見出し画像

もう2D CADの二次元図面から解放されたい

最近、2D CADの二次元図面から解放されたいと思っています。
もう疲れたんだーと駄々をこねたい気分です。

私は普段、機械設計や製図の請負に従事しています。15年ほどは図面を読んで描いて関わってきました。
それなのに何故なのか?理由を挙げてみました。

目次
■  
何が嫌なのか?
■  二次元図面は不可欠だけど、作る過程は改善できるはず
■  操作を減らして、本質的な設計に脳みそを回したい
■  おまけ:MBDで二次元図面が無くなる?!


■ 何が嫌なのか?

長く付き合っている分、嫌な部分が見えてくるんでしょうね。
以下に理由を挙げてみました。

・ 読み手に負担をかけすぎ
二次元図面は、平らな図から立体形状を想像せねばなりません。
ということは、伝わる人を選んでしまうという事です。
形状が複雑になると、いくら幾何学的製図的に正しく書いていても、熟練した人でなければ考え込まないと読み取れない事があります。
以前いた職場で、図面の形状の問い合わせが来ると「最近の奴は空間認識能力が云々」と怒っている人がいました。
それは大事な能力ではありますが、書き手ももっと改善する事ができないのかなーと。読み手に頑張らせすぎ。

・ 描き手によってバラつき大きすぎ
他人が描いた二次元図面は読むのが辛いです。分かりやすい図面を描く人もいれば、投影がでたらめで混沌としている場合も。
図面を読む、というよりは宝地図の解読という趣です。
これはお互い様で、私の過去の二次元図面もそう思われている可能性有。

・ 嘘多すぎ
2DCADで描く図面は集中力が命なので、疲れると容易にミスします。
投影線が正面と平面と側面で合ってないとか、幾何学的に成立しないのにもっともらしく書いてあるとか。
更に朦朧としてくると、修正せずに偽尺を上書きしてごまかそうとする悪魔の誘惑すらおきます。(しないけど)

・ 編集に時間かかりすぎ
2DCADの2D図面は、後から編集するのが本当にめんどくさいです。
ちょっと変更するだけでも伸ばしたり縮めたり、あくせく操作せねばなりません。
私は始めの頃はドラフターで図面修正をしていたので、2DCADの有難さや機能はよくわかっています。
でも更に楽をするためには現状に感謝ばかりしていられません。人間が働かされ過ぎです。

完全に2次元CADとは縁が切れませんから、マクロを組んだりして効率化を頑張っていますが、限界があるよなーしんどいなーというのが本音です。


■ 二次元図面は不可欠だけど、作る過程は改善できるはず

二次元図面は(ちゃんと描けば)1枚の図面に情報を凝縮できるので、機能的です。
だから失くせとは言いません。というか零細個人事業主のわしにそんな権限ないですしねw
でも「3DCADも使っていたら負担が大幅に減るよなー」というケースが、日々の業務で結構あるんですよ。

例えば、大量の類似形状の図面が必要な機会がありました。アウトプットこそクラシカルな二次元図面ですが、作る過程は3DCADで半自動化できました。これ2DCADでやっていたら……と思うとぞっとします。

▼詳細はブログに綴りました。

■ 操作を減らして、本質的な設計に脳みそを回したい

私の仕事の一環で、2Dやドラフターが現役という現場に3D CADの導入を支援することがあります。
新しいツールを入れるのは抵抗があるんだろうなと思いきや、「ほんと便利やなー」と喜ばれて積極的に受け入れられることが多いです。
操作を減らして負担を軽くすると、安全や使い勝手といった本質に脳みそを使う余裕が生まれますから。
ちょっとずつ「従来の当たり前」をアップデートしていきたいです。


■ おまけ:MBDで二次元図面が無くなる?!

そうそう、MBDという言葉を、CADソフトの公式ツイートでちらほら見ます。

▼例えばこんなツイート。

調べてみるとMBDは”model-based definition”の頭文字をとったもの。
直訳すると「モデルベースの定義」となります。
意味はQuality Digest(*1)という記事にはこう書かれています。

MBD, also sometimes referred to as the “digital product definition,” allows for the migration from 2D paper-based drawings to comprehensive 3D CAD models. The models created via MBD include all the necessary information required to generate the part so no other files or drawings are needed.
・MBDは「デジタル製品定義」とも呼ばれてる
・MBDモデル(3Dデータ)には、(寸法、注釈など)製造に必要な情報が含まれているので、図面は要らなくなる
……というような意味です。

色々よむと、一部のアメリカ大手メーカーが自社内の製造プロセスに組み込んでいるぐらいで、広く浸透しているわけではなさそうです。

これが普通になってくれたら楽なんですけどねw

興味がある方は、下記の文献をお読みください。
分かりやすくまとめられていました。

*1. ▼Quality Digestというメディアの記事です。
Bell, G. (2018, 10 18). Realizing the Value of GD&T in Model-Based Definition. Retrieved from Quality Digest

▼コンパクトにあらましがまとまった論文がありました。
Bijnens, J., & Cheshire, D. (2019). The Current State of Model Based Definition. Computer-Aided Design and Applications, 308-317. doi:10.14733/cadaps.2019.308-317


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

最後までお読みくださり、ありがとうございます。 頂いたサポートは、ブログのサーバー代や記事作成費用に充てさせて頂きます!

スキありがとうございます!
5

のぼゆ

普段は個人事業主のエンジニアとして、機械設計や製図の請負などに従事しています。独学して仕事に就きました。 そのノウハウや思い、勉強法を紹介するブログを運営しています。https://www.noboyu.com/

裏・のぼゆエンジニアリング

のぼゆエンジニアリング事務所裏です。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。