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メディアが分かるマガジン

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雑誌の出版概況の解説からソーシャルのトレンド、効果的なオウンドメディアの作り方まで。メディア&コンテンツに関する解説マガジンです。
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温度の低いコンテンツは、賞味期限が長い法則~Mステのタモリさんに学ぶ

温度の低いコンテンツは、賞味期限が長い法則~Mステのタモリさんに学ぶ

温度の高いコンテンツと低いコンテンツ
先日テレビをつけたら「渡辺篤史の建もの探訪」のスペシャルバージョンを放送していたのですね。番組を知らない人に説明すると、俳優の渡辺篤史さんが個人の邸宅を訪問し、見学をするという番組なのですが、「え?まだやってるんだこの番組」と思うレベルの長寿番組で、初回放映日を調べたところ、なんと1989年4月1日となっており、30年以上も続いているのです。

「渡辺篤史の建

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週刊誌とSNSの悪魔合体の背景にある、インターネットの闇

週刊誌とSNSの悪魔合体の背景にある、インターネットの闇

週刊誌とX(旧Twitter)が悪魔合体した結果
最近、週刊誌が個人を社会的に消すことができるようになってしまった、ということが巷でよく言われるようになりました。
その原因は、情報の発信元である週刊誌と、X(旧Twitter)が悪魔合体したことにより、その威力が増幅された結果だとも言われています。

確かにここ最近は、週刊誌の報道とともにXでも炎上状態となり、Yahoo!のニュースランキングも週刊

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ブログはどこへ消えた?それでもnoteは盛り上がる理由

ブログはどこへ消えた?それでもnoteは盛り上がる理由

ブログ飯なる言葉も登場した2010年代
2010年代前半くらいは、ブログブームがすごかったんですよね。ブログ一本で生計を立てるというブログ飯なるワードも登場して、毎日大量のブログ記事を書くインフルエンサーが登場し「とにかくブログを書け」とネットで先導して、ブロガーになるために大学の進学を止めたとか会社を止めたというニュースも耳にしました。

同時に論考的なブログも盛り上がりを見せ、ブログプラットフ

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マンガがフルカラー×縦スクロールになる理由。ウェブトゥーン化で失われるもの

マンガがフルカラー×縦スクロールになる理由。ウェブトゥーン化で失われるもの

マンガをフルカラーで縦スクロールにすべきか?先日、堀江貴文氏が日本のマンガもカラー化するべきではという持論を展開して、話題になっていました。

ウェブトゥーンとは、韓国発祥のデジタルマンガで、縦スクロールとオールカラーの作品が連載されています。
カラー化のメリットを示すエピソードとして、自身のメルマガで連載中のモノクロマンガをInstagramに投稿したところ、予想外に「いいね」が少なかったと話し

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ReHacQ リハックに学ぶ、提案型メディアが尊い理由

ReHacQ リハックに学ぶ、提案型メディアが尊い理由

ReHacQ リハックを推した方が良い?
先日YouTubeにおけるビジネスメディア、3チャンネルの比較をしてみたのですが、資金調達をしてYouTubeに特化したPIVOTが、チャンネル登録数的にはNewsPicksを抜くことが見えており、非常に伸びています。

NewsPicksを猛追するPIVOT。ビジネス動画メディアの行く末は?

PIVOTもとても面白いと思うのですが、個人的にはReHac

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ジブリに学ぶ、マスにウケるコンテンツは多重構造

ジブリに学ぶ、マスにウケるコンテンツは多重構造

SNSの発達とロールモデルの崩壊で、好みが多様化
SNS等の個人メディアが発達し、テレビというマスメディアが衰退している中、人々の好みや嗜好は細分化しています。また、終身雇用を土台とした一定年齢での結婚・子育てという人生のロールモデルも薄まり人々の生き方が多様になってくると、全員に共感してもらえるコンテンツの難易度は上がります。今の時代では、マスにウケるコンテンツというのは、多重構造になっています

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日経電子版は有料会員90万人に迫る。ビジネス経済メディアの勝者は?

日経電子版は有料会員90万人に迫る。ビジネス経済メディアの勝者は?

