってガロのレビューで、POP GROUPの「Y」ってあるやん。あれが載ってたから、中学校の時にそれを先に聴いてんねん。

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MIGHTY : POP GROUPを!

ヨシカワ : そりゃ好きちゃうわ。

MIGHTY : いきなりカルピスの原液飲んでもうたみたいな(笑)。

一同 :(笑)

MIGHTY : あと薄っすい薄っすい(笑)

鈴木 : そう!PILよりも先にマッドな方行ってもうてん。
けど全然理解は出来へんかった。

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MIGHTY : けどなんか違うぞ!?と。こっちの方がかっこいいに違いない!と。

鈴木 : いや、それがいいか悪いかもわからへん。POP GROUPに対して。でも、ダイエーで売ってて。ほんで買ったな。JACKSとかさ。

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MIGHTY : 日本のね。

鈴木 GS(グループサウンズ)の亜流。ジャックスもガロに載ってたから買った。何がいいのかわからへんけど、とりあえず聴くみたいな(笑)。
だから出だしが間違ってる感じがある。

ショウゴ : 出だしが全然みんな違うもんね。

鈴木 : そう。けど正しいと思うよ。ショウゴ君とか。

MIGHTY : けど、ギターキッズとかの王道ラインやね。B’z行ってエアロ行くみたいな流れ。

ショウゴ : そうそう。ほんでこのエアロスミスの「GET A GRIP」の一曲目のギターリフみたいなんがあるねんけど、「EAT THE RICH」っていう、それでドーンっ!っと。

MIGHTY : あ、やられた!これやりたい!

ショウゴ : これや!と

鈴木 : ビーンッと来た感じ?

ショウゴ : それで楽器買った。

MIGHTY : 最初はそれやもんな(笑)。これ弾きたい!みたいな。それあるよなー。

ショウゴ : そっからドンドン、もの足りへんくなって速いメタルとかにドンドン行った。

MIGHTY : きっかけやね。

ショウゴ : そう。ほんまきっかけ。


「病んだ魂」  童貞カートコバーン・ワナビー

鈴木 、ショウゴ : じゃあ次マイティーは?

MIGHTY : 僕はね、先ほどからずっと出てますNIRVANAですね。
NIRVANA 「NEVER MIND」。

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MIGHTY : これは、リアルタイムじゃないねんけど。

ショウゴ : そうやんね。

鈴木 : もう死んでた。

MIGHTY カート・コバーンが死んでさ。「rock'n on」とか雑誌でいっぱい載ってて、そこで知った感じ。
で聴いて。当時高校生からしたらもうね、、

鈴木 : びっくりしたよね。

MIGHTY : これや、俺が求めてた世界観(笑)。

一同 : (笑)

MIGHTY : 所謂マッチョじゃなくて、SICKな感じというか。

鈴木 : ILLやったよね。

MIGHTYILLDOPEで。ほんで、アメリカンロックのあの潰れたディストーションの荒い感じというか、すごい好きやったなー。

鈴木 : 未だにNIRVANAって聴いたらテンションあがるよね。

MIGHTY : かっこええ。

鈴木 : で、僕らのときって丁度さ、大阪やからアメリカ村の古着のブームがリンクしてて、ネルシャツとか。

MIGHTY : あー!そやなー、古着ブームやったしなぁ。グランジはとりあえずネルシャツと破けたジーンズやと。

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鈴木 : そうそう。あとカーディガン。モヘアの(笑)

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MIGHTY、ショウゴ : (笑)

MIGHTY : けど着てもあんなかっこ良くならへんねんな(笑)。なんか全員おっさんみたいになるねん(笑)。カート・コバーンになれへん(笑)。

一同 : (笑)

鈴木 : なんか、おかんが持ってるカーディガン借りて、ちょっとちゃうみたいな(笑)。

MIGHTY : そうそう(笑)、うまいことカート・コバーンなるんめちゃくちゃむずいねん。

鈴木 : コバーン臭パーセンテージ高いやつってクラスにちょっとおったよね(笑)。

MIGHTY : そうそう。(笑)


新たな価値、インディーズとの邂逅

MIGHTY : 高校時代はNIRVANAと、さっきも鈴ちゃんが言うたけどGREEN DAYね。GREEN DAYの「DOOKIE」が出て、これも衝撃やったね。その後にハイスタ(HI-STANDARD)とか知ってんけど、インディーズのパンクとかの入るきっかけやったんが「DOOKIE」。

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鈴木 : そんなLOOK OUTとか全然知らんもんね。

MIGHTY : 知らん知らん。CLASHとかPISTOLSとか聴いてたから。けど、今の時代でやってる人なんか知らんしさ。で(GREEN DAYは)カジュアルな格好で、ジョーストラマーみたいな感じやし。

鈴木 : サウンド的にも所謂洋楽のハードロック的なイメージが無い、すごい新しい感じがあったよね。

MIGHTY : ポップやしな。その後に日本のHI-STANDARDとかを知って、インディーズっていうものを知っていく。

鈴木 : 僕、HI-STANDARD知ったんは、ジャリズム渡辺が(世界のナベアツ)HI-STANDARDのシャツを着ててそれで知った(笑)

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一同 : (笑)

MIGHTY : 「すんげー!BEST10」とかで?

鈴木 : そうそう!(笑)なんか当時の二丁目系の吉本のお笑い芸人って殺害塩化ビニール臭があったよね。

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MIGHTY : あ〜。

ショウゴ : あったな(笑)。

鈴木 : あったよね、スミス夫人とかさ。

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鈴木猛毒とかさ。

MIGHTYケンコバとかもそうやね。モストデンジャラスコンビとか。

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MIGHTYG★MENSとかグラインドコアやもんな。完全に。

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ショウゴ :(笑)

鈴木 : そうそう。かといって殺害の影響下にある訳ではないやろうけど。

 MIGHTY、ショウゴ  :(笑)

鈴木 : そういうんがあったよね。けどほんまにNIRVANAは、ファッションとか色々。

MIGHTY : そうそう。その流れでオルタナっていうのが流行ってたから、日本のバンドもBOREDOMSやったり少年ナイフを知るきっかけになったり。SONIC YOUTHやったりとか。

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鈴木X GIRLとかね。BEASTIE BOYSとかGRAND ROYALとか。

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MIGHTY : うん。だからBEASTIE BOYSも最初はロックの解釈で聴いてたしな。NIRVANAから入ったから。ロックバンドって感じやったな。当時はバンド編成やったしな。

鈴木 : うん。チベタンフリーダムコンサートのやつとかね。

MIGHTY : そうそう。ほんまにNIRVANAの「NEVER MIND」は、良く聴いたっすね。

鈴木 : 未だにかっこいいもんな。これは。ビートルズくらいの感じやね僕らの世代の。


MIGHTY : では、次は90年代後半ですよ。高校卒業して、そろそろみんな活動し始めるような時期。自我を持って、リスナー的にもドンドンいろんな事がわかってきた時くらいに聴いた1枚をいきましょう。(次回へ続く。)


ー 「90年代の音楽」最終編はこちら↓。

Mixcloudでは、めっちゃエイリやーん「第1回 90年代の音楽」のラジオ音源を全編お聴きいただけます。
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