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あたしゃ、ママになれないね。

先日、こんなお客様がいらっしゃいました。



「甘えたい。僕は赤ちゃん。君はママね。」




「❓❗」
と思いつつも、もう後戻りはできない。
与えられたミッションをこなすのみ。
わたしは腹をくくったのだ。





あかちゃんの登場。
「バブゥッ!!」
などと奇声を発する大きな赤ちゃんを尻目に
わたしは正直、本当に戸惑っていた。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。)




しかし彼の良いところは、
時間配分をあらかじめ伝えてきてくれた点だ。
ココを何分。ソコを何分。
アソコを何分。ドコを何分。
わたしは心を殺した。





「ママ~コチョコチョ、チテ♪」
「ママ~ミテミテ‼イナイイナイバァ~~♪」
と、とても楽しそう。
わたしは
「そうだね〜。良かったね〜。」
としか言えず。
女に生まれてきた私、
果たして母親になることができるのだろうかと
不安を募らせた。





「ママ~ボク、カワイイ??」
悲しきモンスター。
彼の過去が気になる。
愛着形成においてなんらかの問題があったのか、
それとも後天的にできた趣味なのか。
「そうだね、ママに似てカワイイよ。」
精一杯、返したつもりだ。





(はやくおわれ…。)
わたしの心の中ではこの6文字が
ずっとぐるぐると漂う。
単純に「恐怖、不安」などという感情よりも
「果たしてわたしはママをできるのか。」
という問題点が私の中に残ってしまった。



お金を稼ぐって、大変だ〜ぁ。



バブゥッ!

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