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改訂前 2章ー2

2.母世代と異なりセラムン世代以降は華やかに見えても貧困という影
美少女戦士セーラームーンでは二作目(R)から母娘の物語にシフトしていく。ここにセラムン世代のジレンマが隠されている。あらすじは以下の通り。
未来の地球の女王セーラームーンと王であるタキシード仮面の娘、ちびうさはある日成長が止まり、戦士の力も目覚めない。落ちこぼれと言われる中、敵の襲撃で自分以外が倒れてしまい過去のセーラームーンに助けを求める。しかし過去でもいつも足手まといの自分に絶望し、敵となって力に覚醒する。最後はそのせいで大切な友人を失い、その結果愛されていたことに気づき戦士の力に目覚める。
セラムン世代の親はバブルの時代を生きてきた。男が稼ぎ、女は家庭を守るというスタイルがいまだ根強い時代で、日本型雇用が機能していた。年功序列、終身雇用のおかげでお金が必要になるころに夫の給料が上るため、彼女たちの母親は専業主婦であることが多い。また恋愛結婚もあったが、お見合い結婚も根強く、近所のおせっかいな人がくっつける風習があったので結婚率が90%強であった。そのような経験をしてきている母親を見てきている影響か、近年の調査ではセラムン世代含む若者の専業主婦志向がわずかに増加している。しかしここで男女の意識のミスマッチが起こっている。女性の三人に一人が専業主婦を望み、男性の五人に一人が専業主婦を望んでいる。[15]その背景には相対的な低所得が挙げられる。
今や雇用者全体のうち、非正規雇用の人は三八・二%に上る。なおかつ大卒者であれば三人に一人が奨学金の返済に追われており、今や男性にとっても切実な問題だ。またNHKの調査では非正規雇用に占める女性の割合は七割で、その中で年収二〇〇万円未満の収入しか得ていない若年女性(十五~三十四歳)の数二百八十九万人いる。(正規雇用でも二〇一三年の女性の平均年収は三五六万円。ちなみに男性は五二七万円だ)[16]貧困[17]は遠い存在のように思えるが、この現状と奨学金返済があることを思い出すとそうではない可能性がちらつくのは否めない。リーマンショック以降から「正規の3割と非正規の多くが年収300万円以下の給与で生活している[18]」。これは男女の区別がない数字である。それならば、男性と同じように大学に進学しているはずの女性たちはなぜ非正規の比率が高いのだろうか。その原因は女性特有のライフステージによるものである。現代の女性は結婚をしても仕事を続けるのがスタンダードになってきた。しかし、母となるといくら福利厚生と法律があってもそれが難しくなる現状がある。「キャリアか、出産か」の選択を迫られる女性たち。先ほど女性の7割が非正規であると述べたが、派遣社員の流産率・保育従事者の流産率が高い[19]ことをご存知だろうか。さらに「労働時間が長いほど、妊娠異常が起こる率が高まることが分かっている」。[20]具体的に妊婦が避けるべき仕事が決められている。そして職場で妊娠の事実を告げないまま妊娠初期に流産するケースが多く、この問題は労務管理から抜け落ち放置され続けている。妊娠初期は胎児の重要な器官が育成される期間なので実は注意が必要である。かといって、経済的な理由で妊娠出産は先延ばしできない問題である。いくら日本の医療が素晴らしいとしても人間の身体には妊娠適齢期がある。日本産科科学会では35歳以上の初産婦を「高年初産婦」と定義している。さらに「加齢による妊娠異常の影響は大きい。妊婦死亡のリスクが20代に比べて、三五歳で五倍になり、四〇歳では一〇倍になる[21]」。医療が発達しているのに高齢出産は、自分の命と子どもへのリスクがとても大きいことを留意しておく必要がある。しかし厚生労働白書の調査で年齢と妊娠出産の関係をしらない男女が3割存在することが確認された。そして日本人の女性の婦人科受診率も著しく低い。子どもが欲しくなった時やどうしようもなくなったときに受診しに来る女性が多い。その点が変われば、美容と健康が保たれ、不妊治療にかかる費用も抑えられる。


大学生の頃からLINEスタンプクリエーターしてます。 芽子と申します(*´▽`*) セーラームーン、moumoon、デジモン、好きです! ランサーズに登録もしてます。あとBASEもしてます。