日経電子版は月間2億近いPV、東洋経済オンラインはエンゲージメントが高めビジネス経済メディアの2023年1-3月平均(日経電子版のみ2023.2.1時点公表の数値)を比較すると、自社UU順では日経電子版の4,032万がトップとなっており、次いで東洋経済オンラインが2,448万と続いています。
自社UU数では2倍近い差がついていますが、自社PVを比較すると日経電子版は1億9,000万PV、東洋経済は

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タイパを追及したコンテンツの行きつく先

タイパを追及したコンテンツの行きつく先

■タイパを重視した結果、ファスト映画が生まれた
最近はタイパ=タイムパフォーマンスという言葉をよく耳にします。時間あたりのパフォーマンスを最大にしたいという価値観が広がり、何をするにしてもタイパが重視されるようになりつつあります。
それだけスマートフォンの登場以降、コンテンツが溢れかえり、人々の可処分時間を奪い合っている証拠だと思われます。

タイパ重視の世の中において、ひとつの象徴的な出来事がフ

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2極化するコンテンツ~熱量の高いコンテンツと低いコンテンツ

2極化するコンテンツ~熱量の高いコンテンツと低いコンテンツ

コンテンツの供給過多により、可処分時間の奪い合いに

YouTubeなどの動画プラットフォームなどの発展により、個人が動画やテキストコンテンツを発表する場が広がり、個人クリエイターの数が増えています。平行して、スマホゲームやNetflix等の動画配信プラットフォームの発達により、コンテンツの消費側の可処分時間は奪い合いになっています。

コンテンツの供給側が飽和し、消費側の可処分時間の希少性が増し

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アイドルが最強のコンテンツである理由

アイドルが最強のコンテンツである理由

個人メディア台頭の時代

SNSやYouTubeなど個人が情報発信できるメディアの発達によって、個人のエンパワメントが高まっていると言われて久しいです。実際に、YouTubeのチャンネル登録数が100万以上のチャンネルは大抵個人、もしくは個人が集まったグループ単位のチャンネルであり、テレビ局や制作会社などが手掛けるチャンネルにおいて100万人を超えるチャンネルというのは非常に珍しくなっています。

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ファッションは、消費者主導の時代に。Webファッションメディア「Dorris」正式リリース

ファッションは、消費者主導の時代に。Webファッションメディア「Dorris」正式リリース

大人女性のためのWebファッションメディア「Dorris(ドリス)」を10月10日(水)より正式リリースいたしました。
ファッションを取り巻く環境はインターネット登場以降、消費者主導の形に変遷しています。今回ファッションメディアをスタートするにあたり、背景と意図をお話させてください。
(メディア概要は末尾に記載しています。)

■ファッションの発信元は、パリからスマホになった
女性ファッション誌の

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都市から生まれたカルチャーは、インターネットに場所を変えた

都市から生まれたカルチャーは、インターネットに場所を変えた

その昔といってもほんの20年ほど前、渋谷にはたくさんのミニシアターがあって、本屋があって、カフェに入ると本屋で買った本やら雑誌やらを熱心に読んでいる人たちがいました。

渋谷には、本・雑誌の中でもサブカルチャー寄りのメディアや、ミニシアター系の映画というコンテンツが溢れかえっていました。渋谷で本屋に入り、スタジオボイスなんかを眺め、シネクイントでバッファロー66を観て、個人経営のカフェで感想などを

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学術誌「ナショナルジオグラフィック」の3千万部超えに、アメリカの知識層の厚さを見る

学術誌「ナショナルジオグラフィック」の3千万部超えに、アメリカの知識層の厚さを見る

3千万人を超える読者を持つ学術誌「ナショナルジオグラフィック」

アメリカの雑誌メディアを発行部数のみならずWebへの訪問数やvideoの視聴数などで多角的に計測したmedia360°のデータを解析し、前回アメリカの雑誌メディアを取り巻く状況を解説しました。
解析していて突出してすごかったのが学術誌「ナショナルジオグラフィック」の誌面および電子版における発行部数です。なんと31680(単位:千 2

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多チャネル化するアメリカの雑誌に見る、メディアのトレンド

多チャネル化するアメリカの雑誌に見る、メディアのトレンド

■このnoteのまとめ
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・アメリカの主な雑誌メディアの総合評価データ
・アメリカで人気の3つのメディアはエンタメ、スポーツに加えてまさかのジャンル…
・日本でも有名なエンタメゴシップ誌peopleは曲がり角!?
・「National Geographic」の驚異的な部数。アメリカのビジネスマンは教養深い?
・前年同月比での比較で

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